ダヨーンとシェーブックの友達DAKARA 作:Camille Hayami
【眠りの精は今宵しも】
ミスターサンドマンの夜はビーバームーンで……月明かりにプロムの夢をみたシーブックとカミーユは月夜のワルツを踊る……。
幻想的で美しい一週間を過ごした。
カミーユのお誕生日の夜の夢はそんなビーバームーンからプロムまでの一週間の夢で……秋の虫の音色が、音楽隊のように艶やかなメロディーをしっとりと歌いあげるのだった。
メイド・アタイアを着て、ユルングに騎乗した月の女神がまるで神話の銀の馬車のようでもあり、月夜にひときわ輝く……。
月の女神はカミーユとシーブックにそれぞれギフトラッピングされたギフトボックスをくれた。
「メイド姫からの贈り物なんて洒落ていますね」
カミーユは月の女神にそういうとシーブックと一緒に御礼を言った。
月の女神は優しく抱擁して、「お誕生日プレゼントです。サンタクロースのようでしょう」と優美にはにかんで、月夜を銀の馬車……ユルングは銀の馬車に姿を変えて、星空を舞うのだった。
月明かりのダンスはまるでプロムのように甘美で雅やかな舞踏会で……。
ふたりは月の女神のお城でミッドナイト・ハイティーを楽しんだ。
月の女神はメイド・アタイアを着ていたのはこのためで、ベラベッカ・アルザシオンにグリューワインティーにオレンジ・キャンディスを一匙加えて……楽しくお茶会を月明かりに楽しむのだった。
満月を象徴する月の女神はお誕生日プレゼントは気に入っていただけるかしらとギフトボックスのおはなしをしたので、カミーユとシーブックはネイビーブルーのギフトラッピングの黄バラとブルースターの花飾りのついた留め金をはずした。
中にはそれぞれ小箱が入っていて、それは緩衝材の美しい和紙に包まれていた。
小箱を開けると、それははちみつをイメージさせるようなペアリングでシルバーリングの内側にはカミーユのお誕生石であるシトリンが刻印されており、ふたりは指輪をはめた。
指輪のサイズもぴったりで……まるで蜜月のような洒落たペアリングだった。
シーブックとカミーユはそれをとても気に入って、月の女神に感謝の気持ちを述べた。
月の女神は優しくはにかんで、いつまでも仲良くねと言って、ふたりはそこで目が覚めた。
「夢だったのかな?」
カミーユとシーブックは二段ベッドでそれぞれ目を覚まして、「ペアリングは?」となり、手指をみると、ペアリングは身に付けていた。
「まるでスノーマンのアニメ映画のようだったね」
カミーユとシーブックは昔観たアニメ映画を思い出した。
月明かりの夜空をお散歩して……端的にそれはある種のシナジーさえ感じるのだった。
「とても美しい夢を見たね」
ふたり一緒にみた夢世界での出来事はとても美しくて……甘く優美だったのだと思う。
***
カミーユとシーブックの相部屋でおばあちゃんにもらった梅しそワカメのおにぎりを阿里山のハイマウンテン・ウーロンティーといただいて、ふたりは夜食を食べると、秋の虫の音色が心地よい夜風にあたり……セレナーデが聞こえた。
セレナーデは白鳥の歌だったかな……シューベルトの……なんておはなしを交わしているとドビュッシーの月の光にメロディーは綺麗につながり、誰か演奏しているんだね。
このご近所でと……モンマルトル通りから聞こえる美しい調べに耳を澄ますのだった。
甘く……でもどこか切ない美しい音色……繊細なメロディーから紐解くと、そんな感じかなぁなんて会話を交わして、阿里山高山烏龍茶をいただいて、まったりとした秋の夜長は美しく過ぎゆくのだった。
月明かりに照らされて、星詠みの天体航法……【celestial navigation】という感じの銀の馬車に乗って月明かりのお茶会を楽しんだ美しくも神々しいゆめ……。
ふたりが一緒にみた、その夢見はとても素晴らしく甘美で楽しく……シーブックはカミーユにこう言った。
「お誕生日おめでとう」と。
カミーユはこう返した。
「一緒に居れて嬉しいかな……」
そんな風に照れ笑いをしながら、頬をポリポリと掻いた。
「こうして一緒に過ごす日々はとても楽しい」
ふたりはそんな風に思うのだった。
美しいセレナーデと月の光のピアノの音色が聞こえる寝室で……。
***
秋の虫の音色にピアノの音色が重なって、とても美しい音色に耳を傾ける……。
たおやかに美しく……形容する言葉があるならば、きっとそんな感じのこころ落ち着く美しいメロディー……。
***
ふたりはそんな会話を交わしては、それぞれにまた眠りに就く……落ち着いた秋の深まりの音色に耳を澄ましながら……待降節ももうすぐで……ファーザークリスマス学園のクリスマス・マーケットの開催も近い……そんな季節に生まれたカミーユのお誕生日をお祝いする……。
美しいきらめき……あまたのメロディー……。
それは夢のかけらなのだろう。
***
ビーバームーンかぁ……綺麗なお誕生日だよね。
満月の女神にお誕生日プレゼントももらえてしあわせなお誕生日だった。
そんな風に思いながら……再び夢まどろむのだった。