自衛官だったけどスネークになったので世界大戦を阻止してみた   作:みどり色

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皆さん、お疲れ様です。
みどり色です。

急に暖かくなってきましたね。
昨日は半袖で外出したんですが、みどり色以外に半袖は誰もいませんでした。
きっと奇怪なものでも見るような目を向けられていたことでしょう()

今回も盛大なネタバレを含みますのでご了承ください。


第3話 至高の痛み

<ボルシャヤ・パスト中継基地>

 

危ない危ない、忘れるところだった。

中継基地のヘリを破壊しておかないと後で面倒なことになるんだった。

 

俺はそのままクレバスへと向かいそうになったところで、ふとヘリの存在を思い出す。

ずっと先の話ではあるが山岳地帯で巡回する予定のヘリが確かコレなんだよな。

ここで破壊しておけば進むのがずっと楽になる筈だ。

これぞ未来への投資!

ん-素晴らしい!!

 

・・・おいツチノコ、何だその目は?

言いたいことがあるなら聞こうじゃないか?

 

 

そういえばすっかり忘れていたが、食糧庫や武器庫、通信施設に仕掛けたTNTもあったんだ。

数もそこまである訳じゃないし、爆薬を節約したいところだが荷物が減って楽に・・・んっんん!

別に重いのが大変とかじゃないぞ?

ただすぐに腹が減ってしまうと任務に支障をきたすからな!

そ、そう!

これは戦略的なんちゃらというヤツなのだ!

 

・・・おいツチノコ、なんだその目は?

食うぞ?

 

度々ポーチから器用に顔だけ出しているツチノコを無視して俺は中継基地を我が物顔で歩き回る。

 

え?

敵兵はどうしたのかって?

全員CQCで気絶させた後、縛って詰所に放り込んである。

交代の時間になれば基地外の巡察に出てる奴が戻って来て解放してやるだろ。

 

俺は別に奴らに何の恨みもないからな。

勿論、身が危険になれば迷わず手を下すが、不必要に相手を殺めるつもりは毛頭無い。

 

“甘い”と言われればそれまでなのかもしれないが、これは俺の為でもある。

俺は所謂職業軍人、自ら軍事組織に身を置くことを選択したが別に人殺しがしたいからこの道を選んだ訳じゃない。

 

人を殺せばそれだけ心に傷を負っていくのは分かり切っている。

敵はあくまで“敵”、奴らも一人の“人間”なんだと認識してしまうといらぬ迷いが生じてしまう。

知らない方がいいんだ、敵兵のことなんて。

 

【チー?】

 

「ん? ああ、問題ない」

 

ツチノコが心配そうに首を傾げながら俺を見上げてくる。

俺は『心配するな』という意味合いでツチノコの頭を撫でてからその場で腕を組む。

さーて、どうしてものか。

まあこの先でもTNTなんて腐るほど手に入るだろうから簡単な方でさっさと処理しちまうか。

 

俺はポーチに手を突っ込み、TNTを取り出す。

ちなみにTNTをよく“こねれば”威力が増すというのは迷信だ。

え?

マニアック過ぎて聞いたことないって?

すまぬ。

 

俺はヘリの燃料タンク付近にTNTを張り付ける。

ちなみにTNTは比較的安定した爆薬で多少の衝撃や摩擦では反応することはない。

だから・・・という訳では無いが雷管で確実に爆轟させる必要がある。

 

え?

豆知識はいいからさっさと話を進めろって?

その通り過ぎて反論の余地もない()

 

『ようスネーク、そこに駐機しているのは“空飛ぶ歩行戦闘ビークル”か?』

 

「空飛ぶ・・・なんだって?」

 

『空飛ぶ歩行戦闘ビークルだよ。EVAから聞いてないか? 最近ソ連で研究されている輸送能力を兼ねた兵員輸送ヘリだ。フランスのAMX-VCIやソ連のBMP武装兵員輸送車のヘリ版と思ってくれればいい。その試作先行型の実地試験が行われているんだろうな。言うまでもないだろうが対人火器で破壊しようなんて思わないことだ。生半可は攻撃じゃ、その装甲は貫けないぞ』

 

突然シギントから無線が入る。

どうしてコイツらは勝手に無線を飛ばしてくるんだ?

