無名のリンクス 先生になる   作:雨垂れ石

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ゲームを作るためには


鏡の行方

 

 

 

「そのためにも!!やっぱりもう一度廃墟へ行かないと!」

 

「やっぱりそうなるよねぇ……」

 

「G.Bibleを探しに、また廃墟に行くなら……私も、一緒に行く」

 

「え、ユズちゃんも!?」

 

「ユズちゃん、もう半年近く校舎の外に出てないのに、授業もインターネット受講だけだし……」

 

「………元々は、私のせい………だから、それにこの部室は……もう私だけのものじゃない……一緒に守りたいの」

 

「ユズちゃん……」

 

「パンパカパーン!ユズがパーティーに参加しました」

 

「よし…ゲーム開発部!G.Bibleを探しに廃墟へ……ゴー!」

 

「ご…ゴー!」

 

モモイ達はネクスト使いまた廃墟へと足を運んだのであったのだが……

 

 

 

「言っとくが、流石に全員は乗れないぞ」

 

「えっ?」

 

「元々1人用だ、前はモモイとミドリが小柄だから良かったものの」

 

「流石に5人となるとコックピットに入らない」

 

「えぇ……じゃぁ歩いていくの〜……」

 

「……ユズとミドリはコックピットに乗れ、モモイとアリスはネクストの頭部に捕まれ」

 

「えっ?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ひぃぃぃ!!」

 

「……」

 

とりあえず、何とかゲーム開発部全員を乗せることができたが……

頼むから落ちるなよ?

 

今回もホワイト・グリントの乗っているため、ロボット兵士と戦闘する事もなく、工場内部へすんなり入れた

 

「すんなり入れたね」

 

「先生おかげだよ〜おかげで楽ちん楽ちん!弾薬もたくさん残ってるし!」

 

「それにしても……本当に不気味だよね……ここ」

 

「うん、まるでダンジョンみたいな………?アリス、どうしたの?」

 

「……えっと」

 

「気分が優れないなら無理をするな」

 

「いえ大丈夫です……」

 

アリスは不思議そうな顔を浮かべながら辺りを見渡す、俺は気になりアリスに聞く

 

「ここ、知ってるのか?」

 

「…分かりません……ですが、どこか見慣れた景色です…………こちらのほうに行かないと、いけないような……」

 

そう言って、アリスは急に走り出した

 

「えっ?」

 

「追いかけよう」

 

追いかけた先に、アリスはキョロキョロと辺りを見渡している

 

「……アリスの記憶にはありませんが……まるでセーブデータを持っているような……」

 

「どういうこと……? 確かに、元々アリスがいたところと似たような場所だけど……」

 

「あっ、あそこにコンピューターが一台…………あれ?」

 

「あのコンピューター、電源が点いてる……?」

 

ピピッ

 

「!!」

 

明かりすらなく電源すら通って居ない筈のその場所、ポツンと存在するコンピューター、それがモモイ達が近づいた瞬間、明かりがついた

 

《Di:viSion Systemへ、ようこそお越しくださいました、お探しの項目を入力してください》

 

「めっちゃ怪しい……叩いてみる?」

 

「だ、ダメですよ、もしも壊しちゃダメな物だったら……ほら、後が大変…だから」

 

「キーボードを発見……G.Bible、と入力してみます」

 

「あっ、何か出てきた!」

 

【……】

 

アリスはキーボードのエンターキーをポチッと押そうとした…すると次の瞬間

 

【……#$@#$$%#%^*&(#@】

 

画面の文字がバグり聞いたことのない音が鳴る。

 

「こ、壊れた!? アリス、一体何を入力したの!?」 

 

「い、いえ、まだエンターは押していないはずですが……」

 

「アリスちゃんが触れたからバグったのかな……すごいねアリスちゃん、触れるだけで機械が壊れる能力を持っているなんて」

 

「そんなわけないでしょ!?」

 

みんなが、そう慌てていると

 

【あなたは―AL-1Sですか?】

 

PCの画面が変わり、そう表示されている

あまりにも理性を感じさせるその一文は俺たちへ動揺を与えるには十分だったが……妙な引っ掛かりを覚える

……AL-1Sのことを、訊いたのか?

