現役女子高生、ダンジョンマスターを謳歌してます 作:竹槍至上主義者
こんにちは、もしくはこんばんは諸君。私は現在とてつもない危機に瀕している!
「朧月が強すぎる!」
私が初めて作ったモンスター、小型無人ステルス偵察機朧月。その小柄な機体と圧倒的な速度性能、火力をもってして今現在目の前にいるグレートタイガーの体に穴を開けまくっている。
「キュイキュイ♪」
あ、こっち寄ってきた。撫でてほしいのかな?
「よしよ~し、朧月はすごいね~あんなの一人で倒しちゃったんだから」
「キュイ~~」
気持ちよさそうな声上げるなあ~。ますます撫でちゃうわ...
「でも、問題がある」
「キュイ?」
「私が戦ってない!」
私も戦いたいのだ!だけど武器がない!あのコイルガンは威力が弱いからお蔵入り!そこで思ったのだ。
「作ればいじゃん」
ということで今は朧月に96階層でモンスターを倒してもらっている。なぜかというと朧月を作るのに大量のDPを使ったからだ。そのため残量は120程しかなった...
しかし、朧月が片手間に倒したアルティメットボアをコアさんに言われた通りにDPに変換してみるとなんと1000DP入手することが出来たのだ。だから私は思ったのだ。
「強化外骨格...作ってみたい」
一回で1000DPも入手できるのだからいくら費用が高くても作れるのではないかと思う。なので私は朧月よりも複雑な強化外骨格を作ることにした。
(変換)
『1150DPを入手しました』
ん~一万ぐらい貯めたらいいかな?
『ギョオオオオ!』
なんかキモイ鳴き声聞こえてきたんだけど。あれは、うわ...蜘蛛じゃん。キモォ...
「キュイ!」
タンッ
近づいてこようとした蜘蛛のモンスターを朧月が一発で脳天を貫いて倒した。
(交換)
1200DP入手できたわ。ん~このままだと効率が悪いな...
「よし、朧月!走りながら行くよ!」
「キュイキュイ!」
朧月が返事をすると速度を上げて進みだす。
タタタタタッ
私たちは音速に近いスピードで走りながら朧月は攻撃、私はDPに変換をしている。
「うわ、凄い効率...」
やり方を変えると効率がガラッと変わった。。
「キュイ!キュィィ!」
朧月は楽しそうだな。やっぱり速度を出した方が楽しいのかな?航空機だし。ダンジョンの外に出たら人目の少ないところで飛ばせてあげるのもアリだなぁ...母親ってこんな気持ちで子供の事見てるのかな?
『ヴォアアアア...「タンッ!」』
「見的必殺ってところだね...」
(交換)
2000DP。キラーサーペントか、今までで一番DPが多い。今まではアルティメットボア1000DP、グレートタイガー、1150DP、ナクアスキュラ1200DPだ。すごい豊作だね。早く私も戦いたい。
『グオオオオオ!!』
「「っ!」」
「ドラゴンロード!?」
「キュィィィン!」
目の前に現れたのはドラゴンロード。ドラゴン系の上位に存在するモンスターだ。とてもとてもつよい。S級寄りのA級モンスターでA級ハンターが10人ぐらいでやっと倒せるぐらいである。しかし、恐らく朧月はS級かSS級の強さである。
因みにハンターやモンスター、ダンジョンには等級がある。全部E級~SSS級まである。ハンターの等級はハンターランク、モンスターの等級はモンスターランク、ダンジョンの等級はダンジョンランクである。まんまだね。私のハンターランクはD級である。
「朧月!お願い!」
もう一度言おう。朧月もとてもとてもつよい。多分S級かSS級のモンスターである。なので勝てるはずである。
タンッ
軽快な音がダンジョン内に響き渡る。
カンッ
「うぇ?」
「キュィィィン?」
超電磁砲が効いてない!?
「やばい!ブレス来るよ!」
ギィィィィィッ!
いいぞ朧月!魔力障壁つけておいてよかった!ちゃんと防御できてるね。でも私ってENコアが搭載されてるから魔力障壁《エセバリア》じゃなくてちゃんとしたENバリア張れるのかな?
「ええい!朧月!超電磁砲フルバースト!」
「キュイイイィィィン!」
タタタタタタタタタタッ
朧月は超電磁砲の残弾を全て撃ち尽くした。土煙が晴れてそこには...
