天音ちゃんと友人が同数票だったのでそのうちやります……
妙に友人人気で笑いました。
25/09/21:
此処に挟んだほうが綺麗なので投稿後に順番を入れ替えてます。
未読の方は問題ありませんのでこのままどうぞ。
『Chapter1-3』
友人と別れ、先に行くことにしたのは近くの
半ばシャッター街と化している商店街側とはまた別で、学生を主な客層としつつも周囲の大人向けとして色々な商品が立ち並ぶこの店は忽ち繁盛。
特に『大災害』直後、地価が露骨に下がった際に全力で賭けに投じて勝利したという『迷宮』周辺には必ずあるらしいグループ会社の一角。
(こういうとこに就職する道も無くは無かったんだよなぁ)
まぁ、もう消えた未来の話をしても何にもならんが。
心地良い暖かさは空調により整えられた少しだけ肌寒い程の気温へと代わり。
同時に
きょろきょろあっちこっちを向いてる小鳥遊と、うぞうぞと服の裾を摘む天音ちゃんと。
二人の美少女がいるにはいるが、制服という統一感が僅かにその違和感を和らげる。
(取り敢えず、何も動けなくなる前にこういうとこのは全部潰しておかねえと)
一挙手一挙動まですべて見られる、なんて想定まではしない。
ただ、生活する上で、活動する上で必ず動かなければいけない部分は抑えてくるだろう。
だからこそ学校の生徒に見られる、という多少のリスクを込みで先に向かうのは食料品と幾つかの買い物。
併せて先輩方と
『あー、まぁいつかはやんなきゃなんねー事だったしな。
ただ零、オメー天音に何してくれてんだぶっ飛ばすぞ』
『まぁそうなる気はしてたかな~。
材料はいっぱいあるから頼ってね、零くん』
『分かりました、特急で対応しましょう。
……君がそう決めたというのならね、月見里くん』
それぞれの返答。
誰もが断ることはなく、準備に快く賛同してくれたのは本当に助かる。
一番必要になるのは多分防具と武器の合わせになるんだろうけど、前者は既に型があり、後者は数秒で対応できる。
突発的な事象が起こりがちな『探索者』界隈としては速度は結構大事な部分として捉えられがちというのもあり。
一定の固定客を持つ二人は速度も併せ持ってくれていたので、安心して任せることが出来た。
「先輩先輩」
「なんだ負債後輩」
「人を妙な呼び方で呼ぶのやめてくれません?」
ざわざわとした店内で話すからか、少しだけ声が大きくて。
後ろの少女がそれ一つ一つに反応するからどうしても気が引けてしまう。
戦闘中なんかの物音混じりの状況を除いて、この子は俺が知った時から人混みと他人の声が苦手だったから。
「何を買うんですか?」
「そりゃあ、保存食に、食材、調味料、寝具、保険用品……」
指折り数えつつ、脳内で整理する。
保存食そのものは動きながら軽食として取るもの。
頭に糖分放り込む為でもあり、本格的に動く前に軽く空腹を宥める程度のもの。
食材、調味料はその逆。
『迷宮』の中で本格的に料理をするために事前に仕込む幾つかの食材用。
寝具はまあ最悪今日は要らんのだが、今後泊まり掛けになることを踏まえて慣れる意味でも最低一泊は実施する。
保険用品は……言うまでもないか。薬とか生理用品なんかの清潔さを守る為であり、万が一の対策用。
薬師が作るものは基本的に効能が強い傾向にあるから、弱めの市販品は身体への負担も抑えられるし。
「後は……アレだ、大声では言い難いが
生命体、特に獣型は普段の行動をきちんと見てれば分かるが鼻が効く。
一日二日では大したことがなさそうに思えるが、肌や服に血が滲んだ場合はそれが後々まで尾を引く。
一度も地上に戻らずに突破を目指す以上、そういった部分は全部中で対応する。
……後は、寝具と同様。更に下を目指すなら『迷宮』の中で行う
「先輩が選ぶとか言いませんよね?」
「言うわけねーだろボケナス」
「誰がボケナスですかー!」
いやそんな事言いだすオメーだよオメー。
顔がニヤニヤしてるが目が急にスン……とするのは怖いからやめろ。
どっちが本性と言うか本心なのか疑いたくなるから。
「身体を動かす以上想定以上に
外皮に当たる学生服の加工は特殊で。
内側に当たる下着が通常のものであるならば、肌との擦れ以上に制服との削り合いに近い行動になる。
今までは戦闘回数が少なかったからそうでもないが、更に下に行けば生命体が生命体を呼ぶような場所が無くもない。
必然的に長時間且つ連戦を強いられれば、想定していないところで紐部分が切れて一瞬動きが止まるかも……とか考えたくもない。
だから消耗品。
「え、じゃあ強い人達はどうしてるんです?」
「生命体の糸から紡いだ特注品とかの創作者向けの製品で統一するか、使い捨てるか」
一応俺も幾つか持ってるが、マジで実用一辺倒……でも高い。
デザイン性を求め始めれば沼なんて話で済まない。
それでも買い求め始めるから女性陣なんだろうし、デザイン性を兼ね備えた人達が持て囃される理由なんだろう。
「特注…………幾らくらいするんですか?」
「お前そっちに興味あるの?」
「私の私服知ってますよね?」
ああ、そーいや運動性最優先だっけ……。
「デザイン抜きにして肌に合うかどうか、サイズ取りとか型とか取るのもあるからほぼオーダーメイド。
一着だけ買うなら……アレくらいは余裕で超えるか?」
指を向けたのは有名ブランド店に飾られた品……の学生向け。
五桁後半の金額が堂々と描かれ、ちらりちらりと目線が向けられているのがよく分かる。
「え゛っ゛」
「何着か頼めばサイズとかの部分は多少ペイ出来るし、頼むなら纏めてな。
あと今回は純粋に時間足りねえ」
天音ちゃんは幾つか持ってる……とか言ったらどうすんだろうな小鳥遊。
全部先輩達からの誕生日の贈り物らしいけど、俺に伝えて何がしたいんだ彼女。
だから、と。
思考を纏めて、やってきたのはスポーツ用品店。
隣に並ぶのは提携している下着用品店。
「取り敢えず自分に合う奴10着選んでおけ。金は此方で纏めて払うから」
流石にそれだけありゃ困ることもないだろ。
覗こうとも思わないし、俺は先にタオルと包帯大量に買い込んでおく。
だからくるりと背を向けて。
「ほれ、早足」
そう言ったのに、足を動かそうとしない二人は一体何なのだ。