港町ラパラ。主に機械製の船に積み荷を乗せて、方々への荷運びで生計を立てているが、それがどうも肝心の船が帰って来ないらしい。
就活半分観光半分のリュウたちは、荷運びギルドの皆様の話を聞き、若手の惚れた腫れたに首を突っ込みつつ、灯台へ様子を見に行くことにした。
「あのさー兄ちゃん」
「何だティーポ」
「あのメガネのおっさんたちのこと、アレ関わる必要あった?」
灯台の明かりがつかないので、船が戻れない。灯台に何かがあったに違いない。
だから様子を見に行こう。ここまではギルドでも話がまとまっていたのだが。
「いいのよ!悩める二人の恋路を応援できたんですもの!」
ニーナがウキウキしながら答える。
そう、何故か荷運びギルドの跡取り娘を巡って三角関係が起きており、会計の男を鍛えて恋敵の船乗りを倒させる、という話になってしまった。
ニーナは男の頼みを爆速で引き受けると、数の暴力によるパワーレベリングが行われたのである。
「ボクたちがこっそり先回りして、解決してからでも良かったよね」
「な」
「ぷきゅう」
少年とたまねぎがボヤく。肝心の男は勝利を手にしたが、ムービー銃により腕を骨折しており、代わりにリュウたちが灯台調査に赴くのであった。
この下りは丸ごと要らなかったと言われても仕方がない。
「まあ、話が進んだから良しとしようぜ」
「引き受けなかったら一生あのままだったかもね」
などと言いながらも、一行は灯台に来た。辺りと中はモンスターの巣と化していたがこちらは六人、一丸となって進めば怖い物などない。
六人体制、即ちコマンダーモードである。
「中は大分広いけど、要は順番に機械のスイッチを入れて、最後に屋上の機械も操作すればいいだけね、簡単だわ」
ざっと内部の様子を見て、何をどうすべきかをモモが説明する。
流石に賢さ系のキャラである。ニーナとそこまで違わないとか言ってはいけない。
そして。
「…………」
「ねえ、アレ魔物」
「すっごーい、かわいーい!」
でけえ置物みたいなトカゲが道を塞いでいる。
「いやアレどう見ても魔物」
「あんな可愛いのに絶対魔物じゃないわよー!?」
モモがすごい食いついた。可愛いらしい。アレが。
「モモさん、あの、奥からも魔物が」
冒険映画の転がって来る岩石みたいなサイズの目玉が、奥から飛び跳ねて来る。
それが一際大きくジャンプしたかと思うと、トカゲの上に乗っかる。
誇らしげに支えるトカゲ。
「誰だ?魔物じゃないって言った奴」
そして始まる戦闘。
いつものように数のゴリ押しで行けるかと思い来や、今回の敵は一味違った。
ゲイザーの通常攻撃!投げ付けられる本体!
『うわあああーーーー!!』
ここに来てボスキャラの全体攻撃である!
狭い通路では逃げ場がない!
「クソッ!ふさけたことしやがって!」
「トカゲはこのためにいたのか……」
「気を付けて、目が光ってる、何か来るわ!」
防御用の傘でニーナを庇いながらモモが言う。
ゲイザーのめだまビーム!
「うおおおおおおお!?」
「レイ兄ちゃん!」
「あいつビーム撃てるんだ」
少年たちはちょっとカッコイイなと思いながら、焦げたレイを回復する。
投げ付けられる本体にもめげず、頑張って攻撃を繰り返す。
「またビームが来るわよ!」
「ティーポ、お前が狙われてるぞ!」
「へん、来るなら来いってんだ!」
防御を固めて受けようとするティーポに、再び発射されるビーム!
しかし!
「えっ!?」
「ぐううううううう!」
「すごい、ビームが……!」
「ティーポのおでこで反射して行く!」
ピカピカの額という天然の反射板が、光線を乱反射する!
「ぐわああああああーー!」
「レイ兄ちゃん!」
ティーポが首を傾げると、まとまったビームがレイに直撃!