いやそれ自体は別に構わないんだが、一から十まで俺の行動を見られているようで気持ち悪いんだよな()

ボディーカメラなんかがあるならまだ分かるが勿論そんなものは無しい、せいぜい俺の無線機のマイクから音を拾ってるくらいだろ?

・・・いや、やめておこう。

考えても仕方ない。

 

「ヒップ(尻)よりも小ぶりな後継機—————さしずめハインド(後ろの)というところか」

 

『なるほど、そりゃいいな』

 

『ああ、では以降その新型ヘリはハインドと呼ぶことにしよう。そのヘリポートに駐機しているハインドは整備中だろう。飛び立つ心配もあるまい。破壊するなら今のうちだ』

 

「ああ、今TNTを仕掛けたところ—————ちょっと待てシギント、EVAから情報提供がある筈だったのか?」

 

『そりゃ現地協力員だからな、その“辺り”の情報にも明るい筈だ。気になるなら無線を飛ばしてみたらどうだ?』

 

「・・・・・そうだな」

 

うーん、でも沼地で無線した時は応答なかったし、また無視されたらいよいよ立ち直れないかもしれない()

 

『スネーク、何を遠慮することがあるんだ? 彼女はフルシチョフが用意しソ連側の協力員だ。彼女の持つ情報が任務達成の助けになる筈だ』

 

俺の微妙な反応に少佐が呆れた様子を隠すことなく口を挟んでくる。

このおっさん面倒くさいんだよな()

 

「彼女をまだ信用している訳じゃない」

 

『勿論全幅の信頼を置けと言っている訳じゃない。今は冷戦、諜報合戦だ。彼女もお前を利用している筈だ』

 

それらしいことを言ってみたが効果無しだった。

ダメだ、コイツを言い負かせる道筋が全く見えてこない。

ならば攻め方を変えるだけだ。

 

「つまり007のように?」

 

『ジャック!』

 

やば、ミスったか?

良い攻め方だと思っt

 

『君にしては洒落た例えをするじゃないか! まさにその通りだ。君も彼のように彼女を利用するんだ。イニシアティブを取れ、イヴ(EVA)を誘惑するのは蛇の得意とするところだろう?』

 

効果は抜群だ!

コードネームではなく、本名で俺を呼んでしまうくらいには効果ありだ。

しかしさすが英国人、禁断の果実を引用してくるところはイケている。

 

少佐は無線の向こう側では007がいかに素晴らしいか、英国が生んだスターについて饒舌に語っている。

え、俺?

右から左で、ただのBGMになって全く聞いていない。

 

『おいスネーク、アンタ余計なことを—————』

 

「任務に戻る」

 

シギントからの苦情は無線を終了させたことで最後まで聞くことは無かった。

幸運を祈る!

 

 

 

俺はそのままクレバスに続く道を進む。

ゲームだとロードが入っていかにも『基地の隣がクレバスですよ』みたいになっていたが実際はそんなことはない。

しばらく歩く必要があった。

ほらね?

荷物軽くした方が良かったでしょ?

・・・・・()

 

あ。そうだ。

クレバスに着く前に手に入れておかなければいけない物があった。

俺は神経を研ぎ澄ませながら森林地帯を進んで行く。

するとどこからか【ブンブンブン】という音が聞こえてくる。

歌い出しそうになるのを必死で堪え、ホルスターからMK22ハッシュパピーを取り出す。

周囲には敵兵の気配もない。

俺はサプレッサー(消音器)を取り外し、木にぶら下がる目的の物に照準する。

 

 

パァン

 

 

辺りに乾いた銃声が響き渡り、鳥たちが一斉に飛び立っていった。

 

 

 

________________________________________

 

 

 

<ボルシャヤ・パスト・クレバス>

 

