異能至上主義に花束を ――神話級異能〈テミス〉は新世界を成り上がる―― 作:衝動
『――今年も危なげなく予選を突破!優勝候補筆頭にして本戦最多出場!!!書道家・水墨画家としても名を
水飛沫と共にその場に優雅に現れたのは、白い和風ヘアバンドを着けた黒髪ロングの美女であった。頭の両端に法螺貝を
「あらあら♡素敵なコが揃っているわねぇ」
「うげっ!
「あら♡幕之内ちゃん……に知恵川ちゃんじゃない。久しぶりねぇ」
もっと不思議なのは、
「
「そんなにビビらなくてもいいわよぉ。ま、新世界の海を統べる私の前じゃ雑魚か稚魚に過ぎないのだけれど♡」
『――優勝予想ランキング一位!Eブロック代表!!!「Champion」!!!
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」
――例の異能戦のソロランキングは、異能バトルの強者がずらりと並ぶが、実は抜け道が存在する。簡単だ。「スマホを持たない」ことだ。スマホ――プレートフォンがなければまず登録ができないのだから。現に、以前の竜ヶ崎もランキングには一切掲載されていなかった。
――だから事実上の世界十二位は彼女――
『――ファイナリスト六人目!本戦初進出!ノーマークにしてダークホース!〈極皇杯〉初エントリーにして
――あの予選を六分……!?誰だ……?知らない人物か……?
『――
次に楕円形のアリーナ内部に現れたのは、赤紫のウェーブがかったロングヘア――その前髪に白いメッシュのラインが入った女であった。頭には、喪の席で着用する黒いトークハットを
「あァ?誰だ?このどエロいねーちゃんは?」
「
「知らない女の子ねぇ。六分なんて私より早くて素敵だわ」
「あぁ……鬱よ。本当に鬱……。なんで私がこんな大会に出ないといけないのかしら……」
「何なのです?
「あぁ……高圧的な女……。本当に嫌になる……。死にたい……」
――なんだコイツ……。
肌は雪のように白く、大きな涙袋は
『――優勝予想ランキング三位!Fブロック代表!「毒林檎級ジョーカー」!!!
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」
――
『――ファイナリスト七人目!本戦初進出!六度目の〈極皇杯〉挑戦で遂に!!!ファイナリストへ!!!開会式でも存在感を放った〈
――問題はコイツだ……。
『――その
「夏瀬様、幕之内様、ご無沙汰しております」
「黒崎……さん……」
「マジかよ……!黒崎さん……アンタがファイナリスト……!」
「そして
「あらあら♡ご丁寧にどうもぉ」
「〈十天〉の側近……なのです?」
「今年の〈極皇杯〉を優勝させていただきます、
「黒崎殿……」
「はぁ……自信家ばかりで嫌になる……。みんな死ねばいいのに……」
『――優勝予想ランキング八位!Gブロック代表!「NO LOYALTY, NO LIFE」!!!
――黒崎影丸。俺が知る中で、唯一、〈十天〉以外で神話級異能を持つ者。何度か顔を合わせてはいるものの、その実力は未だ底知れない。
――そして……竜ヶ崎は……!
『――ファイナリスト八人目!本戦初進出!皆さんの記憶にも新しいことでしょう!十六年間にも及ぶ、〈竜ヶ崎組〉による〈
「おっ、夏瀬、アンタのトコの可愛い部下じゃねーか?」
――正直、胸を撫で下ろす思いだった。
「部下じゃねーよ……」
『――その実妹にして、一千もの黒星を背負いながらも、〈神屋川エリア〉を支配から救うため、兄に挑み続けた女が遂に!〈極皇杯〉のファイナリストに!Aブロック代表・夏瀬雪渚に忠誠を誓う、〈神威結社〉の一番槍!〈神屋川エリア〉の全住民の期待を背に!八度目の〈極皇杯〉挑戦で遂に!遂に!悲願の本戦進出へ!!』
円を描くように立った俺たちの中央に現れたのは、「ドラゴニュート化」したその女。
『――優勝予想ランキング七位!Hブロック代表!「千の黒星の昇り龍」!!!
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」
「――ガッハッハ!ボス!約束通り!アタイが来てやったぜェ!偉いだろォ!」
「お前は心配要らなかったな……。竜ヶ崎」
「ガッハッハ!アタイはボスの右腕だァ!当然だろォ!――お!」
竜ヶ崎がふと、出場者観覧席を見上げる。そこには、
「竜ヶ崎……お前……あんな強者たちを倒してきたのか……」
「ガッハッハ!そりゃボスもだろォ!ちっとだけ早く終わったから空港で観てたぞォ!」
「竜ヶ崎の方が早かったか」
「――おあッ!?ボス!まさか忘れちまったのかァ!?約束しただろォ!本戦に残ったんだからご褒美に『なでなで』してくれェ!アタイは
「はは、覚えてるって。よしよし……」
「ガッハッハ!後で姉御たちにも褒めさせてやるかァ!」
竜ヶ崎は頭を撫でられ、気持ち良さそうに目を閉じ、頬を擦り寄せる。とても満足そうだ。小動物のように俺に懐く竜ヶ崎が
『――以上!ファイナリスト八名!!!初エントリーで本戦進出が二名!本戦返り咲きが二名!』
一般観客席には、〈竜ヶ崎組〉の元構成員たちや〈神屋川エリア〉の住民たち、〈
『――過去大会のファイナリストが続々と予選で敗れ去った、史上!最もハイレベルな今大会!!!この大会を制し、トロフィーの輝きに祝福されるのは一体誰だぁぁぁぁぁぁぁ!!!第十回〈極皇杯〉!決勝本戦!
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