「ここが……」
「エリドゥ……」
「ここに、アリスちゃんが……」
無人列車に乗り、エリドゥへとたどり着いたゲーム開発部達
その近未来都市に圧倒されながらも、自らが、自分達がここまで足を運んだ理由を呟く
『停車駅に泊まったら列車が貨物の積み下ろし場に向かい始める前に降りてくれ。時間にして大体5秒くらいだと予想している、降りたらそのまま地下水路まで止まらないで進む手筈だ』
「ありがとうウタハ先輩、そろそろ降りるよ!」
ウタハからの無線を聞き、モモイは自身を先頭に列車の出口を目指してコンテナや資材だらけの貨物車両の中を進み、出口前で待機する
『列車が止まった……3、2、1……今だ走れっ!』
「行くよ!」
無線機越しのウタハの声と共に列車が停止
その数秒後、一同が待機している扉が圧力を解放しながら開く
貨物車両から飛び出し、そのまま駅の改札へ向けて疾走する
「こっちだ!」
ホームを改札口を繋ぐ通路を駆け抜け、道中で合流したウタハを筆頭にしたエンジニア部の先導に従って地下へと続く道を進む、暗く無人の通路を走り、階段を降り、停止しているエスカレーターを駆け下りる
「追跡の様子は無し……よし、まずは想定通り、物流輸送用無人列車で現場に来れたね」
目的の地下通路に追跡の目も無く辿り着いたエンジニア部とゲーム開発部
「うん、ヴェリタスおかげ」
「流石ヴェリタスです!まさか列車のシステムごとハッキングしてくれるとは!」
『……ちょっと言葉に棘が無い?気のせい?』
列車から降りた事で安定して通じるようになった事で、ヴェリタスの面々と通信を始める、彼女達のサポート無しにはここまで来る事すら不可能だった
『まぁいいや、それよりもその通路の先、出たらもうエリドゥだよ』
『ちゃんとモニタリングしてるから安心してね』
『ですが、こちらで拾えなかったがもの突然現れる可能性もありますから、くれぐれもご注意を』
ハレ、マキ、コタマの言葉に感謝を述べながら、ウタハの次の言葉に耳を傾ける
「それじゃあまずは先に分かれて潜伏中のC&Cに暴れて貰おうか、私達はこの辺りで」
息を潜めるとしよう、ウタハがそう言おうとした所で、誰も居ない地下通路に反響して聞こえてくる音
……暗闇からその正体が出てきた
「ぅわあぁぁーッ!?な、何これ!?」
それを初めて見たモモイが、得体の知れないような目で驚愕を叫ぶ
「おや、中々素敵な子だね、迷子かな?」
ウタハが緊張のきの字も無い様子で宣う。
「いやいやいや!ここでそれは無いでしょ!リオのドローンだよこれ!」
「もしかして、もうばれたんですか・・・!?」
いきなり全てが頓挫しかけたこの状況に、思わずミドリが悲痛な声を上げる
だが、何故か侵入者であるはずのモモイ達を見ても何の反応も示さない
無線からハレの声が聞こえてくる
『ばれる前に制圧は終わってるよ!ついでに周辺のネットワークは私達がハッキングしてるから大丈夫!』
「そ、そんな事も出来ちゃうんだ……」
さらりと中々凄い事を言うマキ、どうやら周辺の監視網は既にヴェリタスの手に墜ちているらしく、当分発見の可能性は無いらしい
「ヴェリタスならではの芸当と言った所だねさて、それじゃあ進もうか」
そうして、ゲーム開発部とエンジニア部の面々は己が愛銃を構える
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「……来たわね」
エリドゥの中心になるタワーの一室
カメラに移されたモモイ達を見てリオは言う
「予想通り、アリスを連れ戻しに来たのね……」
「でも、そうはさせない……このキヴォトスの為にも……」
そう意志を強くするが、そんな彼女にも、1つ不安な事がある
(先生の姿が見えない……それにあの白いロボット……ホワイト・グリントって言ったかしら……それの反応もない……)
(来ていないのかしら、まぁあの様子を見れば来る気にはなれないのでしょうね……)
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「どいたどいたぁぁーッ!!」
殿を務めるモモイが、勢いそのままにAMASに対して手に持った愛銃『ユニーク・アイディア』を掃射、片っ端から撃ち抜き、正面からその道を切り開く
「ミドリ!モモイの撃ち漏らしを頼む!」
