無名のリンクス 先生になる   作:雨垂れ石

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ステラ……あなたは………


小話 幻覚・幻聴

 

 

夢を見る…俺がキヴォトスにくる直前

首輪付きとの戦闘

 

 

 

夢を見る……ホワイト・グリントの戦闘

憧れた、『本物』

 

 

 

夢を見る………リンクスになった直後

俺の乗っていたネクストを見上げる

 

 

 

夢を見る…………俺の大切な人の日々

本を読み、大切な人の話を聞く

 

 

 

夢を見る……………俺が、捨てられていた時

寒い時だった

この時はコジマの影響で地表は汚染もされてなく、まだ世界が安定していた時だった

 

 

 

視界は真っ暗

 

 

暗い……寒い……怖い……

 

 

 

 

夢なのに、恐怖を感じる……

 

 

 

 

ふと、正面を見る

 

 

 

「………ステラ?」

 

 

 

10メートルぐらい離れた所に、ステラがいた

金髪のロングヘアー、落ち着いた色の服……

間違いない、ステラ……ステラ・エリンだ……

 

 

 

「……ステラ……ステラ!」

 

 

 

 

呼びかけるが、反応はなく

ただずっと、奥を見ていた

 

 

 

『本当に、よろしいのですか……』

 

 

 

声が聞こえる、ステラではない男性の声だ……

 

 

 

『えぇ、あの子が生きられるのなら……』

 

 

 

あの子……幼少期の俺の事なのか……?

だとすると、この声はステラと医者……

俺が心臓の病を患って、ステラの心臓を移植する時のか……

 

 

 

『しかし……心臓を移植したとはいえ、完全に治るには……』

 

 

 

『やっぱり……『AMS』の手術をしないといけないのね……』

 

 

 

『はい、AMSの手術と『強化人間』の手術しか助かる道はありません……』

 

 

 

……心臓の移植では、治りきらないのか

病は心臓だけではなく全体に広がってしまってた……

そうか、だから俺は『強化人間』になったのか

 

 

 

『……それでも、あの子が生きられるなら、お願いします』

 

 

 

『…………わかりました、準備をしますので少々お待ちください………』

 

 

 

苦しかったんだろうな……心臓の移植だけではなく、強化人間手術もしないといけない

あの人は俺を、普通の人として生かしたかったのかな……

 

 

 

 

『ねぇ、聞こえる?』

 

 

 

「……」

 

 

 

『あなたは、私の事を恨んでいるかもしれない……』

 

 

 

「違う、もしろ俺が……」

 

 

 

『私は、あなたの為になれたのかな……』

 

 

 

 

「あなたがいなかったら、今の俺は居ない……」

 

 

 

 

『……あなたは、どう思ってるの?』

 

 

 

 

ステラは、ゆっくりと、こちらを向き……

 

 

 

 

『ねぇ、██████』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ッ!!?!?」ガバッ!!

 

 

夢から覚める……

夢にしては……

 

「……」

 

眠れそうにもない……

時刻は、深夜2時か……

 

……シッテムの箱に反応はない、アロナは寝ている

 

俺の部屋から出て、執務室へと入っていく

 

コーヒーを入れ、いつもの作業する席に着く

 

「……」

 

あの時ステラが何かを言っていた、ノイズのせいでわからなかったが……

明らかにあれは俺の名前を読んでいた、なんでかは分からないけど、そう確信出来る……

 

それにあの声は、確実にステラの過去だ

それも、ステラが俺に心臓を渡し……死ぬ前の……

 

ステラは、苦しそうだった

あれは誰に対してだろうか

目覚める前の声の通りなら、俺を普通にしてあげられなかった自分に対してだろうか

分からない…… 本人がいなければ、分からないことだ

 

「……」

 

『ちゃんと休まなきゃダメだよ!』

 

 

「ッ!?」

 

またステラの声だ

ここ最近、よくステラの声が聞こえる

疲れているのだろうか、ホシノとアクアリウムに行った時から聞こえる回数が増えてきている

幻聴だけではない、幻覚も頻繁に見るようになった……

いないはずなのに、そこにいるかのように

時には、生徒がステラと見間違える時がある

幻覚……誰かに相談したい所だけど、信じてはもらえないだろうな……

 

なぜ、幻覚と幻聴が出てくるのだろうか

俺が強化人間になったからか?

それとも俺の精神が、ステラに会いたいとそう感じているから見えているのか?

