転生したらハロだった件   作:デンドロビューム

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前回から死ぬほど間が空いてしまい申し訳ございません!
今後もこんな事があるかと思いますが許してください。

今回タイトルふざけてますね。シズさんが死ぬわけ・・・


おやすみシズさん

シズさんからイフリートを喰って一週間程経ったが、彼女はいまだに目を覚まさない。

寝ている間に解析鑑定、演算解析の二つを試したが、原因はハッキリとはしなかった。

 

「ボルド、交代だ。」

「分かった。ありがとう。」

 

あれから僕とリムルは交代でシズさんの面倒を見ている。

シズさんはこの世界で久しぶりに出会うことのできた同郷の人だ。

だからこそ、よほど多忙でない今は自分達で彼女を見ているのだ。

 

「スライムさん・・・ゴーレムさん・・・・・・」

 

どうやらシズさんが目覚めた様だ。

 

「ありがとう。」

「うん?」

「何の事?」

 

突然シズさんは僕達に感謝をしてきた。

 

「私はまた、大切な人を殺してしまう所だった。この手で。」

「・・・だから2人とも、ありがとう・・・」

 

シズさんの声は、今にも消え入りそうで、悲しそうで、安堵している様にも聞こえる声で、これまでの事を話してくれた。

前の世界での事、この世界に召喚されたばかりの頃の事、その時の辛かった事、勇者と会って助けられた事、勇者と別れてからの事、強くなろうと思った事、英雄になった事、教え子の事。

そして、最後に彼女を召喚した男を探そうとして、僕達に出会った事。

懐かしむ様に、愛でる様に、そして少し憎む様に語ってくれた。

きっと彼女には、自分がもう幾許もない状態であるのが分かっているのだろう。

 

「ねえ、スライムさん、ゴーレムさん。名前を教えてくれないかな?」

「え?俺はリムルでこいつはボルドだって・・・」

「本当の名前は?」

 

どうやらシズさんが知りたかったのはこの世界ではなく、元の世界での名前らしい。

 

「俺は悟。三上 悟だ。」

「僕は英作。前橋 英作だよ。」

「私は静江。井沢静江。」

 

シズさん。静江さんは、覚悟を決めた様な顔で言葉を続ける。

 

「スライムさん、お願いがあるの。」

「何だ?何でも言ってくれ。」

「私を・・・食べて。」

 

どうやら静江さんはリムルに、悟に食べて欲しい様だ。

しかし何故だろう。死体を無くすなら「燃やす」でも「埋める」でも「潰す」でも変わらないだろうに。

 

「私にかけられた呪いを、喰べてくれたみたいに・・・嬉しかった・・・

 この世界が・・・嫌い。でも、憎めない・・・まるであの男の様に。だから・・・

 だから、この世界に取り込まれたく、ない。」

 

そう言う事か。だから、同郷の人に、この世界の人じゃない悟に食べて欲しかったのか。

 

「最後の、願い。私を、君の中で眠れせてくれないかな?」

「・・・いいよ。」

 

静江さんの願いを、悟は引き受ける様だ。

 

「男の名前はなんて言うんだ?」

「レオン・クロムウェル。最強の魔王の一人。」

「それで、そいつには何を聞きたかったの?」

「・・・」

 

静江さんからの返事が呟きの様に小さくなって行く。

 

「約束しよう。三上悟、いや、リムル・テンペストとその兄弟ボルド・テンペストの名において、魔王レオン・クロムウェルにあなたの思いをぶつけてやるよ!」

・・・ありがとう・・・・・・

 

静江さんのか細い声は聞こえなくなった。

 

「さようならシズさん。せめて俺の中で安らかに・・・」

 

そう言って悟は、静江さんを優しく包み込んでゆく様に飲み込んでいった。

そして静江さんが完全に飲み込まれた時、脳裏に景色が浮かんだ。

 

それは悲しいものだった。

空襲に巻き込まれ、こちらに召喚され、イフリートの器にされ。

友を殺させられ、戦わせられ、置き去りにされ。

それでも幸せはあった。

勇者に救われ、教え子ができて、危なっかしいけどとってもいい3人組に出会えて、変なスライムと変なゴーレムに出逢えて。

最後はやっぱり悲しかったけど、救いがあった。

 

これがシズさんの、静江さんの記憶だろう。

もっと幸せでも良かったろうに。もっと救われても良かったろうに。

思わずハロの状態の自分の目から涙が溢れる。

 

「おいボルド、そんなに落ち込むなって。」

「分かってるさリムル、静江さんはもう夢の中だ。それに、僕達にシリアスは似合わないからね。」

 

そう言って僕は涙を拭った。

 


 

「凄いじゃないかリムル。擬態ができるとは知っていたけど、まさか人間にまで成れるなんて。後でデータか何か送ってくれないかな?」

「ああ、それだったら、「大賢者」と「既知者」が俺達の魂の回廊で繋がってるらしいから今送っとk「リムル様、失礼します。」

 

リムルがシズさんを取り込んだ事によって手に入れた人間体を観察していると、突如としてテントの扉が開かれた。

 

「ムッ!!」

「「「えぇっ!!」」」

「リムル様!!」

「「「え?」」」

 

どうやら開けたのはリグルドとランガ、エレン、カバル、ギド、この5人の様だった。

リグルドとランガは名付けによる繋がりを得ているので分かるだろうが、他3人には分からなかった様なので教えてあげようと思う。

 

「そう、この子はリムル。決して見間違えだとか催眠術だとかそんなチャチなものじゃあ無いよ?」

「あ、ああ。そうだぞ?俺は正真正銘、リムル・テンペストだ。」

「「「エェェーーーーー!!??」」」

「リムルの旦那、こんなちっちゃくてなっちまったのか!?」

 