『グオオオオオ!!』
「やっぱり効かないのか...」
「キュイ!」
やっぱり使うしかないのか。消耗品だからあんま使いたくないけど...
「朧月!一式徹甲誘導墳進弾発射用意!」
「キュイ!」
「発射ぁ!」
ゴオオオオッ!
私が合図すると朧月の翼の中に隠されていた一式徹甲誘導墳進弾が現れ、ドラゴンロードに向かって進んでいく。
『ヴォアアアアア...』
一式徹甲誘導墳進弾がドラゴンロードに着弾するや否や鱗を貫き、内部から爆発した。この一式徹甲誘導墳進弾は時速1700kmで対象を貫徹、そして内部で爆発して内側から対象を爆破する一度貫徹したら必殺の誘導墳進弾《ミサイル》だ。
「キュイィィ♪」
「やったー!倒した!」
倒せた!私たちあのドラゴンロードを倒したんだ!では早速DPに変換!
『7000DPを入手しました』
「7000DP!?めっちゃ入手できたんですけど!もう目標まで届いた!」
「キュイキュイン!」
あ、でも早く戻らないとだ。朧月の残弾が後一式徹甲誘導墳進弾5発しか残っていないからね。ん...?
『グオオオオオ!!』
ドラゴンロードのおかわり!?
「お、朧月!エンジンフルスロットル!逃げろぉ~!」
私たちは97階層へと続く階段へと向かって走り出した。
少女&偵察機疾走中...
「コアさんただいま!」
「キュイ!」
『おかえりなさいませ』
「早速作るよ!」
(マスターメニュー、ショップ)
「よし、メインはタングステン合金とカーボンナノファイバーにしよう。それで、武装はビームソード...は水中とかだと威力減衰しちゃうかもだし刃にレーザーを纏わせた実体剣としても使えるレーザーが刀いいかな。それを手持ち武器として二本で、トンファーとして右腕に1本作っておこう。両肩と左腕にENキャノンを搭載して、両腕に覆いかぶさるようにENシールド、そしてドクターオクトパスみたいな機械アームも四本つけておこう。オプションで色んなものも付けれるように拡張性も確保しておかないとね」
「キ、キュイ?」
「それじゃモデリング開始!」
少女モデリング中...
「できた!じゃあ加工しよう!」
(加工)
因みに技術的に作れないであろう所は3Dスキャナみたいものを作った後にスキル:解析をつけて倒したラストボスを解析した。その結果ENに関する大量の技術や情報が脳内に流れ込んできたのだ。なので...
「☆完☆成☆」
ちゃんと作ることが出来た。あ、因みにこれは私が装着する用なのでモンスター化はしない。ということでさっそく装着してみよう。
ギュィィィン!!!
「おお~ちゃんとできてる!」
まさに強化外骨格って感じだ。詳細はこういう感じだ。
名称:試製強化外骨格イクサバ
全長:180cm
駆動系:ENコア壱型 ENウィング二六型
装備:試製レーザー刀×2 試製レーザートンファー×1 試製ENシールド×1 機械アーム×4 試製EN複合キャノン×3 四式複合電探 五式音響装置
六式光学カメラ 解析ツール
パッシブスキル:軽量化≪特級≫ 筋力強化≪特級≫ 硬化≪特級≫
柔軟性強化≪特級≫ 伸縮性強化≪特級≫ 超速回復(HP・MP)≪特級≫
疾風迅雷≪特級≫
軒並みスキルは特級を付与しておいた。おかげでもうMPがすっからかんだ。
MP200/70000
「しかし!このイクサバには超速回復(HP・MP)≪特級≫が付いているのだ!」
なのでMPはどんどん回復している!
MP10000/70000
すごい回復効率...圧倒的ではないか、我が強化外骨格は。見た目はよくSFで出てくるピチピチスーツ(腰辺りからミニスカ状に変化)の胸のラインを控えめにして前後左右で4つずつのパーツに分かれたロングスカート(前は面積少な目)と、ガーターストッキング、後はヘルメットを被り、背中にストフリのスーパードラグーンが外れたバックパックの様な見た目のウィングと試製EN複合キャノン二基を背負い、そのウィングと背中の接合部から機械アームが4本、後ろ腰に試製レーザー刀が入った鞘を2つ、右腕に試製レーザートンファー、左腕に試製ENシールドと試製EN複合キャノンをそれぞれ一基ずつ搭載している見た目になっている。
ちなみにピチピチスーツやロングスカート、ガーターストッキングといっても例えであり、ゴリゴリ金属質である。なのでえちえちではないはず。正直ロングスカートのパーツの間から覗くガーターストッキングと生足と見えそうで見えないパンツがえちえちかもと思っているが...まあいいだろう。
「でも問題がある」
「キュイ?」
「コアさん、今のDP残量は?」
『10DPです』
無くなっちゃったんだよなぁ...DP...