辺りには敵兵の気配が漂っている。

上手く隠れているつもりだろうがその殺気は消しきれていない。

この独特な雰囲気は経験した者しか分からないだろう。

 

その中を俺は堂々と姿を現しながら進んで行く。

どうせ俺が来ることは知られているんだ。

今更、というヤツだ。

・・・・・っていうか自分で言ってて今思い出した。

俺の身体のどこかに発信器が取り付けられているんだった。

スネークイーター作戦開始時、ザ・ボスと遭遇した際に取り付けられた物だ。

後で外しておこう()

 

「やはり来たな! ザ・ボスの情報は確かだ」

 

岩の後ろから姿を現したスペツナズ所属の将校が大袈裟な身振りで口を開く。

まるでウェスタンから飛び出してきたようなブーツ、それに45口径弾を身体に巻き付けている。

 

「お前は俺の顔に二度も泥を塗った・・・ニャァァァオン」

 

身に覚えのない言いがかりをつけられたと思った次の瞬間、突然の羞恥プレイを自主的に敢行するオセロット。

すると身を隠していたスペツナズ—————山猫部隊の隊員たちが姿を現す。

ついでにGRUの兵士達も来たな。

一人の工作員を相手にするには過剰過ぎるほどの戦力だ。

いやそれよりも猫の鳴きマネとかどんな辱めよ()

その『二度も泥を塗った』とやらとは比べものにならないくらい恥ずかしいぞ?

 

「すまないが身に覚えが—————」

 

「コブラ部隊には悪いがお前はこのオセロットがもらう」

 

いや人の話は最後まで聞けよ()

余程賢者たちの教育が悪いと見える。

 

「二人きりだ。邪魔する者はいない」

 

いや、現在進行形でソ連が誇る精鋭たちに囲まれているんだが?

 

「オセロットは気高い生き物だ。本来群れることはない」

 

いやだから俺を囲んでr—————

 

「12発だ!(キリッ)」

 

いやだから俺を—————

 

「いいか! 今回は12発だ!!」

 

いやd—————

 

「さあ、来い!!!」

 

そう言い放つとオセロットは二丁のシングル・アクション・アーミーを俺に向けて構える。

今の俺は現代のように防弾プレートを身に着けていない。

一発でも食らえばThe ENDだ。

 

俺はポーチからスモークグレネードを取り出してオセロット目掛けて放り投げながら岩陰に姿を隠す。

俺と奴の間は飛び越えられない程のクレバスによって隔てられている。

向こうに投げ込んだ方が“お得”だ。

っていうか他の兵士たちはこっち側にいるけど、奴はどうやって向こうに渡ったんだろうか?

・・・・・うん、やめておこう(定期)

 

オセロットは煙に囲まれてしまい、方向感覚を失っている。

それに下手に動けば『地獄の底まで続いているのでは?』と錯覚するほどのクレバスに真っ逆さまだ。

 

俺はホルスターからMK22—————麻酔銃を取り出してサプレッサー(消音機)を装着する。

 

確か向こう側の木にあった筈・・・・・見つけた。

俺は岩に腕を委託して目標に向かって確実に照準してからをトリガーをゆっくりと引く。

 

狙い通り、麻酔薬が込められた注射針が飛んでいき目標物を地面に落下させる。

すると中から耳を劈くような大量の羽音が聞こえてくる。

 

始まるぞ、“家”を襲撃された住人たちの復讐劇が。

 

煙が晴れてくるとオセロットは周囲の状況を確認する。

そして同時に彼を“守っていた”煙が消えたことで復讐者達が動き出す。

 

まるで黒い煙のように集団でオセロットに向かって行く。

その正体は大量の蜂だった。

それもただの蜂ではない。

凶暴な性格と強力な毒を併せ持つバルトスズメバチだ。

スズメバチにしては珍しく蜜を蓄える性質を持つバルトスズメバチ達は、自分たちを襲撃した命知らずを探して狙いを付ける。

『あの不快な煙から現れた奴がそうだ』

そう言わんばかりに激しい羽音を響かせながらオセロット目掛けて飛んでいく。

 

開始早々スモークグレネードで出鼻を挫かれ、やっと煙が晴れたかと思うと無数のバルトスズメバチに襲われるという踏んだり蹴ったりな状況だ。

 

『卑怯者!』『そんな手があったとは!』『正々堂々と戦え!』『上手い!』

 

俺を包囲している兵士たちからはブーイングの嵐だが知ったことか。

どんなに卑怯なことをしても勝つのが戦いだ。

卑怯者とはつまり誉め言葉なのだ!

