牢屋敷の看守長   作:野良のなれはて

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第五話

 

 

彼女たちが、この牢屋敷で生活し始めてから4日が経った。

私は見回りのついでに図書室に訪れていた。

この図書室の本の中には稀に危険な本が混じっているため、見つけたらそれを回収するためだ。

 

図書室の中には宝生マーゴが暇そうに本を読んでいた。

そしてこちらに気づき妖艶なを浮かべこちらに歩いてくる。

 

「あら?看守長じゃない。図書室に何か用?」

 

「図書室の本の中にはたまに危険な本があるんだよ。定期的に確認をしにきてるんだ。まぁ、私もこの図書室の全て本を管理しているわけじゃないんだが…」

 

私が図書室の本を大雑把に確認していると、こっそりと忍び寄ってきていた宝生マーゴが私の耳元で囁いた。

 

「ねぇ、看守長。この牢屋敷から出る方法って存在しているのかしら?」

 

「うわっ!?」

 

私は驚きサッ、と宝生マーゴから離れる。

宝生マーゴは笑みを浮かべたまま、私の目を見つめる。

 

「い、いきなり近くで声を出すのはやめてくれるか」

 

「あらごめんなさい。看守長ちゃんって怖いイメージがあったけれど…意外とからかい甲斐があるのね♡」

 

いつのまにかちゃん付けになっているのを無視し、私は質問に答える。

 

「牢屋敷を出る方法は私は知らないな。私自身長い間ここから出ていないからな…」

 

「そうなのね…牢屋敷の管理者側だったら、何か知っていると思ったのだけれど、意外と知らないのね」

 

宝生マーゴは少し肩を落としている。

 

「それで?こんなことを聞くってことは、脱走を企んでいるのか?」

 

「いいえ?今のところは考えてないわ」

 

明らかに嘘をついているマーゴに対し、私は呆れた様に話す。

 

「はぁ…脱走をしたら懲罰房行きだぞ。わかっているのか?」

 

「もちろんわかっているわよ。でも今は脱獄方法を聞いただけ、何も脱走計画を立てているわけじゃないわ。探す分には問題ないのでしょう?」

「…桜羽エマに聞いたのか」

 

私は桜羽エマに言った言葉を思い出し、宝生マーゴに問いかける。

 

「えぇ。エマちゃんに聞いた通り、規則を破らなければ何をしても大丈夫みたいね」

 

「はぁ…まぁいい。この図書室には私たちが見つけていない本なども混じっている。危険なものもあるが…まぁ探してみるといい。」

 

「あと、もし魔女についての本を見つけたら読んだ後でいいから私に渡してくれ」

 

「わかったわ。読み終えたら渡すわね♡」

 

(あわよくば大魔女についての本も探してもらえるといいんだけど…)

 

私は本の確認を終え、図書室を退出した。

 

私が一階に降りると、桜羽エマ、橘シェリー、遠野ハンナが必死の形相で玄関ホールから牢屋敷へ入ってきた。

 

「なにやら焦っているみたいだが…何かあったのか?」

 

「えっ!?えっと…」

 

桜羽エマが言い淀んでいる様子を見て、橘シェリーが話出す。

 

「私たちみんなで、ストレス発散として競争しよう!って私が言い出して、それに付き合ってもらってたんですよ」

 

「そ、そうですわ!私たちはちょっと運動をしてましたの!」

 

「…そうか」

 

明らかに何かを誤魔化している様子だったが、それを知る手段はないため見逃すことにした。

 

「外で走るのはいいが、屋敷内では走るなよ」

 

私は牢屋敷の見回りに戻った。

 


 

エマside

 

エマたちは、看守長が去っていったのを見てホッと息をついた。

 

「いや〜!危ないところでしたね。危うく看守長さんにもバレるところでした!」

 

「うん…よく誤魔化したね、シェリーちゃん」

 

「元はと言えばシェリーさんが壁を殴るからですわ…」

 

「ちゃんとフォローしたから許してください〜!」

 

エマたちはぐったりした様子で監房へと戻っていった。

 

