転生したら黒歴史なゴジラ映画だった件について   作:アイアイホイホイおさるさん

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異世界転生描く時は自分の中の倫理観というか、特撮やロボットアニメを見て構築されてきた「転生者のやってる事は侵略者じゃないか!ベリアルやヤプールと何が違うんだ!」って言ってくる特撮好きの自分を黙らせるためにIQ落としてチンポで書けばいいという攻略法を見つけました
ので、今回からIQ落としていきますので皆様できるだけついてきてくださいね


第3話

 初勝利から暫く。エヴァンゲリオンの正式なパイロットとなったタクオは引っ越して、淡路島のNIGODの敷地内に住む事になった。

 その間、様々な事柄が動いた。以前よりあった日本国内での対ゴジラ兵器開発競争の勝者は雁夜の進めていた物となり、以降日本の対ゴジラ兵器開発は雁夜が主体の計画=メカゴジラ開発計画を中心にして進む事となった。

 それに合わせ世界中で対ゴジラ兵器の開発競争が激化。この一連の兵器開発競争は後の時代に「プロジェクトメカゴジラ」と呼ばれる事となる。

 そして、そのプロパガンダとしてタクオがエヴァンゲリオンに乗り、怪獣を倒す。という事だ。そんな子供を政治に利用するというロボットアニメでは悪役のやる所業にタクオは巻き込まれたワケだが、そんなタクオが引っ越し先のマンションにて、荷物の整理を進めていた時の事である。

 

「………へっ?僕に婚約者?」

 

 LINEで伝える内容じゃないだろうというツッコミが浮かんだが、それ以上に衝撃であった。

 タクオには婚約者がいたと、雁夜から今知らされた。LINEで。前世で彼女なしだったし、今回もやり方は分からないにしても世界を修正するという使命があったし、そんな余裕はないと思われた。が、将来伴侶になってくれる女性は居たようだ。

 

「婚約者って………まああのオヤジらしいけどな、恋愛結婚とな無理そうだし。でも誰が………」

 

 尤もそれは婚約者という、今も昔も、創作物の恋愛要素としては男性向け女性向けの両方からやや否定気味に見られており、登場した時点で破棄破綻のフラグが立っているものであるが。

 それはそれとして、一番の問題は相手である。《聖戦》本編の主人公サイドにいるような、もっというと主人公=遺伝子上の母親のような自立した強い女性(ヒステリック)だったら嫌だなと思いながらタクオは、メールに添付された画像を開いた。

 

 

 ***

 

 

 ………さて、《聖戦》において問題になった物の一つとして「ゴジラS.P(シンギュラポイント)」のキャラクターの内一人をパロディしたキャラクターを下衆な悪役として本編に出した事が挙げられる。

 そも《聖戦》は作り手が嫌いなものを貶める為のパロディがてんこ盛りの作品であり、そう言った意味ではクロスオーバー作品と言えるかも知れない。無許可の。

 

「さて息子よ!紹介しよう、この人がお前の婚約者の………」

 

 そしてこれは本作をクロスオーバー物として見た時の、タクオのオタク的観点からの勝手な予想である。件のキャラクターがいるという事は、それに関係したあのキャラやこのキャラも、もしかしたらあのキャラも………と、芋づる式に「もしかして?」と浮かんでくる。

 して、タクオが雁夜に連れてこられた高級料亭にて、対面する席に座っていたのは。

 

鹿子雪江(かのこ・ゆきえ)さんだ!」

「はじめまして、タクオくん」

「あ………どもです」

 

 ゴジラS.Pに登場した官僚の一族の出身であるサラブレッド。泣きボクロとムチムチの太ももが魅力の大人のお姉様・鹿子行江女史………のパロディキャラクター(そっくりさん)である。

 

「(やべえよ!モノホンの鹿子さんだよ!いやそっくりさんだけど!どうしよう!俺あの人めっちゃ好きなんだけど!いや色気すごっ!やばっ!こんなんもうエッチじゃん!存在がエッチなお姉さんの擬人化じゃなん!なんでエロ絵が少ないんだこの野郎!!)」