リュウが慌てて回復する。
「行けるわ!ビームが来たらティーポが受け止めるのよ!」
「よっしゃ任せろ!」
「みんながんばってー!」
そんな一幕もあり、泥臭い戦いの末に一行は勝利した。
ちゃんと目つぶしとリッチマードを使って。
「ふう、意外と手こずったな」
「レイ兄ちゃん大丈夫?」
「何とかな」
「ティーポってこんな特技があったのね」
「へへへへへへ……はあ」
「ぷいぷいー」
などと話しつつリュウたちは屋上に到達すると、モモがてきぱきと機械を操作して、灯台の機能を回復させた。
するとどうしたことか。どこからともなく妖精さんがやって来たではないか。
「本編参照のことなのよう、ばか!」
言うだけ言って帰ってしまった。
「どういうことかしら?」
「何か訳があって灯台の邪魔をしてた、みたいだな?」
「責任取れって言ってたけど、これたぶん誰かやっつけろってことだろ」
妖精さんの言うことを理解し、今後の展開を察すると、一同は早速外に出た。
荷運びギルドに報告も済ませ、妖精さんの共同体でフラワージュエルを使用する。
そして。
「またアイツが文句を言いにやって来るのよーう!責任取ってやっつけて欲しいのよーう!」
「ほらな」
「ティーポは賢いなあ」
夜になると灯台の明りについての苦情を、何故か妖精さんたちにしていたモンスターが、やって来るらしい。
迎え撃つために二手に分かれ、ティーポ、ニーナ、モモが先陣を切ることとなった。
――夜。
「まったく、なんでオレがこっちなんだ」
「あらー、だってティーポってかわいいじゃない。私よりかわいいし、女の子三人組だって思えば、相手も油断するかもしれないわ」
ティーポはモモを見て、上手く言葉が出て来なかった。
男なのにかわいいと言われたのは嫌だったが、モモより見た目が良いという自覚はあった。
しかしそれを声に出して頷けば、モモがかわいそうな気がした。
「いやその、モモもかわいいと、思う」
「そうよ!モモさんだってかわいいわ!」
ティーポはまた一つ、大人の階段を上った。
「ありがとう二人とも、あっ見て!もしかしてアレじゃない?」
言われて海を振り向けば、迫り来るピンクの背びれ。
「釣りならリュウに任せたほうが良かったな」
「こっちに近付いて来る……」
「せーのでやっつけましょう」
「よし、せーっの!」
背びれが岸まで接近すると、三人は有無を言わさずそれを攻撃した。
「あれ、イルカ?」
「モンスターじゃないわね」
※ここから妖精さんたちを呼ぶまで本編と同じ。
「こら」
「わぷ!」
ニーナたちが一旦引き上げると、ピンク色のイルカがティーポに水を吐きかける。
リュウが何度もやられた奴である。
「いきなり人のことドついてナメとんちゃうぞガキ。お前女みたいな面しとるけどワイは騙されんからな。男やろお前」
またも吹きかけられる水!
「オレは元から男だ!わぷっ」
「何口利いてんねん。まだこっちが話しとる途中やろが。きっしょく悪い小僧が女侍らして正義の味方ごっこかボケナス」
水が吹きかけられる度に、ティーポの怒りのボルテージが上がる。
体が小刻みに震え、感情は爆発寸前である。
「はー全くあのけったいな光を黙らせたと思ったら、今度はピカピカ光るハゲボウズが代わりにやって来るとか、ほんまトンチ利かせ過ぎやろ」
ライン越えの発言にティーポの頭上に火花がチカッと光る。
「お前、今なんつった……?」
「なんやハゲがそんな気に障ったんか?おうならなんぼでも言うたるわジャリん子が。いやジャリは違うか悪い悪い。パチンコ玉やな、知っとるかパチンコ?そらもうツルッツルのピッカピカやぞ。お前のそのデコッパチの光沢はジャリやないな。灯台の光も真っ青のハゲや。ハゲ。ハゲハゲ。ハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲツルツルツルツルツルツルツルツルツルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル(巻き舌)」
「野郎ぶっ殺してやる!」
ティーポの堪忍袋の緒が切れた。全身から激しい力が迸り、彼を本来の姿へと変えて行く!
実は内心で額のことは気にしていたのだ!
「な、なんや、ドラゴン!?」
「ギィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」
伝説のドラゴンの力が今、目覚める!