ブレスオブファイア3二次創作 釣竜伝説   作:泉 とも

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 ヴォルガノスの最大金冠が出なくてちょっと焦った。


終活ガーディアン

 モモはプラントの地下にあった秘密研究所へ、リュウとティーポを伴って突入した。他はお留守番である。

 

 ひしめくモンスターたち、見え隠れするモモの父親の影、不穏な研究。

 

 そしてその奥でペレット所長を発見した。

 

「ボクはお母さんを生き返らせたいんだ。大切な人に生きていて欲しいと思う、それのどこが悪い!」

 

 論点を摺り替えながら話す所長によると、死んだ人間を蘇らせるための研究を、地下でしていたらしい。

 

 そしてその理論の提唱者はモモの父親ことレプソルでもあると。

 

「それは分かったんだけどね所長、仕事はして欲しいのよー」

 

「え、仕事?」

 

 モモは敢えて止めずに、本来言うべきことを言う。所長が行方を晦ましたことで、現在モモがプラントを切り盛りしている。

 

「研究するのは勝手だけど、私一人に押し付けられちゃ困るものー」

 

「あ、えっと、それは、そうですが」

 

 責任者である以上、ガタが来ているとはいえプラントの仕事を放りだし、地下にこもるなど許されないことである。

 

 むしろ責任者なのだから、有事の幕引きというものを考えておかねばならない。

 

「うふううふう、それはその、モモさんにお任せしたじゃありませんか」

 

「どこがよーう、私はあくまで代理なんだから。いるならいるで所長がやらないといけないことだわー」

 

 のんびりとした口調で理を詰めるモモ。所長のしていることは、身も蓋もないことを言うとサボりである。

 

「私はこのまま休暇を取るから、後はよろしく頼むわー」

 

「ま、待ってください!これは世紀の大発明なんだ!君もこれを見たら、この研究を手伝いたくなるはず!」

 

 所長は怪しげな薬を、何か大きな機械に投入した。

 

 何か、というか誰かが入っている大きな機械から異音がする。

 

「あれ、おかしいな。こんなはずじゃあ」

「何だか雲行きが怪しくなってきたな」

「でも不思議とこうなる気はしてたよ」

 

 ――ギュシャアアアア!!

 

 そして、叫び。機械から煙が上がり、破壊され、中から巨大なキノコめいた化物が飛び出す。

 

「お、おかあさん!?」

「ギュシュウ……!」

「よっよせ、来るな、近寄るな、うわあーー!」

 

 そして所長はあっという間に食べられてしまった。お約束というか予定調和とでも言おうか。

 

「上手く行かないとは思ったけど、ベタなオチね」

「二人共、ここはオレに任せろ」

「ティーポ、大丈夫なの?」

「ああ、オレの力を見せてやる」

 

 ティーポはそういうと、剣を鞘に納めて精神を集中する。

 

「はああああああああっ!!」

 

 燃え盛る炎に包まれて爆風とも共に、新たなドラゴンが姿を現す。

 

 漆黒の体にてらてらと光る溶岩、逞しき二本の脚、恐怖心を呼び起こす虚ろな目。

 

「ガルルルッ!」

「あれは」

「ドラゴンロード(ガーランド談)よ」

 

 ヴォルガノスです。

 

「リュウのカイザードラゴンと、双璧を成すと言われる伝説のドラゴンらしいわ……!」

 

「ゴワアアアアーーーー!」

「ギュシャアアアアーー!」

 

 なんとドラゴンロードは口から火炎のブレスを吐いて、キノコの怪物を一撃で倒したではないか!

 

 ヴォルガノスは溶岩しか吐けないので、これはドラゴンロードと言って間違いないだろう!