いや、むしろこの施設にアリスが眠っていたのだから、知っていて当然とも言えるのだが

だが……なんだ、この違和感は……

 

「? いえ、アリスはアリスですが……」

 

「ま、待って! アリスちゃん、今は何も入力しないほうが……!」

 

【音声を認識、資格が確認できました。おかえりなさいませ、AL-1S】

 

「音声認識付き!?」

 

アリスの応答を、キーボードを使うまでもなく認識したらしいシステムはアリスを『AL-1S』として受け入れた

 

受け入れてしまった

 

「あなたはAL-1Sについて知っているのですか?」

 

【────────】

 

「反応が遅い……?」

 

「何か画面もぼんやりしてきたけど、処理に詰まってるのかな?」

 

【そうで@!#%#@!$%@!!!!】

 

「え、え? 何これ、どういう意味!?」

 

アリスの問いに答えられないのか、あるいは答える気が無いのか、再び意味のない文字列を紡ぎ出し

 

そして

 

【緊急事態発生電力限界に達しました、電源が落ちると同時に消失します、残り時間51秒】

 

という、システムメッセージを吐き出した。

この死にかけていた施設の電力が遂に底をつくということになるのだろうが……俺としては、まるで都合の悪い追及から逃れようとしているようにしか見えない

 

「ええっ!? だ、ダメ! せめてG.Bibleのことを教えてからにして!」

 

【正確には、私の中にG.Bibleがあります。しかし現在私は消失寸前、新しい保存媒体への移行を希望します】

 

「そ、そうは言っても急に保存媒体なんて……あ、ゲームガールズアドバンスSPのメモリーカードでも大丈夫?」

 

【可能、ではあります】

 

「データケーブル……連結完了!」

 

【転送開始……保存領域が不足、既存データを削除します。残り時間9秒】

 

「え、嘘っ!? もしかして私のセーブデータ消してない!? ねぇ!?」

 

【容量が不足しているため、確保します】

 

「ダメ! お願いだからセーブデータは残して!」

 

【削除完了】

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!?!!??」

 

無情にも、モモイのゲームデータが全て消えてしまった……

まぁ、なんだ……ドンマイ

 

【…………】

 

「あれ……電源落ちちゃった……?」

 

「ああぁぁぁ! 私達のセーブデーターがぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「あ、画面が……」

 

【転送完了】

 

「え?」

 

【新しいデータを転送しました】

 

<G.Bible.exe>

 

「こ、これって!?」

 

「これ今すぐ実行してみよう! 本物なのか確認しなきゃ! ……って、パスワードが必要!? 何それ!?」

 

「……大丈夫、パスワードぐらいならヴェリタスが解除できるはず」

 

 

「これがあれば、本当に面白いゲームが……『テイルズ・サガ・クロニクル2』が……!」

 

「うん、作れるはず! よしっ! 待っててねミレニアムプライス……いや、キヴォトスゲーム大賞! 私たちの新作は今度こそ、キヴォトスのゲーム界に良い意味での衝撃を与えてやるんだから!」

 

「…………」

 

G.Bible。

このプログラムが本当にただのゲーム開発プログラムならば、それで万事解決なのだが

どうにもきな臭い……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「依頼されたデータについて結果が出たよ」

 

廃墟から帰ってきた後、俺達はヴェリスタスというハッカー集団がいる所まで来ている

ロックの解除がされいよいよその全貌が見えてくるはず

 

「い、いよいよ………!」

 

「知っての通り私達ヴェリタスはキヴォトス最高のハッカー集団だと自負してる、システムやデータの復旧についてはそれこそ数えきれない程に解決をしてきた、その上で単刀直入に言うね」

 

2年生でヴェリタス所属の小鈎ハレの言葉にゲーム部は固唾を飲んで聞く

 

「モモイ、貴方のゲームのセーブデータを復活させるのは無理」

 

「うわぁぁぁん!もう駄目だーー!」

 

モモイはこの世の全てに絶望したような声を上げて、地面に寝そべって撃沈した

彼女だって分かっていた、ゲームのセーブデータの復旧が難しい事くらい

 

「って!そっちじゃないでしょ!? G.Bibleのパスワードの解除はどうしたのさ!?」

 

「それならマキが作業中ですよ」

 

椅子を回転させ、此方を見ながらそう言ったのは同じくヴェリタスの少女音瀬コタマ

 

「マキちゃんが?」

 

「おはようミド! 来てくれたんだね、ありがと!」

 