・・・・・ん?

罵詈雑言に交じって文字通り褒められた気もするが気のせいか?

 

 

そんな状況でオセロットはと言うと、二丁のシングル・アクション・アーミーを用いてガンプレイをしている。

気でも狂ったのかと思ったそこのあなた!

全く同じ意見ですが、奴はリボルバーをクルクル回すことで蜂をバラバラにしている。

いやいやいやどんなよ・・・

さすがザ・ボスの実子ということなのか?

あ、盛大なネタバレ失礼します()

 

 

うーん、待っているの面倒だから先に進めちゃおうかな。

俺は再びポーチからスモークグレネードを取り出して自分のすぐ近くに放る。

十分にスモークが辺りに充満するのを待って、俺は慎重にクレバスを降りていく。

いやね、原作みたいに飛び込んでみ?

下手しなくても文字通り地獄行きになるよ?

死んでしまえば楽だが、大怪我を負ってその場から動けないまま苦しみながら孤独死というのが最悪のケースだ。

俺は石橋を叩き壊して渡るタイプなのだ。

・・・・・ん?

 

煙が晴れた頃には既に俺はクレバス下の洞窟内を進んでいるだろう。

それでは皆さん、また会う日まで~

 

 

 

________________________________________

 

 

 

<チョルナヤ・ピシェラ支洞>

 

いやいやいや、原作知識があるから知ってはいたが実際に降りてみるとマジで真っ暗やな。

俺は洗練された動作で葉巻を取り出して火をつける。

 

 

スゥー――、ハァー――

 

 

うん、見えない☆

久しぶりの葉巻に身体は大喜びしているが問題は1ミリも解決していない。

まあ慌てても現状は何も変わらない。

とりあえず葉巻を吸いながら壁に手をつきながら歩き出す。

確か小さな滝?っぽくなっている所に松明が落ちていた筈だ。

散歩でもしているかのような気楽さで進んで行く。

 

 

 

 

うーん

 

うーーん

 

うーーーん

 

何処ここ☆

 

いや見えないしね!?

分からないしね!?

ここどこ?

誰か教えてください、お願いします・・・

 

落ち着けー、俺はできる子だ。

 

ヒーヒーフー

ヒーヒーフー

 

う、おえっ

ヒーヒーフーっていつ空気吸えば良いんだよ。

酸素残量0で異状なくあの世行きだわ()

 

【チー!】

 

「ん? どうした?」

 

よく見えないがツチノコがもぞもぞと動いて顔を出したようだ。

っていうかコイツの存在すっかり忘れていた()

 

【チー! チー!】

 

なにチーチー言ってんだ?

よく分からんがクレームっぽい鳴き声だ。

カスハラは許しませんよ?

 

あー、そういえばキャプチャーしてから飯やってないな。

腹減ったのかな?

っていうかツチノコって何喰うの?

草食?肉食?雑食?

うーん、分からん。

とりあえず以前キャプチャーしたアミメニシキヘビを口元に持っていくが—————うん、食べない☆

なんだよ、わがままだな()

正体不明のテキトーなフルーツ?を口元にもっていくが—————食わんな。

それになんだか不満を表明されているような視線を感じる・・・ような気がする。

正体不明でテキトーな物を食わせるなってことか?

俺はさっき強力な神経毒入りのイチゴなんちゃらってカエル食ったぞ(?)

 

そもそもUMAなんだからその生態については何も分かっていないんだよな。

・・・・・実は強力な毒を持っているとかやめてくれよ?

