ハイスクールD×D 最強の天才   作:不安全ピン

9 / 10
やっと一巻の半分ぐらいに到達しました。
まだまだ先は長いですが、これからもよろしくお願いします。


天才の『駒』

「こざかしいぃぃぃぃ!小娘ごときがぁぁぁぁ!その紅の髪のように、お前の身を鮮血で染め上げてやるわぁぁぁぁ」

 

はぐれ悪魔―――バイザーが叫びながら俺達へ突っ込んでくる。

 

「雑魚ほど洒落(しゃれ)たセリフを吐くものね。祐斗!」

 

「はい!」

 

部長の指示を受けた祐斗が走り出す。

速い。

俺もあのぐらいのスピードで走れなくもないが、細かい動きは難し()()()

・・・まあ、今見たからもう大丈夫だけど。

 

「イッセー、才斗。『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』については、ここに来るまでに説明したから大丈夫よね?」

 

悪魔の駒。

大昔、悪魔と天使と堕天使は三つ巴の戦争をしていた。

永年に渡り続けられた戦争に勝者は無く、痛み分けという形で幕を閉じた。

しかし、戦争が終わっても三陣営の敵対関係は変わらず、睨み合いが続いていた。

戦争によって、大幅に数が減った悪魔は、戦力強化の為に人間を悪魔に転生させるシステムを作り上げた。

それこそが、悪魔の駒。

悪魔の駒は、人間を悪魔に転生させると同時に、チェスの駒に(なら)った特性を与える。

 

「祐斗の役割は『騎士(ナイト)』で、特性はスピード」

 

部長の言葉通り、祐斗のスピードはドンドン上がっていく。

バイザーは魔力の槍で攻撃しているが、捉えることが出来ない。

 

「そして、祐斗の特徴はもう一つ。剣よ」

 

素早い動きでバイザーを翻弄(ほんろう)した祐斗は、隙を突いて背後に回り込み足を止めた。

 

「あれ?いつの間にか剣が・・・」

 

イッセーが言うとおり、祐斗の手には西洋剣が握られていた。

おそらく、イッセーには見えなかっただろうが、俺にはしっかりと見えた。

祐斗の手から、剣が作り出される瞬間が。

たぶんイッセーと同じ、神器(セイクリッド・ギア)だろう。

 

スッ!

 

祐斗は剣を鞘から抜き放ち、祐斗を見失い困惑していたバイザーを切りつける。

 

「ぎゃぁぁぁぁああああ!!」

 

祐斗の放った斬撃は、鮮やかな太刀筋を描き、槍を持ったバイザーの両腕を切断した。

 

「これが祐斗の力。目にも止まらぬスピードと、達人級の剣さばき。この二つが合わされば、あの子は最速のナイトとなるわ」

 

祐斗は剣を鞘に戻し、バイザーから離れた。

祐斗に代わり、小柄な人影が前に出る。

 

「次は小猫。駒は『戦車(ルーク)』で、その特性は―――」

 

「危ないっ!!」

 

部長の説明はイッセーの叫び声で遮られた。

バイザーが小猫を踏み潰そうと、足を振り上げていた。

 

「大丈夫よ」

 

だが、部長は慌てた様子もなく、平然としていた。

 

ズドンッ!

 

バイザーの巨大な足が振り下ろされた。

小猫は避けようともせず、下敷きになった。

だが―――

 

「『戦車』の特性は至ってシンプル。バカげた怪力と、圧倒的な防御力。あのぐらいでは、小猫はビクともしないわ」

 

小猫はバイザーの足を押し上げて、横にどかした。

 

「・・・ぶっ飛べ」

 

バイザーの懐に飛び込んだ小猫は、腹に拳を叩き込んだ。

 

「ぐわぁぁぁぁああ!!」

 

バイザーが悲鳴を上げながら、背後へ大きく吹っ飛ぶ。

・・・小学生ぐらいの女の子が、無表情で化物を吹っ飛ばす光景。

ホラーだ。現に、イッセーは少し怯えている。

 