 

 そして何を隠そうS.Pにおけるタクオの推しであった。タクオはこういうタイプの大人のお姉様にめっぽう弱いのだ。専門用語で言う所のマザコンなのだ。

 そんなゴジラ界サキュバス四天王と勝手に決めている鹿子さん、もとい雪江と婚約者と言われたら、タクオは幸せすぎて怖いまでもあった。

 

「だがすまないな息子よ!ホントはもっとピチピチのギャルが良かっただろうが、よりによってこんなオバン………」

 「てめえは余計な事しか言わねえなクソジジイ!!!!!!」

「あぎゃあああ〜〜〜っ!!」

 

 ので、そんな憧れの雪江お姉さんに《聖戦》のキャラらしい失礼の極みのような事を口走った雁夜にコブラツイストを決めるぐらいの事は平気でやってのけられた。

 確かに、彼女は美女であるが雁夜と同年代でありアニヲタ的には「オバン」と呼ばれても仕方ないかもだが、それでも人としての礼儀作法という物はある。それを欠いたなら実の親相手であろうが折檻しても文句は言われまい。

 

「あだだ………あ、後は若い二人に任せるとしよう。俺にはまだ山程研究が残されているからな………ひ、ひひ」

 

 全身の痛みを堪えながら、逃げるように雁夜が場を後にした。料亭の個室にはタクオと雪江の二人きりが残された。

 

「えと………お父様は大丈夫?」

「ああ、すいません。ウチのオヤジ人間的にはクズの部類なんで」

「あ、あはは………」

 

 呆然と苦笑いを浮かべる雪江と二人きりになったタクオ。普通なら美人のお姉さんと二人きりという状況は嬉しいと思われがちだが、ここでタクオはある現実に直面した。

 

「(何話していいかがわからねえ!!)」

 

 タクオは精神的にも童貞であった。いや、精神的にガキと言った方がいいだろう。図体だけでかくなったガキだ。

 ましてや相手は住む世界も精神的人種も違う官僚のお姉様。気の利いた口説き文句も、共通の話題も出せず、ただただ沈黙が流れる。

 

「(なんだ、結局俺は都合のいいセックスできるお母さんをアニメキャラに求めてただけじゃん。ダッセ、クッサ、死ねばいいのに)」

 

 自身のお姉さんヒロイン好きが、女に何もかもやってもらいたいその甘ったれた性根のマザコン性癖から来ていたと改めて突きつけられたとタクオは痛感した。そして推しと対面して浮かれていた自分が恥ずかしくなった。

 して、そんな自己嫌悪に陥ったタクオを察したのか、次の行動に出たのは雪江だった。

 

「………ねえ、タクオくん」

「えっ、何です?」

「良かったらさ、隣来ていい?」

「えっ………?」

 

 有無を言わさず、雪江はタクオの隣に席を変えた。むっちりとした尻肉がタクオの足を刺激し、香水のいい香りが鼻腔をついた。いわゆる女の子のいい匂いとは別の、安心を感じる温かい感覚だった。

 

「食べさせてあげよっか」

「えっ?」

「はい、あーん」

「あ、あーん………」

 

 運ばれてきた料理を「あーん」して食べさせる。夢のようなシチュエーションを前に、タクオは混乱しつつも口に広がる魚介の味を感じていた。

 

「ねえ、タクオくん」

「は、はい」

「気負う必要はないわ。だって、私達夫婦になるんでしょう?だったら、妻である私を頼ってもいいの」

 

 泣く子供に言い聞かせるように、優しく微笑みかける雪江。それを前にしてタクオの心からも自己嫌悪は晴れそうになったが、それでも引っかかるものはあった。

 

「でも………雪江さんは嫌じゃないの?」

「嫌?嫌って何が?」

「だって、だって僕子供だよ?子供と結婚するなんて嫌でしょ?」

 