 

それからエマ、シェリー、ハンナ、メルルは夕食を終え、食堂を出ると背後から声がかかる。

 

「ちょっといい?」

 

エマらが振り向くとナノカが立っていた。ナノカは集団で行動せず、1人で歩き回っている少女だ。

行動は謎に包まれており、おのずと、エマたち4人に緊張が走る。

 

「なんでしょう?何かお困りごとでしょうか?」

 

「ラウンジに飾ってあるボウガンが消えていたの。誰かが持ち出したんだと思う」

 

「なんですって…それって一大事じゃ!?」

 

ハンナが青ざめ、エマも嫌な予感に鼓動が速まっていた。

 

(ボウガンを、なんのために…?)

 

「い、一度確認に行こう」

 

5人はぞろぞろと、ラウンジへ入って行く。

そして、壁に掛けられていたはずのボウガンが、なくなっているのを目の当たりにした。

 

「ほんとだ…一体いつから…?」

 

「昨日の日中に見た時はあって、今日見に行ったらなかった。だから昨日の夜だと思う」

 

「それに…昨日なくなったものがもう1つあるの」

 

「何がなくなったの?」

 

「私の髪リボン。どこかに落としたのかもしれなくて、思い当たるところは探し回ったんだけど、見つからない」

 

どうやら大切なリボンらしく、ナノカはリボンを盗んだ犯人を見つけ出そうとしているようだった。

 

「囚人の中に、泥棒がいる。私は許さない」

 

(許さないって、何をするつもり…?)

 

ナノカはさっさと踵を返し、ラウンジを出ていってしまった。

何かトラブルを起こしてしまうんじゃないのかと、不安になり4人もナノカを追いかけて娯楽室へと入る。

すると中では、案の定、トラブルが起こっていた。

 

「人の顔見ていきなり泥棒ってなんだよ!?ふざけてんのかてめえ!」

 

「ふざけてない。あなたはいかにも何かしそう」

 

「そっちこそ、その銃はなんだよ!?どこで手に入れた!?てめえの方が怪しいだろうが!!」

 

アリサが今にもナノカに掴みかかろうとしている。

エマは慌て、仲裁のため間に立った。

 

「2人とも待って!落ち着いて!」

 

「うるせえ!引っ込んでろ!」

 

アリサはエマを押しのけ、ナノカの胸倉を掴んだ。2人は間近でギリギリと睨み合う。

 

「あなたは虚勢ばかり、本気で誰かと向き合う気なんてない」

 

「てめえ…っ」

 

振り上げたアリサの拳が震えている。今にも殴り合いが始まりそうなほど、空気が張り詰めていた。

すると突然、ノックが聞こえ、娯楽室に看守長が入ってくる。

 

「おい、なんの騒ぎだ」

 

突然の看守長の来訪に少女たちはピシリと固まる。

 

「…こいつがウチのことを泥棒って言い出したんだよ。ウチはそれに対して言い返してただけだ」

 

「…私は盗んだ犯人を探しているだけ」

 

「なるほど…喧嘩するのはいいが、度が過ぎると懲罰房行きなるからな」

 

看守長のその言葉に気圧されたのか、アリサとナノカは距離を置いた。

次に、看守長はナノカに近づいていく。

 

「何が盗まれたんだ?」

 

「…私の髪リボンよ」

 

「そうか。なら、見つけたら教えよう」

 

看守長はナノカから離れ、出口へと向かう。

 

「あまり問題を起こすなよ」

 

そう釘を刺し、看守長は娯楽室を出ていった。

ナノカや、アリサも少し頭が冷えたのか、娯楽室を出ていった。

 

しばらく険悪な空気に付き合わされ、時間を食ってしまった。

落ち着いてから、エマらのグループはシャワーを浴びにいった。

 

先ほどのトラブルと今日走り回った疲れもあってか、地下に戻ってきた頃には、全員足元が覚束ない。

一番手前の房であるシェリーは、早々に中へと入っていった。

 