「わかりました!」
「ユズ、奥に擲弾を!」
「ウタハ先輩、私達はどうする?」
「そうだな……一人は後方を警戒!何かあったらすぐ呼んでくれ」
「私が後衛に残る、ヒビキ、コトリ、左右は任せた」
『道はこっちで指示するから』
ハレの声を聞きながら、ウタハの指揮によりコトリとヒビキがそれぞれ左右に展開
AMASの群れを更に押し返す
本来はこの手の指揮は先生の役目だろうが、今は先生は不在、ウタハが代理として指揮を務めている
「ハレ、大通りに出た!ここから真っ直ぐ北上で良いんだな!?」
停滞は僅か数秒にもならなかった。モモイが抉じ開けた道が塞がるよりも一同がその穴を大穴に変え、突破する
『合ってるよ、ただ、60m先にドローンが……23、24……まだ増えてる』
「大丈夫大丈夫!その程度、私が全部吹っ飛ばすよ!」
どうやら陽動で動いていたC&Cがトキと戦闘を始めたのだろう
遠くの方で爆発の音が激しく聞こえてくる
「先生はまだ!?」
「どうだろうな……」
そうして、モモイ達は迫り来る敵をぶっ飛ばしながら全身していると
『えっ!?ちょ、ちょっと待って!?通信の状態が……!』
ヴェリタスとの通信回線が不調をきたし始める
『ヴェリタス……やはり、あなた達だったのね、流石はあのヒマリの後輩達と言った所かしら』
それと同時に、秘匿されている筈の回線に割り込む声
『え!?だ、誰……』
キヴォトスでも有数に優れた通信機器を有する部室で必死に回線の安定化に奔走するヴェリタスだが、その努力も虚しく、マキのその言葉を最後にヴェリタスが通信から追い出される
「ヴェリタスの通信が……」
「途絶えた……」
後ろのサポートを突如として消失し、一同に不吉な緊張が走り抜ける
『……予想はしていたけど、本当にここまで来たのね』
そしてヴェリタスを追い出して割り込んできた声
調月リオは、無線越しにモモイ達と対峙する
『やはり、あの時の私の言葉と行動では、あなた達を説得する事は出来なかったのね』
既に分かり切っていたと言わんばかりに言うリオの声は、周りに居るゲーム開発部とエンジニア部、この場から弾き出されたヴェリタスの面々にも向けられていた
通話越しでなければ一触即発の状況に、リオはおもむろにモモイ達に問いを投げ掛ける
『……トロッコ問題をご存じかしら?』
ゲーム開発部の生徒達はトロッコ問題について理解が及んでいない様だが、エンジニア部にはすぐに理解出来る問題だ
トロッコ問題
それは二又に分かれたレールの上にそれぞれ5人と1人の人が居て、自分はそのレールの行き先をどちらかに決定する事が出来る
そして、高速で迫りくるトロッコを5人の居るレールか1人のレールかのどちらに誘導するか、つまりどちらを犠牲にするかという功利主義と義務感を問い掛ける倫理学の問題だ
『故障して止まる事の出来なくなった列車がレールの上を走っている時、大人数を活かす為に一人を犠牲にするか、一人を救う為に大人数を犠牲にするかを問う問題よ』
九を救う為に一を切るか、一を救う為に九を捨てるか
言ってしまえば単純な二択の問題だが、5人も1人も命は命
そう簡単に決められる問題ではない……少なくとも普通なら
だが、リオは違う
『誰かがレバーを引く役目を担わなければならない、そして私はその役目を喜んで引き受けようとしているだけ』
当然だと言わんばかりに九を選び、そしてレールに縛られた哀れな6人の裁定を決めるという役を進んで買うと言うリオ
『悪意も敵意も、端から持ち合わせていない、ただ……』
あくまでも自分は本当に守るべきものを守る為、為すべき咎を背負う
自らが決めた覚悟を、今の自分に尽くせる言葉の限りでその周りに居る皆に伝えようとする
「分かんないよ!トロッコ問題とかどうでも良いから、アリスを返してッ!!」
『あら、貴方は……』
「話は聞いてるんだからね!会長が訳の分からない事を言って、アリスを連れて行ったって!」
監視カメラ越しにモモイの存在を認めたリオは、きっと無線機と睨むモモイに対し、分かった様な口ぶりで物を言う
『訳の分からない話では無いわ、他の誰でもない、名も無き王女に攻撃された貴方なら分かるのではなくて?』
「分かんないよ!」
「私はただ、会長の元からアリスを連れ戻したいだけ!」