 女が異性に求めるのは息子や弟ではなく頼りがいのある異性である。タクオはそれぐらい知っていた。だから、きっと雪江も優しくはしてくれても本当は結婚までするのは嫌なのだと思っていた。

 

「それを言い出したらタクオくんだってオバサンと結婚させられるの、嫌じゃないの?」

「それは………」

 

 タクオは倫理や常識で話していた。故に、個人的好き嫌いを出されると弱かった。

 

「それともタクオくんは、私の事嫌い?」

「えっ………!?」

 

 そう、柔らかな微笑みを向けられるとタクオは何も返せなかった。

 そりゃ好きだ。こういうタイプのリードしてくれる大人のお姉さんはタクオの性癖のど真ん中であるし、元の鹿子行江の頃からS.Pイチオシでガチ恋するレベルで好きなのだ。

 だが、実際の自分が彼女と釣り合うのか?という自戒に加え、そもそも彼女は雪江さんというそっくりさんであり、鹿子行江女史とはイコールではないという事実が、タクオに倫理観のブレーキをかけていた。

 転生オリ主をやるにはタクオは精神的に年を取りすぎていたのだ。

 

「それは………」

 

 しかし、タクオの本能の部分はそれに抗えなかった。目の前に魅力的な女性がいて、自分に好意を向ける事を是としていて、なおかついい匂いまでする。これで抗える男などいない。

 加えて、今のタクオの肉体は14歳。思春期の身体が全身の細胞に叫ばせていた。イエスと言えと。

 

「………好きです………」

「ふふ、そう?」

「はい………雪絵さんみたいな綺麗なお姉さん、好きです」

 

 そして結局タクオは本能に負けた。しかし、敗北感など欠片も無かった。むしろ晴れ渡る空のような清々しい気分だった。今は夜中だが。

 

「ふふふっ、上手なんだから♪」

「わぶっ!?」

 

 そう言って雪江はタクオを抱き寄せた。二の腕にたゆん♡という柔らかな乳房の感触が襲撃し、タクオはその咄嗟に、彼女の胸が想像以上に大きい事に気付き、勃起を悟られないようにする為に必死だった。

 ………尤も、そのよそよそしい態度のせいか、彼女は彼の身体の変化に気づいていたのだが。

 

 

 ***

 

 

 そんな初対面の翌日、タクオはNIGODの敷地内にある淡路島の中学校に通い、周囲の奇異の目に晒されながらもいつものように勉学に勤しみ、ようやく引っ越しの後始末の終わった我が家(マンション)に帰ってきた。

 

「ただいまぁ」

 

 どうせ答える者もいないというのに、タクオは親戚の家に預けられていた頃からの習慣を繰り返している。何時もはこれっきりであるが、今日は………否、「今日から」は都合が違った。

 

「あら、おかえりなさいタクオくん♪」

「ぶええっ!?ゆっ、雪江さん!?」

 

 がらんとしているハズの自宅から、つい昨日聞いた声が返ってきた。見れば、なんとそこには昨日会ったばかりの鹿子雪江お姉様が居た。おそらく私服であろう肩出しにズボンという、どこぞの模型店の人妻のような格好で。

 

「ど、どうしてここに!?」

「私達夫婦になるのよ?じゃあ一緒に住むのは当然じゃない?」

「で、でも外務官の仕事はどうするの?」

「勤め先がNIGODになるだけよ。あと色々権限も与えられて………まあ、あなたのお父様の手回しでしょうね」

 

 まるで大昔のオタク向けアニメのような急展開。元の《聖戦》がアンチ・オタクを第一理念として掲げている以上原作ではまずあり得ないであろうが、これもタクオという転生者(イレギュラー)の発生による改変の一つであろう。

 

「これからよろしくね、旦那様♡」

 

 ぱちりん☆と茶目っ気に飛ぶ雪江のウインクは、勿論タクオのハートに直撃したのは言うまでもない。

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