 

「すごいよティーポ!」

「へへん、ざっとこんなもんよ」

「これは、面倒なことになったわ……」

 

 あまりにも唐突な所長の事故死。

 

 とはいえプラントの衰亡は不可避であったので、どの道彼がいても何かが変わることも無かっただろう。

 

「ただいま」

「お帰りリュウ、それでどうだった?」

「実はね……」

 

 三人は地上に戻ると、みんなに事の次第を説明した。

 

 結論として死者を復活させるという所長の研究は、モンスターとして生まれ変わらせるという形で失敗したこと。

 

 プラントの機械が寿命を迎えており、危険な状態なので操業を停止すべきということ。

 

「とりあえず地下のガスや計器類は止めて、プラント閉鎖のお知らせをここと、後は王様宛てに出したわ」

 

「意外と反対されなかったのね」

「みんな薄々分かってたことだからね」

 

 形式的にも因果関係でも一応の責任者であるモモは、短い夢を終わらせて再び自由の身になる。

 

「色々あったけど、これでみんなとは会えたかな」

「これからどうする、リュウ?」

 

「特に決めてないんだ。もう少し旅をして、それから考えようかな」

 

 レイに聞かれてリュウが頭をかく。

 

 何せ自意識はついこの前まで少年だったものだから、時の流れにまだまだ感覚が追い付けないでいた。

 

「あら、それなら私の用事に付き合ってくれない?」

「用事って?」

「ほらこれ、前にラパラからこんな手紙が来たの」

 

 モモは懐からクシャクシャになった紙くずを取り出した。

 

 どうやら手紙のようだ。

 

「なになに?ああ、ベイトさんたち、子どもができたんだ!」

 

 それはラパラの荷運びギルドの、後継者夫婦からの便りだった。

 

 一度会いに来て欲しいと書いてある。

 

「お前もしかしてまだ挨拶に行ってなかったのか……」

「オレとレイ兄ちゃんだって行ったのに」

 

 レイとティーポが渋い顔をする。

 当然ニーナも行ったし、ガーランドも行った。

 なんやかんや律儀な男たちである。

 

 ちなみに青年期に入ってからの赤ちゃんなので、子どもを作ったのは大分遅いことになる。

 

「まあまあいいじゃない。そのおかげでリュウも連れて行けるんだし」

 

「っとに調子がいいんだからよ」

 

 まるで災いが福に転じたかのように言うが、挨拶に行くことに対して、モモが遅くなったことは何の関係もない。

 

「…………」

「どうした、ガーランド?」

「うむ、実は前から言おうと思っていたのだが」

 

 それまでずっと黙っていたガーランドが、躊躇うようにして呟く。

 

「リュウ、お前、神に会う気はないか?」

「神?」

「おっさん、とうとうおかしくなったのか」

「真面目な話だ。レイ」

 

 ガーランドが神妙な態度で話を続ける。

 

 パーティメンバーの半分が、空気を読まないか話を聞かないので、反応に困ることが多々ある。

 

「オレたちガーディアンは役目を終える時、天使の塔で神に会うことが許される。オレにはお前やティーポを殺す気は無い。ガーディアンとしての使命を、終えようと思うんだ」

 

 突然の終活。年長者が急に切り出した今後に、周囲はただ聞くことしかできない。

 

「それで、本当にドラゴンたちが悪しき生き物なのかを聞き、お前たちが望むなら、他にもドラゴンのことを聞けないか、とか」

 

 ドラゴンの虐殺を命じた神とドラゴンを引き合わせる。

 

 どう考えても戦闘待ったなしなことを、このおっさんは平気で提案する。

 

 純情や鈍感というよりも、判断力が乏しいと言ったほうが正しい。

 

「そんなことを、考えていた」

「はあ、またこのおっさんはウジャウジャと」

 

 レイはガーランドのあまり建設的ではない悩み癖に、軽い苛立ちを示す。

 

 今になって過去を引きずり始めた理由は、このガーディアンにしか分からないことは、理解していたが。

 

「どうする、リュウ?」

「特に予定もないし、会ってみようか」

 

 リュウは深く考えずにOKを出した。こちらは逆に、たぶん戦闘になるだろうと考えている。

 

 成り行きに身を任せるとだいたいそうなると、この青年も経験から察しつつあった。それを拒むと話が進まないことにも。

 

「何だか変なことになって来ちゃったわね、ペコロス」

「ぷいぷい」

「よーしそれじゃあまずは、ラパラに向けて出発よー」

 

 かくして一行の旅が、再び始まるのであった。

 

 改めてモモとペコロスが仲間になった!

 

 ドラゴンロード(ヴォルガノス) 2576.31最大金冠ジャーン!




名前を間違えた。正しくはドラゴンロードでした。
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