「そもそもキヴォトスの脅威だとかなんとか理由を付けてアリスを誘拐するなんて、スケールが小さ過ぎるよ!少なくとも私が普段書いてるシナリオの方がずぅ~っと大きい!」
『……そうね、貴方達に今すぐ理解して貰う事は難しいでしょうね……私自身もそれは十二分に理解しているもの』
何を言っても己が意志を突き付け続けるモモイに論争では勝ち目が無いと結論付けたリオは、諦めた様に言葉を吐く
『でも、最後は私の選択の結果を見て、追々理解して貰えればそれで構わないわ……」
「アバンギャルド君……発進」
「みんな気をつけろ、なにか来るぞ……」
リオとの論争から戦闘指揮に意識を移したウタハは、明らかにAMASよりも大きな機械の駆動音に警戒を示し、一同もそれに倣う
直後、群れるAMASが突如として道を開け、そこを一機の巨大なキャタピラが通る
「あ、あれは……」
わざわざ周囲に警戒を張る必要すら無かった
タワー方面から一行と相対するかの如く現れたその巨体は……
「うわっ!!ダッサッ!!」
「確かに、あんまり可愛いデザインじゃないけど……」
「先生のネクストの方がロマンはあるな」
子供の工作の様な頭部のデザインにミレニアムの校章がでかでかと描かれたやたらと流動的なボディ、そしてそこから伸びる両腕は2本ではなく4本、下は足ではなく戦車そのものでありキャタピラによって移動をしている……
『……見た目は関係ないわ』
モモイとミドリとウタハを筆頭に、余りにも不評な外見をしていた
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『くっ……モモイ、下がれ!』
『うわぁぁっ!危ないっ!!』
その余りにもあんまりな外見とは裏腹に、アバンギャルド君は三本の腕に装備されたバズーカ、アサルトライフル、そしてガトリングガンを軽々と振り回し、ゲーム開発部とエンジニア部をいとも容易く薙ぎ払う
また残った右腕に装備された黄金長方形と呼ばれる幾何学図形を模した大盾により、一行の反撃を物ともせず防ぎ切る
「見た目はアレだけど、性能は確かよ」
このまま行けば、モモイ達は太刀打ちできず時間だけがすぎていく
このまま行けば……
突如として、警報が鳴り響く
「……ッ、何!?」
エリドゥのマップを見ると、ある1つの点が突如として現れた
識別名は『 WHITE-GLINT』
「……嘘……どうやって……」
今まで反応もなく、警報もならなかった
「なんで、先生の機体が……」
エリドゥにホワイト・グリントが突如として現れた
エリドゥに到着、ホワイト・グリントの各部位につけられていたアーマーをパージする
「ほんとに気付かれず来れるとはな……」
時は少し遡り
「先生」
ホワイト・グリントに乗り込もうとした時、ウタハに呼び止められる
「どうしたウタハ?」
「あのリオの事だ、ネクストを接近させない様に対策はしているはず」
「このまま行けば、エリドゥに接近すらできないだろう」
確かに、マップには数え切れないほどの対空砲とミサイル発射装置があった
いくらネクストの機動力でも接近するのは至難の業である
まるでAFの『マザーウィル』をVOB無しで撃破するという事だ
AFのミッションを一度も受けた事もない俺からは到底難しい話である
「そこでだ」
ウタハはタブレットを取り出し、ある物を見せる
「こういう事があろうかと、ネクスト用のステルスアーマーを作成しといたんだ」
「ネクスト用?そんなデータはなかったはすだが……」
「あぁ、私が考えた設計だからね」
「とにかく、これを装備すればエリドゥのレーダーにも映らずリオに気付かれずに接近できる」
「まぁ、こいつは使い捨てだから、エリドゥ内に入る事が出来たらパージしても構わない」
「……そうか、ありがとう」
「いいってことさ、幸運を祈るよ」
現在
「ホワイト・グリント、現着……ウタハ、状況は?」
『やっと来た!!遅いよ先生!!』
………結構早く来たつもりなんだがな
『先生!こっちはリオのロボットで苦戦している!すまないが救援を頼む!!』
「わかった」
「アロナ、ウタハ達の場所をマーカーに」
『了解です!!』
さて、行こうか
OBを起動し、ウタハ達の方へと向かって行く
飛んでいる時も、対空砲やミサイルなどが飛んで来るが……
ドヒャアッ!!
QBで回避
ドン!ドン!ドン!