 

分からない……

 

「……」

 

ホワイト・グリントの整備などして時間を潰そう……

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……」

 

それから、朝の8時になるまでずっとホワイト・グリントの整備をしていたが……

整備中でも、ステラの幻覚と幻聴があった……

 

色々と、疲れた……

 

 

「先生こんにちは、当番に来ました」

 

そういえば、今日はユウカが当番だったな……

 

「あぁ、来たか」

 

「……先生」

 

ユウカは、俺の顔を見るなり、こちらによってきた

 

「……疲れてませんか?」

 

「えっ?」

 

あぁ、昨日の夢の事と、ステラの幻覚と幻聴で疲れているのか……

 

「昨日は、どれぐらい寝ていました?」

 

「……夢を見て、目が覚めた時は深夜の2時……寝れそうにもなかったから、朝までずっとネクストの整備をしていた」

「……」

 

「ある程度の仕事はやっておきますので、先生は休んでください」

 

「いや、1日ぐらいは別に問題はない、外ではよくあったから」

 

「……ならいいんですけど」

 

ユウカに心配される中、今日の仕事を始める

 

 

 

2時間後……

 

 

「……」

 

「先生、この資料の確認をお願いしたいんですが……」

 

「あぁ、どれ……」

 

「ッ!!?!」

 

ステ……ラ……

 

「先生?」

 

「……!」

 

はっと、我に返ると、ステラの姿は消えて、ユウカがいた

また見間違えたのか……

 

「大丈夫ですか先生……やっぱり休んだ方が……」

 

「いや、資料だったな……確認する」

 

「……」

 

ユウカは、心配な眼差しで席へと戻っていく

……ダメだ、集中しないと………

 

1時間後……

 

「……」

 

あれから、1時間か

なんか時間の流れが遅く感じる

執務室の窓から外を見る

なぜ外を見ているのか、俺には分からない

 

「……」

 

『透き通った青い空……綺麗……』

 

「ッ!!」

 

『あなたも、そう思わない……?』

 

まただ、またステラの幻覚が………

こちらに語りかけてくる、なぜだ

なぜ、あなたは……

 

「……せ」

 

「先生!!」

 

「ッ!?」

 

大声でユウカに呼ばれ、またしても我に返る

もう一度、ステラの方を見るが、やはりいなくなっていた

 

「……先生、やっぱり休んでください」

 

「いや、別に……」

 

「ダメです!!休んでください!!」

 

「……わかった」

 

そうして、俺は近くのソファーに寝転がり、休むことにする……

 

 

 

 

「……」

 

今日の先生……やっぱり何かおかしい……

少し様子を見ると、ぼーっとしているし、何もないはずの場所を見つめているし……

まるで、そこに誰かがいるように……

 

「ユウカちゃん」

 

「あっノア、ごめんなさい急に呼び出して」

 

「いえいえ、大丈夫です」

 

先生が休んでいる間、仕事する人が私しかいないため急遽ノアを呼んだ

 

「しかし、先生が疲れいるとは……」

 

「えぇ、ゲーム開発部の事もあったしシャーレの仕事なんて、結構な量があるからね」

 

私は先生が疲れた理由をそう思う事にしていた

 

「ふふっ、あの先生も、疲れる事があるんですね☆」

 

「はぁ、ノア記録は後にして、手伝って」

 

そうして、ノアと仕事を片付けていく

 

 

数時間後……

 

「ふう、大分片付いて来たわね」

 

あれから、大分仕事は終わってきた

先生は、まだ休んでいるわね

 

「……」

 

「?」

 

先生の声?

 

「寝言……でしょうか……?」

 

「そうみたい」

 

「……あっ、そうです、先生の寝言を記録しましょうか♪」

 

「えっちょっとノア、あまりそういうのは……」

 

「ですが、先生の寝言、ユウカちゃんも気になりませんか?」

 

「それは……そうだけど……」

 

「なら決まりですね♪」

 

そうして、私とノアは先生の所に近づき、寝言を聞こうとした時

 

「……い」

 

「寒い……暗い……」

 

先生が小刻み震えていた

 

「ここは……どこ……」

 

「『僕』は誰……?」

 

「……悪夢……でしょうか……」

 

「……『僕』……先生の幼少期の夢でしょうか……」

 

確かに、先生の一人称は『俺』

『僕』なんて言葉は使っていない

なら先生は幼少期の頃の夢を見ている……

それも、あまり良くない夢を……

 

「なんで…………」

 

「なんで……あなたは……」

 

「どうして……どうして……」

 

「どうして……俺を……生かしたんですか」

 

先生を……生かした?

どういう……ことなの……

 

「どうして……どう……して……」

 

そう言うと、先生はゆっくりと目を開ける……

 

「あっ、先生……」

 

「……ッ!!」カバッ!!

 

「キャ……せ、先生!?」

 

「先生!?」

 

先生は、私を見るなり、肩を掴み地面に叩きつけるように押し倒してきた

そして何故か、先生は小刻み震えていた

 

「どうして……どうして……」

 

「どうして!!」

 

「なんで俺を生かしたんですか!!」

 

「あなたが俺に『心臓』を渡さなければ!!」

 

「俺を拾わなければあなたは長く生きられたはずなのに!!」

 

「なんで!!」

 

「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!!」

 

「せ、先生!!落ち着いてください!!」

 

今の先生は、普通じゃない!!