 

仕方ない、無線で聞いてみるか。

 

「パラメディック」

 

『あらスネーク、どうしたの? あなたから連絡してくるなんて珍しいわね』

 

コイツ、自覚あったのか。

 

「以前キャプチャーしたツチノコなんだg」

 

『まさか食べちゃったんじゃないでしょうね?!』

 

『なんだと!?』

 

『何やってるんだ?! アンタがそこまで非常識な人だとは思わなかったぞ!!』

 

少佐とシギントが無線に割り込んで来る。

いや、人の話聞けよ()

 

『もう一度中継基地まで戻ってキャプチャーしてくるんだ』

 

「しょ、正気か少佐?」

 

『私はこれ以上ないほど正気で冷静だ。さあ早くしろ、クレバスを上るんだ』

 

「付き合ってられん(ボソッ)」

 

『何か言ったか?』

 

「俺が聞きたかったのはツチノコの食性についてなんだが」

 

『・・・・・あぁー』

 

コイツ、割と本気で言ってたぽい感じだぞ?

任務のことなんて頭から飛んでいたに違いない。

 

『君もUMAについて勉強熱心なのは感心だが今は任務に集中しろ。その件については任務が終わってからたっぷりと話すことにする。だから何としてもツチノコを連れて帰るんだ。いいな』

 

そう言うと少佐は無線を終了させる。

っというか完全におま言う案件だ。

・・・なんかもう全てを放り出したくなってきたな。

 

 

まあ最初からそこまで期待していた訳じゃないしな。

無線で答えを得られないなら自分で探すしかないだろう。

 

俺は試しにツチノコを地面に降ろす。

すると何かを探している気配がする。

まあよく見えないから何となくだが。

 

葉巻を近づけてみるとツチノコがどこかに向かって動き出す。

うーん、まあ既に迷っているし今更だな。

試に後を追ってみるとしよう。

 

 

 

 

少し進むと【ゴオォォォ】という音が耳に届いてくる。

常に中腰?しゃがんで?進んでいるからさすがに腰が痛くなってきた。

 

すると突然開けた空間に出た。

上から水が流れ落ちており、何故か少し明るさを感じる。

ツチノコはというと水を飲んでいる。

水自体はその辺に水溜りがあるから飲めた筈だが—————

 

「まさかお前、新鮮な水が飲みたかったのか?」

 

【チー!】

 

いやグルメか!

厳しい自然界で生きて来た奴とは思えない生態だ。

食にこだわりが強すぎて個体数が著しく少ないとかそういうオチなんじゃないか?

 

とはいえ、多少予定は狂ったが当初の目標は達成したと言える。

ここが目指していた場所な筈だ。

 

俺は右奥に進んで行き、壁がくり抜かれた様な場所に向かう。

そこに目的の物が落ちていた。

 

ライターで火を点けると辺りはまるで昼間のような(気がする)明るさになった。

良かったぁぁ松明あったぁぁぁ!

松明が無かったら冗談抜きでここが俺の墓標になるところだった()

 

出られないものは仕方ないが余生を過ごすにはあまりに寂しい場所だ。

その辺に生き物もいるし水もあるからしばらくは生きていられそうだけど、こんな所で死にたくはない。

 

さて、これでやっと進めるぞ~☆

ん?

地面でチーチー声が聞こえるような気がするが・・・まあ気のせいだろう。

お前はここで幸せになってくれ。

 

イテッ!!

コイツ、噛みついてきやがった?!

