少しずつですが、硬く、速くなって行きます。
これから作るのは、現状魔鉱石単体よりも耐久性に優れ、ついでに言えば量産可能な合金の候補である。
必要素材は魔鉱石、鉄鉱石を加工した鉄、そして石炭。どれも「既知者」の魔力感知の応用ですぐに見つけ出せるため、幾らでも試作可能だ。
早速実験に移ろうと思う。
魔鉱石10%に鉄90%のライト合金
魔鉱石20%に鉄80%のシナモン合金
魔鉱石30%に鉄70%のミディアム合金
魔鉱石40%に鉄60%のハイ合金
魔鉱石と鉄が50%ずつのシティ合金
鉄40%に魔鉱石60%のフルシティ合金
鉄30%に魔鉱石70%のフレンチ合金
鉄20%に魔鉱石80%のイタリアン合金
鉄10%に魔鉱石90%のビター合金
そして魔鉱石を加工して作った魔鋼
取り敢えず魔鉱石と鉄のみで作れる物のみを作ってみた。
それぞれ製作法も簡単で、魔鉱石と鉄の合金はそれぞれの割合を10%づつ変えて混ぜるのみ。
魔鋼はただ高い温度で熱し、不純物を取り除けば良いだけである。
作ってみて分かったがどうやら、鉄が多ければ硬く丈夫な合金が、逆に魔鉱石が多ければ柔らかく滑らかな合金ができるようだ。
また、それぞれが50%ずつのシティ合金は丈夫で滑らかなまるで両方のいいとこ取りのような合金に。
魔鉱石を加工した魔鋼は、これ自体にスキルを与えることができるぐらい魔素との馴染みやすさが段違いに高くなった。
それぞれの性能を比べてみたが、この中からなら選ぶならシティ合金か魔鋼だろう。どちらも使ってみると言うのも面白そうだ。
この調子で石炭も使った合金も作っていこう。
魔鉱石60%に鉄と石炭20%ずつのミイロ合金
鉄60%に魔鉱石と石炭20%ずつのモルフォ合金
石炭60%に魔鉱石と鉄20%ずつのトリバネ合金
これが魔鉱石、鉄、石炭で作ることのできる3つの合金である。
ミイロ合金は鉄よりも重いが、シティ合金よりも丈夫である。「既知者」による演算解析によればシティ合金の1.25倍の耐久性だそうだ。
モルフォ合金はシティ合金と同等の丈夫さを持ち、尚且つ魔鋼と同レベルの魔素との馴染みやすさだった。
トリバネ合金もまたシティ合金と同等の丈夫さを持ち、それでいて、拳大の大きさには小石程の重さしか無い。
それぞれが高いポテンシャルを持っており、叶う事ならこれらを全て使ってザクⅡを改修したいものである。
しかしこれらの合金には、製作が困難であると言うデメリットが存在するのである。
ミイロ合金は加熱しすぎると魔鉱石が鉄と石炭の合金から分離してしまう。
モルフォ合金は溶かし混ぜる際に生物の腐った死体などを大量に入れなければならない。
トリバネ合金は溶けた金属を24時間混ぜ続けなければ即座に引火してしまうのだ。
これでは量産が難しく、とても容易に使う事はできない。
まさに「桜の下には死体が埋まっている」を体現したような合金達である。実際、モルフォ合金は死体を使っている。
取り敢えず、これからは主に使用する事になるのはシティ合金と魔鋼であろう。
ミイロ合金達は製作設備が整うまで、一旦封印である。
これにて「実験」が1つ終了した訳だが、この成果を即座に活かさず腐らせておくのは勿体無い。
と、言う訳でこれらの合金でザクⅡの改修をしていこうと思う。
取り敢えず今回の改修は、シティ合金を使った装甲の取り付けと細かい所の改修であろう。
事前に製作しておいたシティ合金プレートを熱し、成形する。
「高速者」により作業速度を3倍化、「既知者」の演算解析で歪みや凸凹を抑え、手際よく作業していく。
こうやって製作作業をしていると、自分がこの世界に来た時よりも成長している事を如実に感じる。
成長を実感している内に、慣れた作業である成形はすぐに終わってしまった。
作業の成果を実感しつつも、装甲を剥がされたフレーム状態のザクに向き合う。
今回フレームには、脚部に左右4つずつのバーニアの増設、それとランドセルにある背部スラスターの可動域の確保である。
「製作者」を使用して、プレートの加工を始める。
魔力を伝える導線をコックピット付近から引っ張り、バーニアやスラスターと接続する。
スラスターの角度調節用の機構もしっかりと組み込み、バーニアやスラスターもシティ合金のものに変えておく。
これでフレームの改修も完了したと見て良いだろう。
新しく製作した装甲を即座に装備させて行く。
「よし。「ザクⅡ S型」完成だ!」
増設されたバーニアと角度調節可能となったスラスター。更に今ではジェネレーターである僕の魔素量も増加している。
そしてスラスターとバーニアはこれまでより丈夫になっている。
これで僕は、これまでよりももっと速く動くことが出来る。
ステータス
前橋 英作
種族:ゴーレムコア
搭乗機体:ザクⅡ S型
所持スキル
ユニークスキル「製作者」 ユニークスキル「放熱者」
効果:制作補助 効果:熱変換
スキル獲得補助 魔素変換
解析鑑定 熱操作
ユニークスキル「高速者」 ユニークスキル「既知者」
効果:身体能力三倍化 効果:演算解析
攻撃予測 魔力感知
超速再生 告知
エクストラスキル「採掘」
効果:物体粉砕
魔鉱石と鉄の合金の名前はコーヒー豆の焙煎度と英語のビターから。
全部混ぜ合金の名前は世界三大美蝶からです。
それはそうとして、魔鋼は合金にカウントしてますがいいのでしょうか?