「効率の良いDPの入手方法を考えないと。このままじゃ何かを作るたびに獲りにいかないといけなくなる」
でもどうしよう。...あっ!朧月クラスの子を量産して飛ばせばいいんだわ!
「でも量産型か。でも大体1000ぐらいで朧月は作れたからできるかな?」
あ、魔石...獲ってくるしかないよね。朧月の補給を終わらせたら行こう。
(加工)
「でもどう考えてもカスタマイズって☆5級のスキルだよね」
この世界、ハンターやモンスター、ダンジョンに加えてスキルもランクが設定されているのだ。というか組み合わせが強すぎるんだわ。「モデリングする→カスタマイズで加工する」の構図がシナジーありすぎたんだ。
「朧月?給弾ベルトつけるよ~!」
「キュイ!」
ご飯ですか!?と言わんばかりにくるくる飛び回っていた朧月は私の方に寄ってきた。かわいいなやっぱり。
ガラガラガラガラ...
それなりの音を立てて弾が朧月に補給されていく。今度は魔石を入手するために解体しないといけないからな...めんどくさい。
「じゃあいこっか!」
「キュイ!」
ヘルメット越しに赤みがかった視界で朧月が機首を少し下げて頷いているのが見える。いつのまにそんな器用なことできるようになったの?
「あ、ワープ使ってないな...使ってみよう」
「コアさん。ワープって複数でもできるっけ?」
『ワープをする際に黒霧が発生するのでその範囲内にいれば可能です』
「タイムラグは?」
『使用者自身が黒霧を出しておく時間を決めることが出来るのでタイムラグは自由に決めることが出来ます』
やっぱり私のスキルダンジョンマスターになってからめっちゃ強くなってるよね...しかもこれユニークだし。
「ワープは具体的なイメージがないとできない感じ?」
『いえ、あなたの頭の中で地図を作成すればそこにピンポイントでワープすることが出来ます。その他にも視界の先に短距離ワープや、一度行ったことがあるところなら行うことが出来ます。』
へぇ、でもよくよく考えれば今の私はAIみたいな存在だからそういうことできるのか。じゃあ電脳世界的な感じなのも作れるのかも。帰ってきたら確かめよう。
「早速やってみよう。朧月、おいで~」
「キュイ!」
(ワープ)
その瞬間私の周囲に黒い霧が立ち込めて、晴れるとそこは97階層へ続く階段の入口だった。
「ちゃんとできたっぽいね」
「キュイ!」
朧月がさっそく先導しようとする。
「待って。今回は私が戦ってみるから危なくなったら助太刀してほしい。OK?」
「キュィィン!」
「じゃあまずは敵の位置を探ろう」
反応はここからまっすぐ15m先に1、右前に2、左前に3だ。
「まずは右前の奴から倒そう」
私は倒す順番を決めるとENウィングのブースターを吹かせて飛ぶ。疾風迅雷≪特級≫を付けているので私の素の俊敏と合わさって恐らく朧月の速さも抜いていると思う。
「まずは慣らしで近接攻撃!」
ドゴォン!
私は飛んでいる勢いのままそこにいたモンスターに飛び蹴りをお見舞いした。顔面がぐっちゃぐちゃになっているが、どうやらアルティメットボアだったらしい。
「っ!来た!」
少し離れたところにいたのはナクアスキュラだった。どうやら動きが今は単調なので両肩の試製EN複合キャノンで狙ってみる。
「当たれ!」
ガコンッ
「ギョォォo...『ギュゥン』」
威力高いし殺意高いなこれ。当たったナクアスキュラは頭を狙ったが、一部がはじけ飛んでいた。
「これもしかして私とんでもなく強くなった?」
最高速の三分の一程の速度で突っ込んだとはいえ顔面がぐっちゃぐちゃになったアルティメットボア、キャノンを当てただけで頭の一部がはじけ飛んだナクアスキュラ。
「おかしいな、こいつら2、3日ぐらい前までは格上だったはずなんだけどな...猟師と獲物みたいになってる」
「キュイ...?」
どうやら朧月が追いついたようだ。なんだろう、若干引かれてる様な気がするんだけど。
「あ~、えっと。武装の威力が高すぎてオーバーキルしちゃっただけで決して惨殺が趣味なわけじゃないからね?ご主人様を感じ違いしないでね?」
「キュ、キュイ...」
なんでそんなに怯えるんだよ...。気持ちを切り替えて魔石を回収しよう。
キィィン!
