「ん、先生は私とあっち向いてホイをやるべき」
「いやなんでだよ」
ある日のアビドス高校での事だった
シロコから連絡を受け向かったのはいいが……
教室に入りシロコに挨拶をするとこれだ
「な、なんであっち向いてホイをやるんだよ……」
「ん、前にみんなとやって、先生とやりたくなった、それだけ」
「……」
シロコは思いついたらすぐに行動に移すタイプだと思う
銀行強盗の時だって、提案をした際に既に覆面を着けていた程に……
別に悪いことでは無い、だが少し考える事を学んだ方がいいとは思う……
そうでないと、いつか自分の身を滅ぼす事になるかもしれないからだ……
「ホシノの言う通りだな……」
「ん?ホシノ先輩が何か言ってたの?」
「いや、言葉ではない」
「……どういうこと?」
「『手紙』だ……」
「手紙……あっ……」
手紙。
具体的に何を指しているかは言わなかったが、アビドス廃校対策委員会であるシロコには分かるはず……
それはあの時ホシノが、自身と引き換えにアビドスを救おうとした際、全員に向けて残していったものである
最後に思いの丈を綴ったが故に、嘘偽りない本心の言葉
――最後に我がままを言って悪いんだけど、お願い
シロコちゃんは良い子だけど、横で誰かが支えてないと、どうなっちゃうか分からない子で。
悪い道に逸れちゃったりしないように、支えてあげてほしい。
大丈夫…先生は”本物”だから…私と違ってみんなを助けれる力を持ってるんだから。
約束だよ、先生
「…………無効、じゃないの?」
「お前たちがあの手紙を見て、ここを絶対に守ろうと誓った思いは今も消えていないだろう」
「……」
俺がそう言ったあと、シロコはしばらく沈黙したままである
何か気でも触る様な事を言ったのだろうか……
少々不安を感じる中、シロコが口を開く
「先生、ホシノ先輩と仲がいいよね」
「……?」
「ホシノ先輩は……今思えば、大人を嫌っていたと思うんだけど……先生に対しては、警戒を解くのが早かった、気がする」
「……そうか」
大人が嫌いだった、という心情は手紙にも書いてあった。
ホワイト・グリントに乗ってきた俺の事はヤバそうな人だと思っていたとも
まぁ、否定はしない……
いきなりネクストに乗って押しかけてきたようなものだし……
「ん、最初はそうでもなかったみたいだけど……多分、セリカを助けに行った時かな、うん……そうだと思う」
「よく、分からないな……俺がセリカを助ける事が、何故ホシノの警戒を解くことに繋がるんだ?」
「あの時は、まだ信頼も取れていない、助けに行くって言う名目で何かを企んでいたかもしれないんだぞ」
「ううん、違う、先生。だって、私は捨てられた時に、助けられたから」
「……何?」
「ホシノ先輩に。アビドス高校の前で」
「…………?」
シロコが、捨てられた?
「ん、えっと……まあ、なんと言うか……私、記憶喪失なの、一年より前の、昔の記憶がない」
あまりにも想定外のカミングアウトに、俺は思考が混乱する……
「冬だった、珍しく雪が降ってて……私はよく分からないまま彷徨ってた、で、アビドス高校の敷地に入っちゃったのかな……それで、ホシノ先輩にボコボコにされた」
「…………」
「めちゃくちゃ強かった」
「……だろうな」
何故か目を輝かせてシロコは言っている
かつてのノノミの発言によると、昔のホシノには余裕がなかった、追われていた時期があったと聞いている……
ならば時期的にはその頃だろう……
追い詰められている人間に、手加減をする余裕はないだろう……
「……でも、その後……名前以外、何も思い出せないって言ったら……ホシノ先輩は……着けてたマフラーを、私に巻いてくれた。ボロボロだった私に」
「…………」
「あったかいって、思った……何もなかった私が、初めて……認められた気がして」
「少し……わかる気がする……」
「ん?」
俺は、過去の記憶を思い出して
シロコに言う
「俺も……捨てられていたんだ」
「えっ?」
「生まれた頃には、既に俺は孤児になっていた」
「俺の両親は誰なのか……なぜ俺は捨てられているのか、全く分からなかった……」
「それに、俺の名前すらも……」
「先生は……『リンクス』って……」
「それは、元はネクストを操縦するパイロットを示すんだ……」
「俺の名前ではない、無い……そもそも、名前すら無いんだ」
「えっ?」
いや、あったのかもしれない
だが、俺は生まれた時から孤児だった
俺の本当の名前を者は誰一人として居ない
「何も分からないまま、終わるかと思ってたが……」
「だけど、助けられたんだ………」
あの時、すごい寒かった記憶がある……
何も羽織る物もなく、このまま凍え死ぬかと思っていた
だが、ある女性に拾われた……
「あの人は、俺にとって母親の様な人だった……」
「二人で過ごしてきた日々が懐かしいな……」
「その人は、今も元気にしているの?」
「……」
首を横に振る
「……あっ、ごめん……先生……」
「いいんだ……」
「俺が10歳の頃だったかな……心臓に重い病気にかかっていたんだ……」
「唯一の治療方法は、心臓の移植……」
「俺が手術を終え目覚め時には、既にあの人はこの世にはいなかった……」
「てことは……」
「俺の心臓は、あの人心臓でもあるんだ……」
彼女の心臓が、唯一俺の身体に適していた……
彼女は心置きなく承諾したが……
「だが、あの人の分……俺は生きてもいいのだろうか……」
「俺を拾わなければ、彼女はもっと長生きできたはずだ……」
「俺には、生きる価値は……」
「あると思うよ……」
シロコに両手を握られ、そう言われる
「実際はどう思っていたのか分からないけど、多分その人は、先生に生きて欲しいから心臓を先生に渡したんだと思うの」
「その人も、『意味』を探していたのかもしれない」
「そうかな……」
「違かったら先生に心臓なんてあげないと思うよ」
「……」
「だから先生、その人に与えられた『意味』無くしちゃダメだよ」
「……肝に銘じておくよ」
あなたは、俺のことはどう見えていたんですか?
なぜ、俺に心臓を渡したんですか?
この場に彼女がいたのなら、今すぐにでも聞きたい所だが……
居ないのなら、聞けない
そっちに行った時に、沢山聞くとしよう……
「ねえ、先生」
「?」
「その人の名前、教えてくれる?」
「……『ステラ』」
「ステラ・エリン」
「俺の、大切な人だった……」
「……そう」
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「……」
それからシロコとしばらく話し、シャーレに帰るところである
俺は、色々な人と似ている……
ヒナ、ホシノ、シロコ
偶然だとは思うが……まぁ、そう言う事もあるだろうな……
『先生……』
「気にするなアロナ、ステラのおかげで今の俺がいる」
「シロコにああ言われたんだ……ならステラの分まで生きるしかない」
『……』
私は、ステラさんのように先生を支えることができるのでしょうか……
ステラさんの様に、大切な人と思わせる事ができるのでしょうか……
「……」
やはり、こう思い出すと、寂しくなるな……
「……」
「ホワイト・グリント、お前もなんだか寂しそうだな……」
「気のせいなら……いいんだがな……」
ホワイト・グリントに乗り込み、シャーレへと戻っていく
シロコの絆ストーリーいかがでしたか?
ステラという人は完全オリジナル人物なので誤解しないように……
しかし、リンクス先生の過去に何があったんでしょうね?
リンクス先生の大切な人『ステラ・エリン』をどのような登場させるか
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幻覚や幻聴として登場
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転生して『生徒』として先生と行動
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転生して『人間』として先生と行動