それからエマらはレイアと出会い配信の告知を聞く。

それだけ聞き、ハンナとメルルは自分の房へと戻っていった。

 

エマも自分の房に戻ろうかと考えていると、アンアンにスマホを届けて欲しいとレイアに頼まれる。

エマは承諾し、医務室へと歩いていった。

 

 

 

 

レイアに頼まれた用事で医務室に向かうと、中には看守長と真っ青な顔のアンアンが見つめあっていた。

 

「ちょ、ちょっと大丈夫!?」

 

エマは咄嗟にアンアンに駆け寄る。

アンアンはエマが来たことにより、少し落ち着いた様子だった。

 

「い、医務室になんの用なの…?」

 

エマは勇気を出して看守長と向き合う。

 

「…睡眠薬をもらいに来たんだが…場所がわからないから、そこの夏目アンアンに聞こうと思ったんだ。だが、怯えられてしまってな…」

 

「そ、そうなんだ…」

 

「……睡眠薬ならそこの棚の中にある」

 

「…!そうか、ありがとう」

 

看守長が薬の棚を漁っている間にエマはアンアンに話しかける。

 

「レイアちゃんが日中お見舞いに来た時、スマホを間違えて持っていっちゃったらしくて」

 

「届けて欲しいって。———はい、これ」

 

エマがスマホを差し出すと、アンアンはバッと奪い取る。エマは苦笑を漏らした。

 

(ボクが嫌われてるのか、みんなにこういう態度なのかどっちなんだろ…)

 

「じゃあボクは戻ろうかな」

 

用事は済ませたので、入り口の方へと目を向ける。

そこで、アンアンの手元のスマホがけたたましい音を立て始めた。

聞こえてくるのは、どうやらココの声だ。

 

「ああ、配信が始まったんだ。ボクも見なきゃ」

 

エマが少し焦った素振りを見せたことに気付いたのか、アンアンは自身のスマホを差し出してきた。

 

(これは、一緒に見ていけってこと、かな?)

(部屋に戻ってみようと思ったけど…アンアンちゃんが好意を見せてくれるなんて、滅多にないチャンスだ)

 

「ありがとう。じゃあ、ここで見させてもらうね」

 

エマが遠慮がちにベッドに腰掛け、アンアンのスマホを覗き込んだ。

エマとアンアンが夢中になって配信を見ていると———

 

「今はこういったものがあるんだな」

 

突然、後ろから看守長が話しかけてくる。

 

「うわっ!?」

 

「ひっ…」

 

エマとアンアンは驚いて、サッと看守長から距離をとる。

 

「あぁ…見てたのに」

 

「び、びっくりするから急に後ろに立つのはやめて…」

 

「あ…それはご…いや、すまない。今のケータイって連絡だけじゃなく、配信もできるんだな…」

 

「う、うん…」

 

(看守長ってあんまりスマホに詳しくないのかな…?スマホの事ケータイって言ってるし…)

 

エマが看守長のギャップに驚いていると、隣のアンアンのスマホが鳴る。

どうやら自由時間終わりの連絡のようだ。

丁度配信も終わったらしい。

 

「ボクは部屋に戻るね。アンアンちゃん、見せてくれてありがとね!おやすみ!」

 

エマは医務室を後にした。

 

監房内に戻り、エマはドサリとベッドに倒れこむ。

 

(レイアちゃんたちも、走って自分の部屋に駆けこんだだろうな) 

 

今日は随分疲れてしまった。

エマはすぐに目を閉じ、深い眠りの世界へと落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

———早朝。エマは昨晩深く眠ったためか、早くに目が覚めていた。

 

朝の開錠時間と共に、エマは伸びをしながら通路の方へと出る。

おそらくまだ他の少女たちは眠っているのだろう。地下はしんと、静寂に包まれていた。

 

(朝散歩でもしようかな)

 

すると、通路の先から歩いてきている少女の姿があった。

忍び足でエマの方へ向かってくるのは、アンアンだった。

 

「アンアンちゃん、おはよう。早いね!具合はもういいの?」

 

エマの姿を見て、アンアンは嫌そうに眉をひそめる。

 

「……」

 

無視を決め込んだのか、エマの横を素通りして自分の房へと向かっていく。 

 

(少しは親しくなれたと思ったんだけど…そんな簡単にはいかないか)

 

アンアンは俯き加減に歩いていた。自分の房の前までやってきてから、顔を上げ、

そして———

 

あ、あ、あ…!

