ぜひお楽しみください。
厚みのある金属板を熱して、近くの岩に押し当てて成形する。成形した金属板を装甲として頭部や胸部、腕部、脚部に取り付けてゆく。
「よし!本体完成だ!!」
体感にして16日程かけて完成した初めてのMS「ザクⅡ」を目の前に僕は興奮を抑えきることができない。
残すところは武装のみだが、ここである重大な問題に気付く。
(あれ?ジェネレーターはどうするんだ?)
ジェネレーター、いわゆるザクなどのMSの稼働に必要になってくるエンジンのような物である。
しかし「製作者」の制作補助にはジェネレーターの情報は含まれていない。代わりと言っては難だが僕の作ったザクは僕が胸部のコックピットに搭乗することで完成するらしい。
(もしかして、俺がジェネレーターだ!ってことか?)
だが実際僕は魔素の熱変換にも成功してる。できないって事はなさそうだが、うまくいくって確証もない。
(一旦僕について解析鑑定で調べてみるか。)
調べてみると僕はどうやらハロではないようだ。
(僕はゴーレムコアって種族…土や岩だったりを纏ってゴーレムのような外殻を造る魔物なのか。そうなるとあのザクは僕の外殻ってことだな。)
どうやらジェネレーターの問題は僕がザクⅡに乗れば解決らしい。
(それなら早速乗ってみよう!!これから長らくお世話になる機体だ、今のうちに慣らしておいた方がいいだろうし!)
そうとなれば話は早い。僕は地面に寝かせてあるザクの胸部を開き中へと滑り込む。
(確か手足をここに入れるんだったかな?)
内部からコックピットを閉め、右上下、左上下、合計4つの穴の中へ手足を伸ばして接続する。
グポーン
起動音が響く。
次の瞬間視界は外を映し始める。立ち上がればいつもより格段に高い視点になっている。恐らくは外装と一体化したことによるものだろう。
(どれくらいのパワーがあるんだ?ちょっと試してみるか。)
魔鉱石の生えていない壁に向かって軽くパンチを放ってみる。
ドゴーン!!!
僕の放ったパンチは洞窟の壁に大きな亀裂を生んだ。
洞窟に響く大きな衝突音。
こんな大きな音が洞窟に響けばどうなるかは明白だ。
すぐさま周りを見渡し警戒する。その内池の方向から足音が聞こえてくる。この前のアーマーザウルスだった。
だがこの前の僕と今の僕は全く違う。僕にはザクがある。
すぐさま左肩のスパイクを使って低姿勢でタックルを仕掛ける。
アーマーサウルスもこちらを見て回避を試みるも、避けきることは叶わずスパイクを顔面にもろに食らう。
アーマーサウルスは壁際まで吹っ飛ばされるがそこへスラスターを吹かせて駆け寄り、マニピュレーターを握りしめ首に叩きつける。
首へと向けられたマニピュレーターによるパンチは、装甲を叩き割る。
もう一撃パンチを食らわせる。
バキッという音が響き、今まで僕の攻撃にのたうち回っていたアーマーサウルスの動きは一瞬で停止した。
ここまで大きな生き物を殺したという恐怖、これまでの脅威に打ち勝ったという安心、勝利に対する陶酔、様々な感情が滲みだすが、確かな思いが一つあった。
それは、自らの作った「ザクⅡ」の性能を見た事による、とても心地よい心を熱くする達成感。
思わず口からは言葉が溢れてくる。
「ザクⅡは伊達じゃない。」
僕の心を達成感が支配した。
ステータス
前橋 英作
種族:ゴーレムコア
所持スキル
ユニークスキル「制作者」
効果:制作補助
スキル獲得補助
解析鑑定
エクストラスキル「採掘」
効果:物体粉砕