ドアを一枚隔てた作業スペースから出てきたのは件の少女、小塗マキ、燃えるような赤髪が特徴的な、グラフィティ好きな快闊な少女だ

 

「それより、G.Bibleはどうだった?」

 

「あーそれ?ちゃんと解析できたよ、あれはあの伝説のゲーム開発者が作った神ゲーマニュアル……G.Bibleで間違いないね」

 

「や、やっぱりそうなんだ!」

 

「ファイルの作成日や最後に転送された日時、ファイル形式から考えても確実。作業者についても、噂の伝説のゲーム開発者のIPと一致していた。それと、あのデータはこれまでに1回しか転送された形跡がない」

 

「ということは、つまり……」

 

「うん、オリジナルのG.Bibleだろうね」

 

「す、凄い! それじゃあ……」

 

「でも……」

 

「ファイルのパスワードについてはまだ解析できていないの」

 

「えぇッ!? それじゃ結局見れないじゃん!?がっかりだよ!」

 

「うッ……だって私はあくまでクラッカーであってホワイトハッカーじゃないし……」

 

うーむ、流石に一般のハッカーではこの高機密の奴は開けないか……

しかし、様子を見る限り、何か策があるような感じがする……

 

「兎に角! 解析ができないからって、それ以外に方法が無い訳じゃない」

 

「そうなの?」

 

「あのファイルのパスワードを直接解除するのは、多分ほぼ不可能。でも、セキュリティファイルを取り除いて中身を丸ごとコピーするって手段ならいけるんじゃないかな……で、そのためにはOptimus Mirror System……通称、鏡って呼ばれるツールが必要なの」

 

「ぜ、全然話についていけない……」

 

「うーん……つまり、今のままじゃG.Bibleは見れないから、『鏡』ってプログラムが必要だってことだよね?」

 

ミドリがある程度内容を簡潔にまとめて話すと、モモイは納得した様子で頷く

 

 

「じゃあその鏡はどこにあるの?」

 

「あたし達ヴェリタスが……『持ってた』」

 

「何だ、それなら今すぐ……え、待って!? 過去形!?」

 

「そう、今は持ってない、セミナーに押収されちゃったの、もうっ!」

 

「セミナーか……」

 

こりゃ大分めんどくさいな……

あのユウカがいる所だろ?

ユウカからどうやって取るのか…

至難の業だぞ……

 

「急に押しかけて来てさー!?『不法な用途の機器の所持は禁止』、それだけ言ってプログラムを回収していったんだよ!もう本当にやだ!」

 

「わたしの盗聴器もその時に持っていかれましたね」

 

なんかサラッととんでもない事が聞こえたぞ

 

「その鏡ってやつはそこまで危険なものなの?」

 

「そんな事はないよ、暗号化されたシステムを開くのに最適化されたツールってだけ」

 

「世界に一つしかない、私達の部長ヒマリ先輩が直々に製作したハッキングツールで…」

 

「ヒマリ…?」

 

「ヒマリ先輩はヴェリタスの部長さんなの。ちょっと身体が不自由で車椅子に乗っているから、見かけたらすぐ分かると思う……本当に、凄い人でね。身体の事はあるけど、それであの人に同情したり軽視したりするような人は、少なくともこのミレニアムにはいない。天才、っていうのかな。ミレニアム史上、まだたった3人しか貰えてない学位、全知を持ってる人なの」

 

……相当すごい人らしいな

一体どんな人なのか……

 

「……私はただ、先生のスマホのメッセージを確認したかっただけです。そのために鏡が必要で……不純な意図は全くなかったのですが」

 

「どう考えても不純だよ!何しようとしてるのさ!」

 

「別にそんな大したものはないぞ、ていうか勝手に人のプライベートを覗くな」

 

この人達はデリカシーって言うのはないのか……

俺が言えたことじゃないけど

 

「うわあぁん!早く鏡を回収しないと部長に怒られちゃう!」

 

「兎に角……整理すると、私達も鏡を取り戻したい。それに、G.Bibleのパスワードを解くためには、あなた達にとっても鏡は必要……そうでしょ?」

 

 

セミナーに押しかけようともそれはもうほとんど自殺行為

まずそもそも、学園の生徒会に殴り込みに行く自体がありえないが……

 

「……うん、大体分かったよ」

 