ライフルで撃ち落とす
またもミサイルがきたが……
OBで引き離す
『先生、通信が』
「ん?」
突如としてアロナから通信が開かれる
『一体、どうやって気付かれずにエリドゥに来れたのか知らないけど……』
『……あんな事があったのに、よく来れたわね』
『あなたなら、わかってもらえた筈なのに』
「確かに、リオの言っている事は正しいかもしれない」
「だがな……」
「俺は決めたんだ、『先生』としてアリスと……お前を助けるとな」
『……私を?』
リオは困惑している
なぜ敵である者を助けようとしているのか、リオには理解が出来なかった
『アリスを助けようとする事は理解できる……でもなぜ、敵である私も助けようと……?』
「『先生』だからだ」
『………………理由になってないわ』
「理由なんているか?」
「これは俺がしたい事なんだ、理由聞かれる筋合いは無い」
「たとえ、お前が何をしようと、何を言われようと……俺はアリスとリオを助ける」
「あの人と約束したからな……」
『あの人……?』
「エリドゥの中心のタワーにいるんだろ、待ってろ」
『ちょっと、先――』
通信を切る
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「うわーん!どうしよーー!!」
一方モモイサイド
相変わらず、アバンギャルド君に苦戦を強いられている
「耐えろ、モモイ!そうすれば先生が……」
その時だった……
『ウタハ、みんなを下がらせろ』
「……ッ!みんな下がれ!!」
ウタハの声でみんなが下がった時
ブースト吹かしたホワイト・グリントがアバンギャルド君に接近し
ドカアアアアアアアアアン!!
「うぎゃあ!?」
「……アサルトアーマーか」
アバンギャルド君にアサルトアーマーをぶち込む
アサルトアーマーの直撃を受けたアバンギャルド君は、機能停止する
『アバンギャルド君の機能停止を確認しました』
「モモイ達は大丈夫か?」
『うん!ありがとう先生!!』
『先生、助かった、しかし……一撃とはな……』
「そんな事より、早くリオの所に行くぞ」
OBを起動し、中心のタワーへと向かっていくが……
『先生、C&Cが苦戦している』
『あのトキっていうもう1人のメイド、パワーアーマーをつけていて全く攻撃が通ってない』
「……わかった、場所は?」
『中心のタワー、ついでに助けてあげて』
「……あぁ」
中心のタワーへと向かって行く
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ガトリングの激しい銃声と、無数の爆発音
C&Cとトキが激しい戦闘をしている
「クソッ!妙なモン使いやがって!!」
アビ・エシュフを装備したトキはとてつもない機動力でC&Cを翻弄する
「動きが読めない……」
「銃弾が効いて……いえ、弾かれてる?」
アビ・エシュフの製造目的は、『名も無き神々の女王』アリスとの戦闘。パイロットの負担を軽減するため、マスタースレーブ制御が採用されていて
エリドゥから動力と情報処理を受けることで真価を発揮し、弾道予測システムとそれを利用した弾道偏向スクリーンによって、パイロットを保護している
よって、通常では全く攻撃が通らない
そう……
『C&C、お前たちは下がれ』
「先生!?こんな所で引けるかよ!」
『死にたく無ければ、アビ・エシュフから離れろ』
「……ッ、わかったよ」
C&Cはアビ・エシュフから距離をとる
「……下がった?」
トキは疑問に思う、なぜあれだけ躍起になっていたC&Cは下がったのか……
「……ッ!?」
正面から高速で接近する面影が見えた
トキはすかさず攻撃をするが……
「速ッ……!?」
ドカアアアアアアアアアン!!
トキ、アビ・エシュフにアサルトアーマーが直撃する
「……これは」
「スッゲェ……」
「あれが……先生の機体……なんて言う火力だ……」
「あれ、なんか美しいけど……怖い……」
「……アロナ、トキは生きてるよな?」
『アビ・エシュフの防御機能なら大丈夫かと思いますが、それでもオーバーキルですけど……』
……まぁ手早く終わらせたかったから
すまん
「……リオは、この上か」
タワーを見上げる……おそらく上にアリスとリオがいる
「アロナ、俺は降りてモモイ達と合流する、ここは任せる」
『わかりました!!』
コックピットから降り、モモイ達と合流する
エレベーターに乗り、アリスがいる階まで登っていく
ベルが鳴り、ドアが開くと、俺達の正面に居たのは、今回の事件の張本人、リオだった
リオはゆっくりと振り返り、真っ赤な瞳をこちらに向ける
「……流石ね、ハッキリ言って、想定以上だった」
「そうまでして、アリスを助けたかったの?ミレニアムを、キヴォトスそのものを滅ぼしうる、あの子を?」
「……あなた達は、トロッコ問題を知っているかしら」
「私は、1人の犠牲で大勢が救われるのなら、この身を犠牲にしても、レバーを引くわ」
「それが、私の使命、これは、私がやらなければいけない事なのよ……!」
目を僅かに細め、拳を握り、そう静かに語るリオ
その発言を咎めようとしたモモイを軽く制する
俺はリオの目を見て話す
「アリスだけではない、その1人にリオ、お前も含まれている」
「……ッ!……どうして、そう思うの?」
「言っただろ、俺は『先生』だって」
「だからそれは理由には……」
「アリスが魔王、リオの使命」
「だからなんだ」
「まぁだが……リオ、俺はお前が間違っているとは思わない、ただ、モモイ達とは答えが違っただけだ」
「……私の考えを分かっていながら、何故、あの子達に味方したの?こちらに付くことも出来たでしょう?」
「俺は、俺のやりたい事……約束した事をやっているだけだ」
「……そんなの……」
「そんな理解できないじゃないの!!」
リオは腰にあった銃を抜き、こっちに向けてきた
「……ッ!?先生!!」
ドゴォン!!