 

「え?」

 

あああああああああぁーっ!!

 

驚愕で目を見開くアンアンが、初めて声を発したことに気を取られてしまい。

エマは、少し遅れて隣の房を覗いた。そして、それを見た。

 

「ノア、ちゃん…?」

 

お絵描きが大好きだった少女、城ケ崎ノアは、死んでいた。

好奇心旺盛に世界を見る愛らしかった瞳は、眠るように閉じられている。もう二度と何かを映すことがない。

 

体温や血液を奪われた体は陶器めいていた。それはまるで精巧に造られた人形のようにも見えた。

 

そして、カラースプレーによって真っ白に塗りつぶされたキャンパスには、絵が描かれていた。

ノア自身から排出された、大量の血によって。

 

「ちょう…ちょ…?」

 

たくさんの、赤い蝶がノアの周囲を舞っている。

城ケ崎ノアが描いた最後の絵。それはあまりに残酷で、美しく、ありえない光景。

 

騒ぎに駆けつけてきた少女たちは壮絶な光景に息を呑み、泣き喚き、震え、叫び、パニックに陥った。

 

「なんで、なんでなんでなんでぇ…っ」 

 

「みんな落ち着くんだ!」

 

口にするレイアも、さすがに青ざめている。

ノアの房の扉を開き、中を覗いて痛ましそうに首を振る。

 

「ダメだ…死んでる…どうして!!」

 

タイミングを見計らったように、スマホの通知音が地下通路に鳴り響く。

 

『はぁ…報せが入りました。痛ましい殺人事件が発生したようですね』

 

『あの、皆さん、今すぐラウンジに集合してください。従わなければ看守が連行しちゃうので…』

 

「あー…思考が追いついてないところ悪いけど、看守の後について行って」

 

ゴクチョーのメッセージどおり、看守たちが通路に現れている。

エマは思考がまとまらず、胸が詰まり、息さえもうまくできないでいた。

 

しかし看守の出現で、少女たちはのそのそと動き出した。

誰も何も言わない。誰の顔にも表情がない。

この出来事が、少女たちの全てを変えてしまったようだった。

 

ラウンジに集った少女たちは、11人。誰もが、どこか気まずそうに目を合わさないようにしている。

 

そんな中、エマの隣に立ったのは、シェリーとメルルの2人だった。

 

「エマさん、大丈夫ですか?今にも倒れそうですけど…」

 

「ソ、ソファーに座った方が…」

 

この状況下で心配してくれた彼女らに、エマはなんとか笑顔を作る。

 

「大丈夫だよ。ショックなのは、みんなきっとおんなじだろうし…」

 

「犯人以外は」

 

「…っ」

 

(…この中に、ノアちゃんを殺した犯人がいる?そんな、まさか)

 

エマの視線は、ラウンジにいる全員の様子を窺うように彷徨う。

誰もが青ざめ、信じられないといった表情だ。

 

「犯人なんて、いるわけないよ…」

 

エマの呟きは、どこか空虚に響いた。

そこで、天井近くからの羽ばたき音とともに、ゴクチョーが現れる。

 

「はぁ…殺人事件…起きちゃいましたね…」

 

「今夜、『魔女裁判』開廷します」

 

ゴクチョーが魔女裁判について説明していく。

 

「頑張って犯人を特定してくださいね…犯人を見つければ、生き残れるので…まあ、あの、前向きに楽しんでください」

 

「あ、あと捜査中に不正がされないように、遺体の側には看守長が配置されています。調査は自由ですが、無理やり遺体に触れようとしたら…まぁ、死んじゃうので」

 

「では捜査をお願いします。あっ!どうせ難しいので、無理はしないでくださいね…わからなくても皆さんが死ぬだけなので…」

 

「期限は魔女裁判開廷のアナウンスが入るまでです。業務中なら万が一気が向けば質問も答えます…たぶん」

 

一方的な話を終え、ゴクチョーは去っていった。

裁判にて、誰かを選ばなければいけない。エマは全身の血の気が引いたようだった。

 

(今日中に犯人を特定しなきゃ全員処刑…?そんな、時間がなさすぎる!)

