白兎がカビゴンになるのは間違っているだろうか 作:桃です
地上に戻ってくると、一人の神様が息を切らせながらも【ヴィーザル・ファミリア】の人達に駆け寄ってきた。
「お前達…」
長い鳶色の髪と静謐を思わせる落ち着きのある目をした男神、おそらく彼らの主神ヴィーザル様だろう。
「セレニアの恩恵が消えたと思えば復活した、ダンジョンで何があった?」
理由を聞いてくるヴィーザル様に獣人の男性が答える。
「実は俺達下層の探索をしている時に
獣人の男性が僕の方を見てヴィーザル様にそう伝える。
「そうか、俺の
「いえ、僕がしたくてしたことですから」
「礼がしたい、薬の調合という事は所属は【ディアンケヒト・ファミリア】か【ミアハ・ファミリア】か?」
「いえ、違います。僕の所属は【ヘスティア・ファミリア】です」
「??? 医療系の派閥じゃないのか?」
「はい、【ヘスティア・ファミリア】は探索系ですね」
嘘はない、故にヴィーザルは戸惑う。
これだけの人数を治療できる薬をダンジョン内で調合・製薬してしまう腕を持っているのに所属は
『あんな困った顔する
のちに、団長を務める狼人が目的を果たして帰ってきた時に
「そうか、ヘスティアにも礼をしなくてはな」
「別に構いませんよ」
「いや、子供を救ってくれた恩は返さないといけない。それが
僕が断ろうとしたが、ヴィーザル様はそう言い切った。
「解りました、受け取ります。でも、今【ヘスティア・ファミリア】の
「そうか。では、後日【ヘファイストス・ファミリア】の
そうして、僕は【ヴィーザル・ファミリア】の人達と別れて帰路に立つのだった。
その日の夜【ヴィーザル・ファミリア】の
「で、お前らはそのベル・クラネルって奴に助けられたのか」
「えぇ、正直彼が居なかったらここにいる何人かの団員は命はなかったでしょうね。私も含めて」
そう語るのは【ヴィーザル・ファミリア】副団長のセレニア、話を聞くのは【ヴィーザル・ファミリア】団長にして
「なら、俺も
「うん、私ももう一回お礼を言いに行きたいし。一緒に行こう」
こうして、【ヴィーザル・ファミリア】の夜は更けていく。