鞘からレーザー刀を取り出して解体していく。わざわざ刀の形にしたのは私の好みである。ちなみに強化外骨格やEN兵器の光などはすべて赤色である。ベースは黒。黒に赤い光はダーク感があって趣深いのだ。
「切れ味もめっちゃ良いな。これ買うとしたらいくらするんだろう。普通にエクスカリバーと同等な気がするんだけど...ん?新しい熱源反応?」
私が解体作業をしていると新たな熱源反応が複合電探に引っかかった。
それと同時に...
『誰か助けてください!誰か、誰かいませn『グオオオオオ!!』』
「っ!朧月、助けに行くよ!」
「キュイッ!」
声は私たちのいる場所から北西、つまりこの階層のど真ん中から聞こえた。一番危険なエリアだ。早く助けに行かなければ。
「いい?朧月は対象を保護しておいて。私が敵を片付けるから」
「キュイキュイン!」
そろそろ見えてきた!あれはドラゴンロードだ!それに襲われているのは一人!?やばい踏みつぶされそうじゃん!
「間に合え!」
キンッ
『グオオオッ!?』
ギリギリ間に合った!後は押し返して一旦形勢を立て直す!
・すまん!A級だが間に合いそうにない!
・やばいよ!おとめちゃん逃げて!
・ああ、俺らがあの時魔晶石を触るのを止めてたら...
・↑そんなのどうでもいいからおとめちゃんを助ける方法を考えるんだよ!
「てりゃああああ!!!」
・!?
・助けが来た!助けが来たぞ!
・やった!ナイスだ知らん人!
・まだ気を抜くな!助かったわけじゃない!
「朧月!その人保護して後方で待機!」
「キュイ!」
・うおっ!なんだこいつ!
・戦闘機?
・朧月って名前なのか
・おとめちゃんを助けてくれぇ!
向こうはもう朧月がいるから大丈夫。ならこっちももう終わらせる!
ドゴォッ
私はブースターを吹かして上昇し、ドラゴンロードの顔を殴って態勢を崩し、隙をつくった後にEN複合キャノン発射を発射した。
ギュゥンッ
『ゴォォォ!』
「まだ死なないのか!」
EN複合キャノンが直撃しても抉れるだけで致命傷にはならなかったので、両腰の鞘からレーザー刀を抜刀して構える。そのときだけ、周りの音も何も聞こえなくなった。
「斬!」
スパッ
ドラゴンロードは右前脚を出して私を止めようとしたが、その右前脚ごと、とても響きが良く、爽快感が溢れる音を立てて、私は神速のごとき速さで切り落とした。
「よし、近接戦の腕も訛ってなかったぽいな...それよりも声の主だ!だいじょお...ぶ?」
・すげぇ!ドラゴンロードを一人で倒したぞ!
・しかもきれいに頭を切り落としやがった!?
・何者だこの人!?
・しかもなんか装備がSFチックだぞ!
・そもそもドラゴンロード一人で倒せるのに何で今まで知られてなかったんだ!?
・この人S級レベルの強さじゃん!
しまった...。どうやらダンジョン配信者《ライバー》だったらしい。ダンジョン配信者とは近年流行しているダンジョン内で配信を行う者たちの事である。世界中で行われており、立派なエンターテインメントとして今最もホットな配信形態である。主にモンスターと戦う姿をMytubeで配信することで行われており、撮影は専用のドローンで行われている。そのドローンはコメントの読み上げ機能も付いており、目の前にも無機質な機械音声で言葉を発するドローンらしき物体があることから、ダンジョン配信者で確定だ。
(どうしよう)
今の私はあまり世間に知られたくないのだ。今の私はS級ハンターにも相当する力を保有していて、それがどこにも所属をしていないソロだと判明した場合、しつこく勧誘を受けるだろうからだ。それに、ダンジョンマスターになったことが明るみに出れば、私は一生国の奴隷になるか、処刑されるだろう。そのため、私はここで自分の情報を可能な限り漏らしてはいけない。でもここに置いていくわけにはいかないし...