いつか絶対に食ってやる()()()

 

 

 

________________________________________

 

 

 

<チョルナヤ・ピシェラ主洞>

 

松明のお陰で洞窟内を快適に進んでいると、淡い光が視界に入ってくる。

少し進むとそこは非常に広い空間で天井の裂け目から太陽光が差し込んでいる。

大量の淡水で埋め尽くされており、中央に大小一つずつ少し離れて小島のような岩が水から顔を出している。

水深もあり、太陽光が魚たちの鱗を反射しており眩しい程だ。

 

とても幻想的な空間だ。

プライベートで恋人と訪れてみたい場所ナンバーワンと言っても過言ではない。

全俺が言っているんだから間違いない。

ま、俺独り身なんですけど☆

・・・・・よし、死にたい奴は前に出ろ。

 

 

セルフ自己嫌悪?に陥っていたその時、巨大な空間を埋め尽くすと錯覚するほど大量の蜂が現れる。

 

アナフィラキシーショックで死ぬのは御免だ。

俺は迷うことなく水の中に飛び込む。

すると蜂たちは示し合わせたかのように大きい方の岩に集まっていく。

まあ今更説明するまでも無いだろうが、いよいよボス戦って訳だ。

 

『ようやく捉えたぞ!』

 

え?

オセロットはボス戦じゃなかったのかって?

 

うーん、だって俺スモーク投げて蜂の巣に麻酔銃一発撃っただけだもん。

なんかボス戦って感じしないじゃん?

 

どこからか【ビッチ、ビッチ、ビッチ—————ビッチ!!】という空耳が聞こえる気がするが気のせいだろう。

だって空耳なんだから()

 

『我らはザ・ボスの息子たち・・・』

 

そんなどうでも良いことを考えている隙にどこからともなく熊のプーさんみたいな覆面男が現れる。

 

た、確かプーさん著作権切れているから大丈夫だよね?()

著作権とか今更過ぎるか()

 

【チーチー!】

 

その時、現状に不満を覚えたツチノコがポーチの中から這い出て来て文句を言ってくる。

いや仕方ないじゃん。

だってお前だって刺されたくないでしょ?

そのサイズだもん、お前確実にあの世行きだぞ()

俺は小岩に上がりながらツチノコに言い返す(?)

 

『ふんっ! はぁぁ!! 俺はザ・ペイン!』

 

っていうかバルトスズメバチの毒で死んだらいよいよ食うからな?

ピリッとしたアクセントが加わって美味そうじゃないか。

 

【・・・・・】

 

なんだろう、俺の肩の上で無言の圧力を向けてくるのやめてもらっても良いですかね?

不満そうだけどそれってあなたの感想ですよね?()

 

『ふんっ! ふっ・・・てぇぇいい!!! お前にこの世で最高の痛み(ペイン)をやろう。ふんっ・・・はぁ!! はぁぁぁぁぁぁああああああ—————行くぞぉぉぉぉ!!』

 

すると突然、ザ・ペインが小さい瓶を投げてくる。

あぶねっ?!

なんだよ、失礼な奴だな()

初めましてなんだから自己紹介くらいしろよ。

 

瓶の中身が辺りに飛散し、蜂たちが俺に向かって襲い掛かってくる。

確か中身は警戒フェロモンか何かだったか?

 

俺は懐から秘密癖———違う。

秘密兵器を取り出す。

クレバスに向かう前に手に入れておいたバルトスズメバチの巣だ。

 

蜂たちは俺を無視してバルトスズメバチの巣に入って行く。

そうそう良い子だからハウスしてね!

 

俺はザ・ペインに向かってスモークグレネードを投げてから足元の巣を再度キャプチャーする。

なんかスモークグレネード大活躍だな。

 

スモークで蜂が混乱している隙にザ・ペイン目掛けて麻酔銃を撃ち込む。

ヘッドを撃ち抜いたつもりだったが注射器は急激に軌道を変えてザ・ペインの分厚い防弾服に阻まれる。

あれではかなりの量を撃ち込まなければ効果は得られないだろう。

火薬を用いた弾頭が飛ぶわけじゃないからな。

弾道計算も慣れるまで少し時間が掛かりそうだ。

あー、テキトーな場所で練習しておけば良かった()

 

その隙にザ・ペインがグレネードを取り出して蜂に運搬させる。

いや自分で投げた方が早いじゃん・・・と思いながらもゆっくりとこちらに向かってくるのも恐怖ではある。

それに蜂に運ばせている間にザ・ペイン自体は他の行動を取れるし、案外便利かもしれんなあの蜂たち。

どこぞのツチノコとは大違いだ()

イテッ!

