改善点などあれば教えてください。
「ハロへの生まれ変わり。いや、転生か?」
僕は現在進行形で起こっている事態に驚きを隠せない。
というか洞窟内には人は居ないようだし隠す必要もない。
「そんな小説みたいなこと…あり得るか?」
小説は有名なものは多少読んではいたが、如何せんそんな非現実的なことがあり得るとは考えられない。
しかし…
「いや、実際僕の体はハロそのものだし…」
水面に映る自らの体を隅々まで見回すが、非現実的な事が現実になっているのは自分を見れば一目瞭然だ。
(とりあえず落ち着こう。さっきみたいに歩いてれば考えがまとまるだろう。)
そう考え、池に向かっていた体を回れ右して再び歩き出す。
(こんなことがおこっているんだ、もしここが僕の知ってる普通の世界じゃなかったとしたら、やはりドラゴンやスライムとか不思議な力を持った生物がいるかも…)
今のところ洞窟内では目立った物や生き物は見つかっていないが、やはりそういう可能性もあるのだ。
(もし危険な生物と出会いでもしたら…)
背筋がゾクリとなるのを感じるが、ここである考えが思い浮かぶ。
(もしここが普通の世界じゃないのだとしたら、僕にも何かスキルだったり能力だったりがあるんじゃないか?)
そんな事を考え歩いていると、先ほどまでとはめっきり印象の違う場所に出た。
広さや高さはほとんど変わらない。強いて言うなら先ほどまでの場所より少し広いかもしれない。
しかしそんなことは些事でしかない。
「すっごぉ…」
洞窟の壁一面が薄っすら光を放つ水色の結晶で包まれ、イルミネーションを見ているかのようだ。
(この結晶…水晶か?でも水晶は光らないはずだが…)
少し考えてみるが結晶については全く分からない。
しかし、この壁一面の結晶を見て疑問が確信に近づいた。
(やはり僕は、僕らの世界とは違う、いわゆる異世界に来てしまったんじゃないだろうか。)
とんでもないことを考えてしまい思考が止まってしまうが、すぐに思考を再開させる。
(とりあえず家だ、どこでもいいから安全地帯を見つけなきゃ。)
周りを見渡すと、左の壁に少し窪んだ場所を発見したため、すぐに近づいて調べてみる。
(体は半分ほど収めることはできるけど、もう少し深さが欲しい。他によさそうな場所もないし、キツそうだが掘って広げよう。)
そう考えるや否や、すぐさま掘り始める。
しかし洞窟の壁は硬く、体感時間にして1分が過ぎ、10分が過ぎ、1時間を過ぎようとも、削れたのは小さい砂山一つ分だった。
「あれだけ必死に頑張ってこれだけかよ…分かってはいたが、それにしてもキツすぎるだろ。」
壁に向かって悪態をつきながらも作業を続け、体感時間では3時間を過ぎた。
掘り始める頃と比べると窪みは掘り進められ、体の2/3が入る穴となった。
しかし3時間掛けてこれでは全身の入る穴などほど遠い。
この事実に、今まで全力で作業し続けていた僕の心は折れてしまった。
ハロである今の肉体にはどうやら疲労が無いらしい。
しかし肉体的疲労が無くとも閉所での一人での長時間作業は精神的疲労が大きい。
「こんな壁簡単に掘れるスキルとか道具とか無いかな…」
思わず口に出さずには居られない。
この独り言に返事が来るとも知らずに。
《確認しました、エクストラスキル「採掘」を体内魔素の80%を消費し獲得…成功しました。》
「うわっ!?」
思わぬ返事に驚きの声が飛び出る。
今謎の声は何と言った?エクストラスキル「採掘」を獲得?魔素?
良く分からない言葉の羅列だがこれらから考えられるのは…
(やはりこの世界は本当に異世界なのか。)
一気に現実感が増すが、すぐに冷静になりもう一つの事を考える。
(そしてスキル「採掘」、名前からして掘るためのスキルなんだろう。希望が見えてきたぞ!)
希望を胸に抱いた僕は一気に穴の中でスキルを使う。
その瞬間スキルは、僕の掘っていた穴の壁は粉々にしてしまった。
これまでの時間が馬鹿らしくなる一瞬の出来事に目が丸くなる。
その瞬間、強烈な眠気が襲ってくる。
(なんだ?急に眠気が襲って…
ステータス
前橋 英作
種族:ハロ?
所持スキル
ユニークスキル「製作者」
効果:不明
エクストラスキル「採掘」
効果:物体粉砕