「ふふ、流石モモ、話が早いね」

 

「目的地が一緒なんだし、旅は道連れってね」

 

「共にレイドバトルを始めるのであれば、私達はパーティーメンバーです!」

 

「ま…まさか…まさかみんな……本気で?」

 

あぁ、すごく嫌な予感がする……

 

『セミナーを襲撃する』

 

どうしてここ(キヴォトス)の住民はこんなぶっ飛んだ考えしか思いつかないんだ

 

アビドスでもそうだったが、もう少しちゃんと考えてくれ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの後、ミドリが何とか抑えようとしたが、今のゲーム開発部の現状と色々考慮した結果

結果、セミナーを襲撃するのとに話が進んでいる……

 

「けど…大きな問題がある」 

 

「問題?」

 

「『鏡』は生徒会の差押品保管所に保管されているんだけど、其処を守っているのが実は……メイド部、なんだよね」

 

『メイド部』

ミレニアムサイエンススクールで活動する組織で、略称はC&C。凄腕のエージェント集団で、戦闘力は同校でトップクラス

制服はメイド服であり「メイド部」と呼ばれる時もある。エンブレムも「M16を携えたメイドの横顔」になっている

そして流麗な所作で優雅に敵を『清掃』する

 

ここで疑問に思う人はいるかと思うが……

 

なんで制服が『メイド服』なの?

 

絶対動きづらいだろそれ……

 

「じゃあ…あのメイド部が鏡を?」

 

「そうそう!まあ、些細な問題なんだけどさ~」

 

「そっか~!そうだねー、うーんなるほど~……よし、諦めよう! ゲーム開発部、回れ右!前進ッ!」

 

モモイは徐に立ち上がり、右手の人差し指でヴェリタスから出るためのドアを指し逃げ出そうとする、アリスがすぐに動き、止める。

 

「諦めちゃダメだよモモ!G.Bibleが欲しいんでしょ!?」

 

「そりゃ欲しいよ!でもだからって、メイド部と戦うなんて冗談じゃない!そんなの、走ってる列車に乗り込めとか、燃え盛る火山に飛び込めって言われた方がまだマシ!」

 

「で、でもこのままじゃ、あたし部長に怒られ……じゃなくて! ゲーム開発部も終わりだよ! このままじゃ廃部になっちゃうんでしょ!?」

 

「うぐっ……も、勿論廃部は嫌だけど……でもこれは、話の次元が違う。C&Cのご奉仕で壊滅させられた過激団体や武装サークルは数えきれないもん」

 

「……最後には痕跡すら残さず、綺麗に掃除される、有名な話だね」

 

メイド部が仕事を終えた後には何も残らない。まるではじめから無だったように、それほどまでに強力で恐ろしい集団

なるほど、だから「メイド部」なのか

 

いやそれでも疑問に思ってしまうがな

 

「そりゃ、私も部活は守りたいでも、ミドリにアリス、ユズの方が圧倒的に大事!危険すぎる!」

 

「た、確かにそうだけど…」

 

「それに!いくらアリスがとんでもなく強くても限界はある!私たちなんて足手纏いだし……もっと強い戦力がいるよ!!」

 

「それは………あれ?」

 

モモイ達は、何かに気づいた

ここにはとても大きな戦力が居ることを

 

「先生!」

 

「先生のロボットを使えば余裕じゃん!」

 

「バカ言うな」

 

即答でバッサリ切り捨てる

 

「アレは人に対しては過剰戦力すぎる」

 

「それにこういう事に使うような代物じゃない」

 

確かに、ネクストであればミレニアムは一瞬で陥落するだろうが

ユウカ達相手にはオーバーキルだし、学園の襲撃にネクストを使おうなら

リンの雷が落ちる

 

「えぇーー!」

 

「……………本当にやばかったら考えるが……」

 

ほんとにやばい時な……

バレないように細工しなきゃ……

 

そうして、『鏡』を取り返す為に、モモイ達と色々と作戦を練っていったのである

 

 

 




さぁ次回は鏡争奪戦ですよ
サブ小説の進行に追いつかないとな……
あっちはもうエデン行きそうだし……

リンクス先生の大切な人『ステラ・エリン』をどのような登場させるか

  • 幻覚や幻聴として登場
  • 転生して『生徒』として先生と行動
  • 転生して『人間』として先生と行動
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