結構時間も掛かります。
時が流れるのは早いものである。どこかの研究者だかの言い分では、人間には新しい刺激が少ないと体感時間が早くなるようだ。
「ヴェルドラさん、僕がここに来てどれくらい?」
「もう13年程だな。」
「時が経つのって早いね」
「しかし、貴様もここに来てから同じような物を作ってばかりではないか。本当にスキルを作ることができるのか?」
ヴェルドラさんの周りを囲む封印、「無限牢獄」は今も健在である。
しかしこの13年間、何の策を講じて来なかった訳ではない。
体内で「放熱者」の熱を収束させ続けて、熱線を当てたり。「採掘」の物体粉砕を試したり。ザクⅡのマニピュレーターでぶん殴ったりしてみた。
しかしどの攻撃も「無限牢獄」に有効打どころか傷ひとつつけることは出来なかった。
その結果僕は、方向性を変える事にした。
「きっと大丈夫だよ。このコンピューターが作り終わったら、きっと解析鑑定スキルを作れるはずだよ。」
そう、僕は解析鑑定スキルの制作に方針を変えた。
このスキル制作のプランは、解析鑑定スキルの取得をして、それによって導き出された方法で「無限牢獄」を破るという物である。
そしてそのために必要なのが解析鑑定スキルの素材、コンピューター。
解析鑑定スキルの制作の材料に必要なのは5000個と言うとんでもない数である。
更に、コンピューターは超精密な機器である。故に1個制作するのに掛かるのは3日、これまでに制作出来たのは1573個である。
ここまで途方もないと心が折れそうである。
「ヴェルドラさん、最後の一個終わったよ!」
ヴェルドラさんに経過時間を聞いてから大体3年が経った。
この間に僕には大きな進展があった。
長い間素早い作業を求められたことによるエクストラスキル「超速度」の獲得。
効果は思考や運動の速度の2倍化と言うシンプルかつ汎用的な物だった。
更に、このスキルを材料に体内魔素の75%を消費してユニークスキル「
効果は「超速度」と似たような物で、思考や運動を通常の3倍のスピードにすると言う身体能力三倍化、それと攻撃予測、超速再生の3つであった。
これの獲得により作業の速度も3倍になり、僕自らの技術の成長というものもあり、コンピューターの必要数は今この時をもって達成とされたのだ。
「本当か!?ならこれでこの狭っ苦しい封印ともおさらばだな!」
「気が早いよヴェルドラさん。まだこれは材料で、本番はここからなんだ。」
すぐに「製作者」を使い必要な魔素量を確認する。
(95%か。でも確か僕みたいな魔物は0%にならなければ良いらしいから大丈夫でしょ。)
(制作開始!)
《確認しました。ユニークスキル『
次の瞬間目が閉じた。
「あれ?今回は眠気が来るのがいつもより早かったな」
どうやら80%を下回っても何事も無かったようだ。
そう思うと共に横からどデカい声が聞こえる。
「やっと起きたか!生きて居るのは分かっていたが、急に眠り出して2日も起きないのだから心配したのだぞ!」
「ごめんヴェルドラさん。一言掛けとくべきだったね。」
「まったく心配させおって・・・」
少し暗い雰囲気になってしまったので別の話題で明るくしよう。
「それよりヴェルドラさん!新しく出来たスキルの効果、知りたくない?」
取り敢えず今一番鮮度のある制作したスキルの話に持っていく。
「そうだ忘れておった。一体どんなスキルなのだ?」
「ちょっと待ってね、今調べるよ」
少なくとも、新しいスキルには解析鑑定と類似した効果があると分かっているのでそれを使って調べる。
「あれ?ユニークスキルなのに意外と効果が少ないね。」
「早く教えろ!そのスキルの効果とやらを!」
「うん。ユニークスキル「
思っていたよりも効果は少ないが求めていたスキルは手に入った。
「これでヴェルドラさんの「無限牢獄」の解析が始められる。」
ステータス
前橋 英作
種族:ゴーレムコア
所持スキル
ユニークスキル「製作者」
効果:制作補助
スキル獲得補助
解析鑑定
ユニークスキル「放熱者」
効果:熱変換
魔素変換
熱操作
ユニークスキル「高速者」
効果:身体能力三倍化
攻撃予測
超速再生
ユニークスキル「電脳者」
効果:演算解析
エクストラスキル「採掘」
効果:物体粉砕