面白い反応だ。やはり彼らの天職はお笑い芸人だろう。

とはいえこのままでは混乱されるだけの為、僕とリムルでシズさんについての出来事を話した。

 

「そうか、シズさんはもう・・・」

 

3人の空気は暗いものに包まれている。。

 

「しかし、疑ってる訳じゃありやせんが、本当にリムルの旦那なんでやんすか?」

「間違いありません!」

「見くびるな!姿形が変わられたぐらいで、分からなくなると思うのか!!」

 

ギドの困惑の声に、リグルドとランガが肯定をする。

 

「いや、そうじゃないんだ。どうしても、ちっこいシズさんっぽいっつーか・・・」

「本当だよ。」

 

そう言ってリムルはスライムの姿へと戻る。

しかし、エレンは咎める様な悲しい様な目でリムルを見ている。

 

「シズさんを喰べたの?イフリートを喰べた時みたいに・・・」

「シズさんはそれをリムルに望んでいたんだ。だから、否定はしないよ。」

「ああ。それが唯一、俺にできる葬送だったからな。仲間のお前達に相談もなく、悪かったな。」

 

エレンの様子は落ち着きを取り戻してくれた。

 

「それが、シズさんの願いだったんなら仕方ないさ。」

「エレン、済まなかったな。」

「大丈夫。ただ、最後のお別れぐらい言いたかったな・・・」

「シズさんも、お前達と旅ができて楽しかったって言ってたよ。ちょっと危なっかしいとも言ってたけど。」

 

リムルがそう言ったのを合図の様に、3人はまたいつもの様に口喧嘩を始めてしまった。

そこにはさっきの様なしんみりした暗い空気はない。彼らにもシリアスは似合わないのだ。

 


 

シズさんの想いを聞き届けた翌日、カバル達3人は国に帰る事となった。

 

「本当に世話になったな。そろそろお暇するよ。」

「もう国に帰るのか?」

「ああ、ギルドマスターに調査結果とシズさんの事を報告しなきゃだからな。此処の事も悪い様には報告しないぜ。」

「リムルさんとボルドさんの事も伝えとくね!」

「何か困ったことがあったら頼ると良いでやんすよ。」

 

短い間だったが、彼らは僕達の事を好意的に見てくれ様だ。

報告も、きっとこちらが危険な存在だと考えるに至る様な仕方はしないだろう。

本当にいい奴らだ。

 

「旦那、最後に一つだけお願いがあるんだが・・・」

「何だ?」

 

どうやら心残りがあるらしい。もしやリムル特性の回復薬が欲しいとかだろうか?

 

「もう一度、人の姿になってもらえねえかな?」

「別に良いけど・・・?」

 

そう言ってリムルはシズさんの体、人間の姿になる。

顔は幼いシズさん、服装はシズさんの服そのまま、まだシズさんが此処にいるみたいだ。

 

「「「シズさん、ありがとうございました!!!」」」

 

と、此処で3人が一斉にシズさんの姿をしたリムルに頭を下げて、感謝を口にした。

 

「俺、あなたに心配されない様なリーダーになります!」

「貴女と冒険できた事、生涯の宝にしやす!」

「ありがとう!お姉ちゃんみたいって思ってました!」

 

カバル、ギド、エレンが順番に感謝の言葉を述べてゆく。エレンに至っては泣きながらリムルに抱き着いている。

この3人にシリアス“は”似合わないけれど、こう言う暖かい物は良く似合う。

シズさんが最後に3人と出会えて本当に良かった。

 

「ところでお前らの装備ボロボロじゃないか。」

「「「酷っ!!」」」

 

リムルの唐突な罵倒!さすがリムル、そこに痺れる憧れる!

しかし彼らの装備がボロボロなのもまた事実なので、彼らにはお土産にカイジンの装備が贈られた。

3人とも装備せず家宝にしかねない勢いで喜んでいた。

なんでも、どうやらカイジン達はドワーフ王国では大変名の知れている職人であったらしい。

 

こうして、カバル、ギド、エレン達は彼らの国へと帰って行った。

 


 

僕達の街が一望できる丘の上。リムルと共に来た今もその景色は変わらない。

そこに僕が制作した長方形の墓石が置かれている。あっちとこっちの世界の名前が刻まれただけの質素な作りだ。

とても見晴らしが良く、僕らの町が見渡せる。

亡骸はリムルが食ってしまったとはいえ、魂はまだ残っているとしたら。

それなら此処はシズさんが、静江さんが眠るにはピッタリな場所だろう。

 

「おやすみ、シズさん、静江さん。」




ステータス

ボルド・テンペスト(前橋 英作)
種族:ゴーレムコア
搭乗機体:ザクⅡ S型
所持スキル
ユニークスキル「製作者」 ユニークスキル「蓄熱者」
効果:制作補助      効果:放熱変換
   スキル獲得補助      吸熱変換
   解析鑑定         魔素変換
                熱操作

ユニークスキル「高速者」 ユニークスキル「既知者」
効果:身体能力三倍化   効果:演算解析
   攻撃予測         魔力感知
   超速再生         告知

エクストラスキル「採掘」
効果:物体粉砕

アーツ:隠密

か な し い (泣)

次回予告
   予定される宴      襲
               い
               来
人   怒りに満ちたボルド  る
間              オ
化               |
ブーム            ガ

次回:怒の季節

誤字報告よろしくお願いします。

追記:投票の期間を10/26の16時まで延長します。

ボルドの人間体は?期限は10/26の正午まで

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