決壊する箱庭   作:獄華

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 レクイエムのレオンイケオジすぎない(笑)?。


虚飾の神

 

 「……なんとか避難場所に来れましたが」

 

 八幡海鈴は喧騒が飛び交う簡易避難所に指定された体育館で壁に身を預けスマホを見ていた。

 家に帰りたかったのだが途中で交通網が完全に麻痺し近場の避難所へと身を寄せた。

 

 ―――取り敢えず安心そうでしょうか……。

 数時間前に別れたMujicaの皆さんや立希さん含めたMyGOの皆さんが無事だと良いんですが。

 

 「そこのお嬢ちゃん」

 

 「はい?何かようでしょうか?」

 

 声を掛けて来たのは白髪にパーマ頭の一人の老婆だ。

 

 「なぁに……死が近い婆さんの世迷言じゃよ」

 

 「……はぁ」

 

 「あんたはワシの孫と同じぐらいでのう……。困ってる子を見つけたら助ける心優しくて可愛い子じゃったよ……」

 

 「……まさか」

 

 「あぁ……。避難する時になワシを庇ってあの暴徒共に殺されおったわ!」

 

 怒りがこもった手つきで老婆がカバンを開けると血まみれの少女の首が入っていた。

 カッと開かれた死体の目と海鈴は目が合う。

 

 「ひっ……!」

 

 「何故じゃ、何故じゃあ!。この平和な日常を破壊した奴は誰じゃあ!。孫を、孫を返せぇぇぇ!」

 

 「おぇぇぇぇっ……!」

 

 耐えられなくなった海鈴はその場に戻し、事切れたように倒れる。

 

 「お、おい…そのばあさんイカれてる!」

 

 「あれ人間の首よ!」

 

 皆が老婆に驚く中、一人の少女が老婆と海鈴の間に海鈴を護るように立ち尽くした。

 透き通るような水色の髪に、美しい黄色の目。

 

 「おいあれまさかMujicaのオブリビオニスじゃねぇのか?」

 

 一人の避難民がぼやいた。

 少女はパンパンと手を叩く。

 

 「皆様落ち着いて。このお祖母様は若くして亡くなられたお孫さんの為に激情の渦に駆られてる様子……私達に出来るのは咎める事ではありませんわ。このお祖母様と哀しみを共有し祈る事です」

 

 「小娘!お前如きに私の気持ちの何が分かるんだい!」

 

 「分かりますわ。貴女の喪失……。忘却したくても出来ないでしょう……。大丈夫ここにいる皆様がお祖母様と同じ気持ちです。どうか貴女に安らかな祈りを、お孫さんに安らかな眠りを」

 

 少女は跪き老婆に頭を下げる。

 静寂に包まれる体育館内……場は完全に少女に掌握されていた。

 

 「し、失礼します」

 

 程なくし災害対策委員の腕章をつけた二人の男性が老婆の元に駆け寄り老婆は愛しき孫の首ごと別室に行く事となる。

 

 「ありがとう。お嬢ちゃん……あんたのおかげで孫も私も救われた気がするよ」

 

 「礼には及びませんわ。箱庭の管理には自信がありますから」

 

 別室に向かう老婆と少女は言葉を交わした。

 

 

 

 

 ―――――

 

 

 

 

 「ううん……。私何を?」

 

 海鈴が目を覚ますと見慣れた顔がそこにはあった。

 

 「あらあら貴女はスケジュールに厳しそうなイメージがありましたが、意外と寝坊助さんね海鈴」

 

 「豊川……さん?。無事だったんですね!」

 

 「えぇ」

 

 マッドの上で横になる海鈴の髪を少女は優しく撫でる。

 自分の娘を愛でるかのように。

 

 「あ、そうだ。先程のお祖母さんは?」

 

 「保護されましたわ」

 

 「若葉さんや三角さんはどうしたんですか?」

 

 「大丈夫よ。睦も初華も私の家族(・・)が見ていますわ」

 

 「家族?。豊川さんの家にいるって事ですね」

 

 「えぇ。海鈴。貴女も私の家に来なさいな。大丈夫……安心が手に入るわ」

 

 「豊川さんありがとうございます。ですがMujicaだけじゃなく他の方々も助けませんか?Poppin'Partyとかハロハピの先輩方とか」

 

 「あら海鈴贅沢な願いね。ですが何事もリソースがありますわ。まずはAve Mujicaが最優先よ」

 

 「……確かに。すみません現実と理想を一緒くたにしてしまいました」

 

 「いいのよ何事も経験だから。屋上にヘリがありますわ行きましょう」

 

 「……はい」

 

 ―――流石お金持ち……スケールが違いますね。

 でも豊川さんがいてくださってよかった。

 流石Ave Mujicaの神……。

 

 「海鈴。お花を摘んで来ますわ。先に行っていて」

 

 「はい」

 

 少女はトイレへと入っていった。

 

 

 

 ―――――

 

 

 

 

 

 「ふふ。ティモリスの頭はカチンコチンね。タイラントより硬いかも」

 

 用を足し終えた少女は鏡をみながら自分の姉と瓜二つの髪型と目を見て不敵に笑う。

 

 「あぁ反吐が出るわ。何故私がお姉様の髪色や髪型を真似しないといけないのふふふ」

 

 ―――こんなの認めない私は豊川栞紫!。

 豊川祥子ではない!。

 私はオリジナル姉を超えるのよ。

 

 右手に炎を纏うと栞紫は思いっきり鏡を強打した。

 飛び地った破片と強打した場所から血が流れるが瞬時に回復していく。

 同時に彼女の炎も飛び散ってまたたく間にトイレは炎に包まれた。

 また、彼女の髪は紫色に目の色は緑色に変化していた。

 

 「ふふ…まだ海鈴には私の本当の色を見せては駄目ね」

 

 カメレオンの擬態のようにまた豊川祥子の髪色と目の色に戻すと彼女は無言で屋上に向かった。

 

 

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