「最後は朱乃よ」

 

「はい、部長。あらあら、どうしましょうかしら」

 

朱乃先輩が、うふふと笑いながら倒れているバイザーに近づく。

 

「朱乃の役割は『女王(クイーン)』。『女王』は『兵士(ポーン)』、『騎士』、『戦車』、『僧侶(ビショップ)』、すべての特性を兼ね備えた最強の駒よ」

 

なるほど、万能型(オールラウンダー)ってことか。

 

「ぐぅぅぅぅ・・・」

 

「あらあら、まだ元気なようですね。それなら、これはどうでしょう?」

 

睨みつけてくるバイザーに向かって、朱乃先輩はそう言って笑い、片手を天にかざした。

 

カッ!

 

朱乃先輩の手から光と共に雷が発生し、バイザーに向かって飛んでいく。

 

「ぐわぁぁぁぁぁああああ!!」

 

雷の直撃を受けたバイザーは悲鳴を上げる。

それにしてもすごい威力だ。一発で「ぐわぁぁぁぁあああ!!」丸焦(まるこ)げに「ぎやぁぁぁぁぁああ!!」なって「ぐおぉぉぉぉぉおおお!!」・・・

 

「あらあらあらあら!まだまだいけそうね。ドンドンいきますわよ!!」

 

あの、ちょっとやりすぎじゃあ・・・

 

「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。その中でも雷撃が強力よ。そして何より、彼女は究極の(サディスト)よ」

 

『女王』というより『女王様』ってことか。

 

ドカッ!!

 

一際強力な雷撃を放った朱乃先輩は、満足そうに一息吐いて、俺達のほうへ戻ってきた。

 

「どうぞ、部長。トドメを」

 

朱乃先輩の言葉に頷いた部長は、虫の息のバイザーに近づく。

 

「最後に言い残すことはあるかしら?」

 

バイザーに片手を向けながら、部長が()く。

 

「殺せ」

 

バイザーは一言そう呟いた。

それを聞いたとき、イッセーが少し哀しそうな顔をしていた。

相変わらず、優しいやつだ。

 

「そう、なら消し飛びなさい」

 

だが、部長はあっさりそう告げ、バイザーに攻撃した。

手から巨大で、ドス黒い魔力を放った。黒い魔力はバイザーを包み込み、跡形もなく消し飛ばした。

なんだ?今の攻撃。朱乃先輩の魔力とは根本的に違うような・・・

俺が部長の力について考えていると、朱乃先輩が近づいてきて教えてくれた。

 

「あれは部長特有の魔力ですわ。悪魔にも色々あるのよ」

 

なるほど。俺も悪魔についての知識は少ない。要勉強だな。

 

「これで終わりね。みんな、ご苦労様」

 

部長の一言で、張り詰めていた空気が(やわ)らいだ。

これで『はぐれ悪魔』討伐終了か。

ハッキリ言って、この行いが100%正しいとは思わない。だが、悪魔の世界で生きていくなら、順応しなければならない。

そう思って、俺は思考を切り替えた。

 

「あの、部長。俺と才斗の駒ってなんですか?」

 

ちょうど、イッセーが俺と同じことを考えていたらしく、部長に問う。

質問を受けた部長は、俺とイッセーの顔を順番に見て、ニッコリ笑って答えた。

 

「『兵士(ポーン)』よ」

 

『兵士』。将棋で言う『歩兵』。

つまり、一番下っ端であり、捨て駒だ。

それを聞いたイッセーは落ち込んでいたが、俺に落胆の気持ちはなかった。

なぜなら、知っていたからだ。『兵士』と『歩兵』に共通する特性。

成り―――『プロモーション』を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?原作キャラの喋り方に違和感があったらすいません。
あと、『悪魔の駒』についての詳しい説明は原作をご覧ください。
キャラの説明などで、間違っているところがあったら、ぜひ言ってください。
まだ、戦闘描写に慣れてなくて、迫力がないと思いますが、これから頑張って憶えていくので、見守ってくださると、感激です。
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