「ウッ……!!ぐぅぅ……!!」
レクイエムを抜き、引き金を引いた
弾丸はリオの銃に当たり木っ端微塵になった
リオは直撃はしてないが、レクイエムの威力によって負傷した手首を抑えている
俺は、ゆっくりとリオの方に歩み寄り
リオの肩に手を置く
「すぐに理解しろとは言わない、だが、信じてみればどうだ」
「……そんなすぐに、できるわけ…………」
「少しづつでいいさ、俺達も一緒だ」
「………」
リオは膝から崩れ落ち、下を向く
少し経った時、リオが口を開く
「……ねぇ先生……1つの聞いてもいいかしら」
「?」
「ある人って誰なの……?」
「……俺の大切な人さ」
「……そう」
「……さて、アリスを回収するとしようか」
その時だった……
突然鳴り響くブザーと、点滅する赤いランプ
ランプの近くの画面には『System Corruption』と表示されている
「なんだ……これ……」
「……マズい、Keyが目覚めてる!」
その言葉と同時に、無数のモニターが一斉に警告を発した
内容はすべて同じもの、画面に映し出されたエリドゥが、タワーに向けて赤く染まっていく
「これって……」
『先生!!』
「アロナ?」
『暴走したロボット達がこっちに向かったいます!!』
画面のエリドゥに目を戻すと、大量の赤い点がタワーに向けて近づいてきている
カメラ映像に移っていたのは、以前アリスが暴走した時に近くに居た、タコの様な無人機。
バリエーション違いと思われる個体も映っている
「Keyに制御を奪われたから……」
「戻す方法は!?」
「Key自体をどうにかしたいと……でも、方法が……」
「……あります」
扉が開き、そこから車椅子に座った生徒が入ってくる
彼女が、『明星ヒマリ』である
「ヒマリ?」
「1つだけ、だけど成功率は……」
『やろうよ』
「……ッ」
『可能性があるなら、それに賭けようよ』
『大丈夫……上手くいくよ』
……そうだな
ゼロじゃないんだ、可能性があるなら……
「やろう」
「……先生!?」
「可能性があるんだろ?ならやるしかない」
迷っている暇はない
「ヒマリ……と言ったか、その方法を教えてくれ」
「……ダイブ機能を使い、アリスの精神の中に入ります」
「アリスの精神が欠片でも残っていれば……」
「Keyのデータを消し、アリスちゃんを連れ戻すことが出来ます」
「ですが、アリスが望めばの話してますけど……」
「……私、行くよ!!」
「モモイ?」
1番名乗り出たのはモモイであった
「アリスを助けに行くなら私が行く!」
「……私も!お姉ちゃん1人じゃ心配だから!」
「わ、私も!」
ゲーム開発部が揃って言った
仲間の為なら危険を犯してまで飛び込む
本当にいい友人だ……
「……わかりました、ゲーム開発部と先生に全てをかけます」
「ダイブの準備をします、リオ、あなたも」
「……えぇ」
そうして、ヒマリとリオはダイブの準備を始める
「……アロナ」
『はい?なんですか?』
「俺はアリスの精神の中へ行く、アロナにはネクストを操縦してウタハ達を助けてやってくれ」
『えぇッ!?私ネクストでの戦闘はやった事がありませんよ!?』
「お前しかネクストを操縦できる奴はいない」
『………わかりました、やります!!』
「じゃ、頼むぞ……壊すなよ?」
『ウッ……』
さて……外はアロナに任せよう
俺はアリスを……
ダイブの準備ができて、俺達は、アリスの精神へと入って行く
お久です
サブの方の小説が思いのほか進みすぎてこっちのが手をつけていなかったです……
アロナはネクストの基本の操作はできますが、戦闘に感じては素人中の素人です
……大丈夫かな
リンクス先生の大切な人『ステラ・エリン』をどのような登場させるか
-
幻覚や幻聴として登場
-
転生して『生徒』として先生と行動
-
転生して『人間』として先生と行動