どうぞお楽しみください。
「電脳者」の効果、演算解析はこれまたユニークスキルと呼ぶに相応しい物だった。
これまでに「製作者」の解析鑑定ですら90年以上は掛かると目されていた「無限牢獄」の解析を6ヶ月程で終えたと言えば伝わりやすいだろうか。
兎も角、「無限牢獄」を解析した僕とヴェルドラさんに降りかかったのは更なる難題であった。
「どうやら、ヴェルドラさんを封印した勇者と同格のユニークスキル、もしくは勇者以上はの魔素量を持ってないと解除を開始できないみたい。」
「どうやら何とも面倒くさい封印のようだな」
勇者と同じくらいの魔素かユニークスキル。
どれほどの物かは分からないけれど、ヴェルドラさんを封印できる程の強さも、それを凌ぐ程のユニークスキルも今の僕には無い。
ならばその強さに至る為に努力するのみである。
「取り敢えず、封印を解除するにはこの洞窟の魔物より強くなきゃだよね。今後の目標は洞窟中の魔物を危なげなく倒せる様になる事かな。」
「うむ、そうだな。貴様の実力なら殺されるなんて事は無いだろうが、十分に気をつけるのだぞ?」
「了解。じゃあ早速行ってきます!」
ヴェルドラさんは意外と心配性なのである。
早速僕は洞窟の奥へと進んで行く。
そこまで広く無い空間、岩で敷き詰められた壁面。
静かな洞窟の中を進み続けるとソイツは居た。
一眼見て分かる強さだった。
まず大きい。昔倒したアーマーサウルスに全身で巻きついても余りある胴体の長さと、とても太い胴体。加えて鱗は黒の中に怪しげな赤が混じっている。
次にスキル。固有スキル「熱源探知」「毒霧吐息」と共にユニークスキル「
この様な大きさは長い年月、それこそ100年程生きなければ手に入れられない。
鱗の色も何万もの生物の返り血を浴びなければ生まれない。
ユニークスキルはそれ相応の強さを持つ存在でなければ2つも持っている訳がない。
まさしくこの洞窟の主人とも言える大蛇だった。
即座に体が警戒体制を取る。
どうやら相手もこちらを狩られることを恐れ逃げる餌ではなく、危険性を持った敵として認識した様だ。
先に動き出したのはこちらだった。
スラスター最大稼働。「高速者」による効果で時速210kmの速さを帯びたまま、大蛇の首へ赤く熱いヒートホークを叩きつける。
しかしこのまま終わるはずが無かった。
大蛇は身を逸らし、本来なら首を断っていたヒートホークは宙を切る。そのまま大蛇はヒートホークへ噛みつく。
噛み付いた大蛇を全力で振り放すが、時すでに遅し。
ヒートホークはまるで経年劣化の様にボロリボロリと崩れていく。恐らく「汚染者」の効果だろう。
接近戦は不利と見て後ろに下がろうとするが、加速にはやはり時間がいる。そしてその時間は隙となる。
そこを突いて大蛇は尻尾による薙ぎ払いを仕掛ける。
即座に「放熱者」による熱線で尻尾を切断するが尻尾は再生する。「不屈者」の効果だ。
そのまま後ろに下がる。今度は大蛇は攻撃をして来ない。
しばらくお互いに様子見の時間が流れる。
沈黙が続く。
お互いに考えを巡らせ張り詰めた思考の中、如何に勝つかを考える。
静寂を突き抜けて、再びこちらが先に仕掛ける。
スラスター最大稼働。「高速者」を使用した時速210km速さを帯びた単なる突進。しかし先程と少し違う。
大蛇には分かった。色で、肌で、「熱源探知」で。
しかしもう遅い。
「放熱者」によって赤熱化した、ザクのスパイクアーマーが大蛇の顔に刺さった。
大蛇が最後に見たのは、刃の様なツノを持った赤熱化したゴーレムであった。
命を懸けた戦い。やはりこんな物にはいつまで経っても慣れる事は無いし、慣れるのはあまり良くないのだろう。心にも体にも疲労がある。
しかし、僕もやはり人間である前に生き物だ。生きながらえたことによる安心感。
そしてそれらを何としても覆い尽くそうとする充足感と達成感。
それらを心に刻みつつ、「放熱者」の魔素変換で大蛇の亡骸を体の中に取り込む。
「南無阿弥陀仏」
供養も忘れてはいけない。
体を新しく取り込んだ魔素が駆け回るのを感じつつ、奥へと進む。
ステータス
前橋 英作
種族:ゴーレムコア
所持スキル
ユニークスキル「製作者」 ユニークスキル「放熱者」
効果:制作補助 効果:熱変換
スキル獲得補助 魔素変換
解析鑑定 熱操作
ユニークスキル「高速者」 ユニークスキル「電脳者」
効果:身体能力三倍化 効果:演算解析
攻撃予測
超速再生
エクストラスキル「採掘」
効果:物体粉砕
ステータスの記載方法を変えてみました。
見辛くなければ幸いです。