私を誰かと間違えている!!

 

「なんで……」

 

「教えてよ……『ステラ』……」

 

「なん……で……」

 

ガクッ……

 

そのまま先生は、力が抜けそのまま倒れてしまった……

 

「先生!!?!」

 

「先生!先生!!」

 

呼んでも返事はない……

 

「先生!大丈夫ですか!!」

 

「ノア!救急車を!!」

 

「は、はい!!」

 

「先生!先生!!」

 

必死に先生を呼ぶが、返事が返ってくる事はなかった……

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キヴォトス総合病院

 

 

「……」

 

先生が運ばれ、私達は先生の意識が戻るまで外で待っています

 

「……先生」

 

「一体、どうしたのでしょうか……」

 

「分からない……けど、あの時の先生は……」

 

「……私の事、確か『ステラ』っていう人と見間違えていた……」

 

「……けどどうしてなのか、先生に聞かないと分からない」

 

それから数分後、医者から入っていいと言われ、先生がいる病室へと入っていく

 

「先生、大丈夫ですか?」

 

「あっ……ユウカ………………」

 

「ごめん……」

 

「いえいえ、大丈夫です!!」

 

「……」

 

気まずい……

 

「……あ、あの、先生…………」

 

「……聞きたいのか」

 

「……はい」

 

そうして、先生から『ステラ』という人の事を聞きました

先生を拾った人

先生に『心臓』を渡した人

先生の……大切な人……

 

そして、先生はここ最近ステラさんの幻覚や幻聴が頻繁にあるということを……

 

「そう、だったんですね……」

 

「先生があんなに疲れていたのは、ステラさんの幻覚と幻聴があったから……」

 

「……あぁ、アビドスの時から増えてきている」

 

「それって、結構やばい状態なんじゃ……」

 

「医者からは病気ではない、けど精神が原因かもと言われている」

 

多分、俺の本心がステラに会いたいと、そう願っているから

そのせいで、幻覚や幻聴が聞こえるのだろう……

やめようとは思わない、本当に会いたいからだ……

……向き合うしかしないのかもしれない

けど、それのせいで生徒に迷惑をかけるのは絶対に避けたい

現に、ユウカがそうだ……

 

この事は、言うべきだろうが、それはそれで生徒から心配をかけてしまう

……耐えるしかないのかな

 

 

とりあえず、問題はないため、すぐに退院できた

だが、今度からは気をつけなければならない

一応、幻覚や幻聴を抑える抗精神病薬を貰ってはいるが……

 

「今日はすまない、迷惑をかけた……」

 

「いえいえ!大丈夫です!」

 

「先生、もし困ったら遠慮なく連絡してください」

 

「……あぁ、わかった」

 

そうして、ユウカ達はミレニアムへと戻って行った……

 

「……アロナも、すまない」

 

『いえ!大丈夫です』

 

『……』

 

「どうした?」

 

『……辛くは、ないんですか?』

 

「……辛いさ」

 

「ステラがいないのは、辛いし、寂しい……」

 

「……会いたいよ」

 

『……』

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「先生」

 

「……リン」

 

シャーレへと帰ってくると執務室にリンがいた

 

「……病院に運ばれたと聞きました、大丈夫ですか……」

 

「……まぁ、大丈夫」

 

「……」

 

これ、言わなきゃダメだろうな……

 

そうしてリンにも、今日起こったことやステラの事を話した

 

「……そんな事が」

 

「……なぜ、言ってくださらなかったのですか」

 

「言ってくだされば、こちらも対応も……」

 

「言った所で、そんな簡単に信じてくれるとは思ってもないし」

 

「これは、俺個人としての問題だから、生徒が抱えるようの事じゃない」

 

「………」

 

「……心配をかけたな、すまない」

 

「いえ、お気になさらず……」

 

 

ステラの幻覚と幻聴の問題は、ずっと続くのだろうな……

ステラが、ここに来ない限り……

 

 




今回は対策委員会編でもあった番外編みたいな感じでした
なかなかリンクス先生はお辛いな事になっていますね……
ステラさん……リンクス先生に会いに行ってやってくれ……

アンケートについての補足
今回のアンケートですが、必ず多くあった票の展開になるとは限りません
なんなら全部やるかも
(個人的にはステラと再開しても、リンクス先生の幻覚・幻聴は続くみたいな感じになって欲しい気持ち)

リンクス先生の大切な人『ステラ・エリン』をどのような登場させるか

  • 幻覚や幻聴として登場
  • 転生して『生徒』として先生と行動
  • 転生して『人間』として先生と行動
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