白兎がカビゴンになるのは間違っているだろうか 作:桃です
ほんと申し訳ありませんでした。
アイズとのダンジョン探索を終えて【ヘファイストス・ファミリア】の「バルカの工房」に帰ってくると神様が意気消沈していた。
「どうかしましたか、神様?」
「ベル君…聞いてくれよぉ!!」
なんでも僕以外の眷族になってくれそうな人を探して声をかけたが全滅したというのだ。
「まぁ、しょうがないですよ。無名の派閥に入ろうとする人なんてよほど切羽詰まっている人しかいないでしょうし」
「サラッと意外と毒吐くわねあなた」
僕の言葉にヘファイストス様がツッコミを入れる。
「そういえばベル君はダンジョンに行ってきたんだよね、どうだったんだい?」
「見てください」
そう言って僕は神様に稼いできた300万ヴァリスを見せる。
「わぁ、いっぱい稼いできたね」
「はい、アイズと一緒に稼ぎました」
「誰だい、それ?」
僕の言葉に神様が問いかけてくる。
「えっと、そういえば所属を聞くの忘れてました」
「ヘファイストス、アイズっていう冒険者の子の事知っているかい?」
神様がダメもとでヘファイストス様に聞いてみると…。
「えぇ、知っているわよ。ロキの所の【剣姫】のことね」
「ロキィ~~~~~~~っ?ベル君、そのアイズという子とは…」
「冒険者と僕の人間関係に関しては神様に口出しされたくないです」
僕は先手を取ってバッサリと告げた。
「なんでだい、君は僕の眷族だろ⁉」
「眷族ではありますが、僕にだって僕の考えがあるんですよ。それを真っ向から否定してくるのなら
「ふぐぅっ⁉分かった、分かったから僕を一人にしないでおくれ!!」
お義母さんから言われた通りに言ったら上手く行ったぞ。
「ダメ男に依存するダメ女になってる…」
そう言って頭を抱えるのだった。
翌日、僕はダンジョンに向かっていると背後から神様が何故かついてきている。
「…(アイズの事を嗅ぎ回ろうとしているんだな)」
内心そう考えながら神様を撒いてダンジョンに向かっている途中、
「ベル!!」
「アイズ、こんな所でどうしたの?」
「ベルを待ってたの…」
「(可愛い)」
そう考えていると目の前に不機嫌そうな女神、おそらくロキ様であっているだろう。
そして、もう一人がなにやら考え事をしている
「おんどれがベル何某やな、ウチの可愛いアイズたんに手ェ出そうとしとんねん!!」
「昨日、最初にモンスターと間違えて僕に斬りかかってきたのはアイズですけどね」
「「え?」」
「ベル、しーーーっ⁉」
まさかの暴露に女神と
「ウチのアイズが申し訳ないことをした」
「まぁ、別に構いませんよ。だって、この体型なんで間違ってもしょうがないかな」
あの後、アイズは
女神の方も最初にやらかしているのがアイズの方だと知り、最初の勢いはなくなってしまった。
「それで昨日そのお詫びにダンジョンで一緒にモンスターを狩っていたんです」
「なるほど、昨日の時点で謝罪は受け入れてもらっているという事か」
「はい、なので気にしないでください」
そんな感じで話が落ち着きそうになった時に…。
「見つけたぞ、ベルく~ん!!」
今度は神様がやってきて状況が悪化するのだった。
「やいロキ、君の所のヴァレン何某が僕のベル君に色目を…」
「神様、
「はい、すみません」
「なんやドチビ、
そう言って爆笑しているロキ様だったが、目の前に自分の眷族を忘れているようだった。
「ベル・クラネル、いい方法を教えてくれたな」
「うん。ロキ、いい加減にしないと私もベルと一緒に
「ふぁっ⁉アイズたん、その事に関しては別の話やろ⁉」
衝撃の言葉にロキ様は完全に動揺していた。
「ううん、本気」
目が本気と書いてマジだった。
「後生や、堪忍や~~~~~~~っ!!」
なんか、この光景に既視感を覚える僕だった。
まぁ、そんなこんなですったもんだあったが無事に交流を認められた僕達はダンジョンへと潜ることにした。
今回は【ロキ・ファミリア】副団長で【九魔姫】の二つ名を持つ
「それでは、私もベルと呼ばせてもらってもいいか?」
「はい、構いません」
「ベルは今のLv.はいくつだ、アイズと共に中層に潜れるという事はLv.2ということか?」
「はい、そうです」
たわいもない話で盛り上がりながらも僕達は中層へと降りていくのだった。
まぁ、七歳と言った時は二人とも目を見開かせていたなぁ。
前回は
「とてつもない進行速度だぞ、これは…」
私、リヴェリア・リヨス・アールヴは目の前で起こっている戦闘とその進行速度に驚かされていた。
まず、昨日アイズが迷惑をかけてしまったベル・クラネルという冒険者がおかしい。
魔法のようで魔法ではない攻撃をいくつもの種類を操り繰り返し放ち
同じLv.の団員とも連携が嵌っていないアイズと連携が取れるとは…。
「もし、彼が今の派閥を離れることになれば誘ってみるか」
アイズも喜ぶだろうとそう考えながら進んでいくのだった。
僕達は順調に進んでいき、嘆きの大壁の手前まで来ていてとりあえずの戦果を確認する。
「魔石が大量だ」
「
僕がそう言うとアイズも満足げな顔をする。
『オオオオオオオオオオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
「今の声は…」
「階層主ゴライアス」
「そう言えば近々生まれると言っていたな」
さっき聞こえてきた雄たけびに対して疑問を口にするとアイズとリヴェリアさんが教えてくれた。
「挑戦する?」
「うん。でも、一人で挑みたい」
そう言って覗き込んでくるアイズに対して僕は肯定する。
「それは無謀だぞ、ベル。お前はLv.2に対してゴライアスはLv.4に位置するモンスターだ」
「そうじゃないと、冒険じゃない」
「⁉」
リヴェリアさんが止めようと説得してくるけど僕の心は決まっている。
「ゴライアスは僕が倒します」
そう言って僕は階層主である灰褐色の巨人・ゴライアスの前に立つのだった。
「オオオオオオオオオオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
視界に僕を収めたゴライアスは叩き潰そうと拳を振るってくる。
【ばかぢから】
力を上げて打ち下ろしてくる拳を受け止める。
「なにっ⁉」
「ベル、凄い!!」
リヴェリアさんが驚き、アイズが目を輝かせていた。
「おりゃぁあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
【ばかぢから】で受け止めた拳を振り回して体勢を崩した所で、勢いよく跳躍してゴライアスの顔の上まで飛んで落下していく。
そして、落下を利用しての…。
【メガトンパンチ】!!
僕の拳は見事ゴライアスの左頬に直撃し顎を粉砕した。
しかし、僕は攻撃の手を緩めることなく連打をかます。
【ほのおのパンチ】【れいとうパンチ】【かみなりパンチ】【グロウパンチ】!!
その怒涛の連打によってゴライアスは限界を迎え、魔石と
「ふぅ、討伐完了」
こうして、僕の初めての階層主討伐は成し遂げられた。