コイツ戦闘中なのに噛みやがったぞ?!

 

俺は痛みに耐えながら絶対に食ってやると心に誓いながらM1911A1—————

ガバメントを取り出してグレネードを撃ち落とす。

っていうかゲームじゃないんだから普通にガバ使えば良いのか・・・・・

無意識にノーキルノーアラートにこだわる自分がいたわ()

 

そうと決まれば—————

俺はグレネードを撃ち落とした瞬間にザ・ペインに射口変換してバイタル(胸部)に3発連続で撃ち込む。

奴が怯んでいる隙に空になった弾倉をその場に落とし、すぐに新しい弾倉を叩きこむ。

ガバをそのままホルスターに差し込み、M37ポンプアクション・ショットガンを構えて蜂の鎧を纏ったザ・ペインに向かって12ゲージのバックショットを撃ち込んでやる。

 

「ペイン!!」

 

おうおう痛そうだな。

っていうか今のでくたばらないのか。

中々に頑丈な奴だ。

 

ザ・ペインがその場に立ち上がろうとしている隙に消費分の12ゲージをM37に装弾する。

するとペインは徐に顔を覆っていたバラクラバを脱ぎ捨てる。

そこに現れたのまるで隙間なく蜂に刺されたかのような痛々しい顔だった。

 

すると口からバレット・ビーと呼ばれるザ・ペイン本人が体内で“飼っている”特殊個体であるバルトスズメバチを放ってきた。

確か身体に侵入されたら最後、永遠と身体を食い荒らされるとかいうトンデモ生物だった筈だ。

 

俺は迷わずに水の中に飛び込む。

その際にフラッシュバン—————この世界ではスタングレネードだったな。

スタングレネードを落とすのも忘れない。

一般兵に使えば一発で気絶させられるというこれまたトンデモ兵器だが、ボスクラスには一瞬目を眩ませるくらいの効果だがそれで充分。

 

ザ・ペインは俺が水に飛び込んだのは分かっているだろうが、正確な場所までは把握していない筈だ。

 

俺は伝家の宝刀、ワニキャップを被ってから水の中でグレネードのピンを抜いてペインの足元に転がしてやる。

俺の捜索に大半の蜂を放っていたこともあってペインはグレネードの爆発をモロに食らったはずだ。

俺は最短距離で小島に戻って水面から上がる。

 

「小癪な! 騙されんぞ!」

 

そう言いながらペインが立ち上がってくる。

本当に頑丈な奴だな。

 

「いや、偽装はもう十分だ」

 

俺はそう言い放ちながらガバメントのトリガーを引く。

一発の銃声と共に一つの薬莢が水の中に沈んでいく。

 

金色の薬莢と同じようにペインの身体が背中から地面に吸い込まれていく姿がスローモーションに映る。

その時の驚いたような表情をしたザ・ペインの顔を俺は忘れることは無いだろう。

 

【ペイン!!!】

 

その言葉を最後にコブラ部隊の至高の痛み“ザ・ペイン”は爆発四散した。

第二次世界大戦中、公に出来ない多くの“汚れ仕事”を遂行してきたコブラ部隊は捕虜になることもその場に己の死体を残すことも許されなかった。

だから彼らは小型爆弾を身に着けて任務に赴いたんだ。

 

並大抵の愛国心じゃない。

自分よりも仲間を、仲間よりも国を想い、彼らは国に忠を尽くしたんだ。

敵対しているとはいえ、俺は彼らにこれ以上ない程のリスペクトを感じていた。




はい、お疲れ様でした。

戦闘描写については割とあっさり進んでいますがご了承ください。
元々の佐竹澪君の能力にネイキッド・スネークの知識や技術が上乗せされているような状態&原作知識があるので割とチート級に仕上がっています。
因みに澪君は市街地戦メインの部隊出身なのでMOUTやCQBが得意な一方、野戦が大の苦手・・・というか嫌いなのでネイキッドと相性が良かったりという裏設定があります。

それではまた近いうちに—————
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