(いやそれよりも、この中の誰かが殺人を犯しているなんて、信じたくない!)

 

(でも、誰かがノアちゃんを殺したんだ…ひどすぎる…許せない…)

 

ラウンジ内に、気まずい沈黙が落ちていた。

少女たちは、お互いの腹を探り合うように誰もが視線を彷徨わせている。

 

数日間、共同生活をしてきた少女たち。

マーゴが言っていたように、お互いのことをほとんど知らない。

 

その中で、信じ合うことは、とても、とても難しい。

やがてレイアが室内の中央に立つ。全員の注目は、レイアへと集まった。

 

「こんな事態になってしまい、本当に辛いと思うが…私は、犯人を特定したいと思う」

 

「賛成よ。私もいわれない理由で選ばれて死にたくないもの」

 

「殺人事件の犯人を、きちんと『魔女』として裁いてもらうべきだと思うわ」

 

「ああ、みんな同じ気持ちだと思う。時間はあまりない。手分けして捜査を始めよう」

 

出入り口に向かって歩きだす、レイアとマーゴの2人。

慌てたのはエマだ。

 

「ま、待ってレイアちゃん!誰が犯人かわかったら、それでその子を処刑させるの!?」

 

レイアはエマの横をすれ違っていく。その表情は、辛そうに歪んでいた。

 

「みんなを助けるためだ。疑わしい人物も、目星がついている」

 

「え…!?」

 

レイアの言葉に、エマは衝撃で立ち尽くす。 

レイアの眼差しは、ハンナへと向けられていた。

 

「遠野ハンナ。———キミが、城ケ崎ノアを殺したんじゃないか?」

 

「なっ…」

 

「まだしっかり調べていないが、あの場所は足跡が残っていなかった」

 

「つまり…浮ける者が犯行に及んだじゃないか?」

 

「ハンナちゃんが犯人なわけない!」

 

「…そう思うなら、君たちも捜査を進めたまえ。今夜には全てがはっきりする」

 

立ち去るレイアの表情は険しかった。

 

(みんなを助けたかったら、誰かを魔女にしなくちゃいけない…だからレイアちゃんは、シビアになってるんだ…)

(わかるけど、ハンナちゃんを疑うなんて!)

 

ココ、ナノカ、アリサもそれぞれが勝手にラウンジを出ていく。

ソファーに座っているアンアンの隣には、メルルが心配そうに寄り添っている。

 

「あの、私アンアンさんを医務室に連れていきます。アンアンさんは、とても捜査なんてできる状態じゃ…」

 

ノアの死体を最初に見たアンアンは、ショックが大きいのか青ざめて震えていた。

 

「そうだね…お願いできると助かる」

 

メルルに支えられ、アンアンたちも出ていった。

残されたのは、エマとシェリー、そしてハンナの3人だった。

 

ハンナは唇を噛み、俯いていた。よっぽど悔しいのか、涙目になっている。

 

「ハンナちゃん…」

 

「探偵の出番ですねっ!真犯人を見つけて、ハンナさんの疑いを晴らしましょう!」

 

シェリーが明るく言い放ったことで、エマはほっと表情を緩ませた。

 

「そ、そうだよ。ハンナちゃんは犯人じゃない。処刑なんて、絶対させない!」

 

「ボクたちで、真犯人を探そう!」

 

「…そうね、絶対犯人を見つけましょう」

 

泣きそうになっているハンナが、ようやく顔を上げてくれた。

エマたちは勢いづき、城ケ崎ノア殺人事件の捜査へと乗り出すこととなった。

 

 

 





裁判パートがむずすぎる…どうしよう…
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