そうだ!
「あ、あの~。その、えっと...」
『礼はいい。ハンターとして当たり前のことをしただけだ。』
・ん?ヘルメットに文字が表示されてる?
・まさか喋れないとかじゃないよな?
・いや、喋りたくないんじゃないか?
・これだけの力が明るみに出ていなかったということは何か事情があるんだよきっと
(ナイスリスナー!いいぞ!その調子だ!)
「えっと...私、スターライブっていう会社に所属してる星月 おとめです!ダンジョン配信者《ライバー》やってます!」
『そうか。ところで、なぜここに?』
私は再びヘルメットのディスプレイに文字を表示する。後それとさりげなく朧月をこちらに引き寄せた。
「えっと、31階層に潜ってたんですけど。他とは違う色の魔晶石を見つけて、それに触ったらいつの間にかここに...」
この子も私と同じパターンだったんだ...
『あ~...あれか。』
・知ってるのか!?
・まさかこの人もあれに引っかかって一人で戦ってたんじゃないのか?
・だとしたらマジでおとめちゃん幸運だな
「知ってるんですか?」
『私もあれに引っかかってここに飛ばされてきたんだ。元々はパーティーメンバーと一緒だったんだが、奴らは私を囮にして逃げて行ったよ。』
・囮?
・この人パーティーメンバーに裏切られたってこと?
・え、犯罪やん
・これはねぇ、さすがに世間は許してくれやぁせんよ
・真面目に裏切りはヤバい。この人も苦労しとったんやな
「そんな...!ひどいですよ!囮なんて!」
『確かにひどいがここで嘆いていても何も変わりはしないし、地上に戻れるわけではない。君は地上に戻りたいか?』
「え、あ、はい。私は地上に戻りたいです。」
・ん?どういう意図の質問だ?
・文面が凄い悲壮感漂ってる
・まさかこの人地上に戻れるのか?
『なら連れて行ってあげよう。私の手を握って。』
「手を?なぜですか?」
『今から使うスキルは人間に対して使うのは初めてだからこの手で守れるように、だ』
・人間に対し使うのが初めてのスキル?
・なんだ?転移か?
・なんか不穏な空気が流れてきたな
ギュッ
「これでいいですか?」
『ああ、しっかり握ってなさい』
(ワープ)
・なんだこの黒い霧!?
・まさかおとめちゃんに何かしようってんじゃないだろうな!
・凄い真っ暗なんだけど!
・ダメだ!何が起こってるのか全然わからん!
・霧が晴れてきたぞ!
「何をする気で...あれ?一階層?」
『ついたぞ。お望み通りだ。それよりあそこにいるスーツを着た女性に話した方がいいんじゃないか?』
「え、社長!?それにダンジョン協会の人達もいる!」
「...おとめ?おとめなの?」
「しゃちょー!ちょー怖かったですよ!魔晶石に触れたら急に目の前にドラゴンロードが現れるし!」
どうやらあの女性は社長らしい。多分スターライブの社長だよね。ちなみにスターライブとは大手Vtuber会社である。最近は拡張現実の技術も上がってきたことから、Vtuber用の3Dモデルを用いてダンジョン配信へと漕ぎ出した。私が考え事をしていると、そのスターライブの社長さんが私の方に来た。
「うちのおとめを助けていただき、本当にありがとうございました!」
綺麗な90°の礼である。社会に慣れてる感がすごい。私は基本あのグループのメンバー意外とは話さなかった陰キャオタクなので凄いオーラを纏っているように見える。
『ハンターとして当たり前のことをしたまでです。気にしないでください。』
「素敵なお考えですね。おとめもその考えに救われました。ついてきてください、お礼をしますので」
社長さんに連れて行かれそうになる。だが私はなるべく地上にはいたくない。絶対に。いたとしてもやることがないし、友達もいないし、誰かに狙われるかもしれないからだ。
『いえ、そちらは遠慮させていただきます』
「いいえ、ここは譲れません。絶対に来てもらいま───」
『ではこれで失礼します』
「あ!ちょっとm...」
(ワープ)
「よしおっけい戻ってきた!」
『おかえりなさいませ、マスター』
「ただいまコアちゃん!」
「キュイキュイ!」
こうして私は社長から逃げて第97階層のボス部屋に逃げてきた。
だがこの時の私は知らなかった。あの社長がどれだけ執着心が強いのかを...