現代ダンジョンに地味異能では厳しい   作:氷桜

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ちょっとのんびり目に進めていきます。

※書いたほうが良いのか判断付かなかったので一旦アンケートを入れてます。お暇でしたらどうぞ。


Chapter2
059


 

先を進むことを選んだとして。

その通りに動くために、必要となる力は様々な波及を及ぼす。

 

仲間の意志、願い、欲望。

周囲の誓い、争い、願望。

 

何を叶えるにしても。

必要となるのは、先ずは最初の繋がり。

力を振るえるその場へ、辿り着くための(よすが)と祈り。

 

その発端は。

いつだって、直ぐ側にある。

 

 

『Chapter2-1』

 

 

「あ゛ー…………」

 

机に伏せ、誰に何を呟くでもなくそんな叫び声を上げていた。

 

「そんな疲れたのか?」

「疲れたっつーか、根回しがクソだりーっつーか……」

 

教室、放課後。

少しずつ生徒の数が減り、『迷宮』や日常へと向かい始める時間帯。

何をするでもなく、唯浪費が許される貴重な時間。

夕暮れの教室で、そんな日常を過ごそうとしていた。

 

「そんな場所まで手を伸ばすのはオメーの選択のせいだろうが」

「うっせうっせ」

 

後輩達が『迷宮』の守護者を越えてから約二週間。

帰った後、多大な眠気と筋肉痛という後遺症に悩まされた後のこと。

まず最初に手を付けたのは、改めて俺が手を伸ばしている後輩だと明言すること。

そしてそれを依頼したのは、目の前の友人の伝手周り。

 

お陰で好奇の目線と、嫉妬の目線と。

色々な感情が入り混じった目に手に物理的な干渉に。

其れ等を払い除けるのに無駄な努力を払う必要性があった、と言うだけの話。

 

その大半を知っているからこそ、友人はそれを誂う資格があるし。

俺自身は跳ね除けつつも、その全てを否定できない。

 

まあ、端的に言うなら……雑談の種とでも呼ぶべき何か。

 

「で、どーなのよ」

「流石に時期が悪すぎ、何処も空いてねえわ」

 

その種の一つが、後輩の次の住まいに関して。

普通に考えれば、この時期に一人暮らしを開始するというのは余り起こり得ない事態。

あるとしても集団で借り受けるビルか何処かに一旦の仮住まいをするだろうから、困るはずも無い状態。

その例外に該当するからこそ空き部屋を当たっているのだが、何処も無し。

より正確に言うなら、空いてはいるが安全を確保できない場所しか無い、か。

 

「まー、男ならどこでも何とかなるがなぁ」

「流石にあのアホを目の届かない場所に置いとくのはちょっと不安だ」

「だよな……」

 

その意見は何故か合致する。

妙なモノにサインとかはしないだろうが、迂闊に秘密をポロッと漏らしかねない不安がある。

先輩方のビルに空きがあれば良いんだが、彼処は店も兼ねてるから空き部屋らしき場所もないし。

一応”俺用”と言われてる部屋もあるけど、又貸しするのは礼儀に悖るし彼奴自身も頷かない。

だからまー、マジで最悪はうちで暫く()()しか無いんだろうけど。

 

「割と真面目に言うけどさ」

「おう」

「こういう悩みって本来親がするもんじゃね?」

「お前もそれに気付いたか」

 

思い当たったことを愚痴れば、先任者が理解するとばかりに大きく頷く。

いや、お前のケースとはまた別だと思うんだけど。

 

「お前の場合()()()()()の部屋の安全確保するためにめっちゃ動いてただけじゃん……」

 

つい先日――――二ヶ月くらい前。

同じように必死になって部屋を漁っていた此奴(バカ)の奇行を思い出しながら口にする。

 

「うるせーよ!当たり前だろ!?」

「それに関しては俺は何も言わんがいい加減行動なり言葉なりにしてくれませんかね???」

 

目線向け合って重なっては逸らすとかそんな事無限に繰り返すの本当にやめろ。

その光景見掛ける度に妹さんとか知ってる奴等の空気重くなるんだからな?

はっきりするならしてくれます?

 

「いやさぁ」

「おう」

「どういう事するべきなんだろうなーって常日頃思わなくはない」

「お前もう、ほんともう」

 

頭を抱える。

と言うかこんなことばっか考えてると頭狂いそうだから無理にでも話を変えよう。

俺に何頼まれても無理なもんは無理があるんだよ結ちゃん。

()()()()()()()()()()()

 

「で、話を戻すと言うか変えたいんだが」

「そうしてくれると嬉しい」

 

互いが互いを煽るネタを握ってるから、本気でやり合うことになると同士討ちになる。

なので適度なところで抑えておかないと自分にもダメージが返ってくる。

こういうのなんて言うんだ。冷戦?いやなんか違うな。

 

「十一階以降の探索、割と真面目に聞くがどうするよ」

 

俺は一度恵先輩と潜り。

此奴は一度一人で潜った。

だから安全度という差異はあるけれど、最低数度の戦闘を行った上でどうするか聞く。

 

「時間が合うなら出来りゃあ混ぜて欲しいとこかなー……」

 

何処か遠い目。

まあうん、理由は分からんでもない。

 

「何に当たったんだよ」

石人形(ゴーレム)、俺の武具だと相性最悪」

「あー……そうか、この階層から湧くのかアレ」

 

まあ言い方からして、倒せるけど割に合わないってとこだと思うが。

鈍器のほうが相性がいいのは当たり前。

此奴の副武器(サブ)鉄球二個を紐で結んだもの(ポーラ)があるから、多分それで叩き潰したんだろうな……。

 

「別に俺は構わんが、その前に後輩達の対応済ませてからな」

「あん?まだ『扉』潜ってねえの?」

「潜らせてねえの」

 

お前に頼んでた噂が出回り切るまでは動きを抑えて貰ってたんで。

お陰で機嫌を取るためにケーキだの餌付けだのする羽目になったし。

それを見て無意識に機嫌悪くする恵先輩にも同じことせにゃならんかったし。

 

「なら、その時に改めて同行させてくれればいいわ」

「んー」

「次潜る予定は?」

「そうだなー……」

 

色々と作り直して貰ったり。

機嫌取りとかの予定もあるし。

 

「一旦、来週の自由行動日以降って想定」

 

脳内のカレンダーには、そんな時間軸が刻まれていた。

 

Chapter1時点でのキャラ説明とかキャラシみたいなのって必要ですか?

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