転生したら黒歴史なゴジラ映画だった件について   作:アイアイホイホイおさるさん

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第4話

 鹿子雪江はいい歳こいた官僚の大人である。大まかなプロフィールは原作と同じであり、30の部下を若い子呼ばわりできる事から解るようにアラフォーである。

 官僚としては能力がある方ではあるが、彼女もまた女である。保守的な思想の強い日本において、彼女は家と家を繋ぐための………いわば政略結婚として、14歳の少年であるタクオと婚約する事になってしまった。

 その上で彼と同居までする事になった事について、雪江はその若い部下にこう語っていた。

 

「ま、男っても14歳のお子ちゃまだしね………一緒に住む事ぐらいどうって事無いわ」

 

 何か間違いでもあるのでは?という問いに対しては、こう。

 

「変な事?あるわけないじゃない。あの子から見たらアラフォーの私なんてオバサンよオバサン」

 

 そして冗談のつもりでこう言って、大人の常識の観点から叱られを食らった。

 

「まあ下着ドロぐらいなら大目に見るつもりだけど………あはは、ウソウソ!冗談よ」

 

 彼女もエリートなだけはあり、常識的な大人である。いくら婚約者と言えども未成年の男女がネンゴロの関係になる事は絶対にあってはいけない犯罪であり倫理的タブーであるとしっかり認識している。

 同時に自分が女として既に枯れたも同然のイキオクレであり、まさかタクオが自分を「女」と認識する等あるわけがない。と、思っていた。

 そして今、そんな衝撃の年の差婚をする事になり、勤務先も変わった外務官僚という立場の鹿子雪江はと言うと。

 

 「雪江さぁんっ!ああっ!ああっ!!」

 「あぁ〜〜っ♡ああ〜〜♡突いてっ♡突いてぇっ♡」

 

 未成年の、年端もいかぬ年下の旦那様(タクオ)に抱かれて、熟れた肉欲をこれでもかと撒き散らしていた。

 同居を始めてから一月過ぎるか過ぎないかの出来事である。

 

 

 ***

 

 

 どうしてこうなった。NIGOD司令室にてタクオの戦いを見守る雪江は、まだ腹の奥に残る若く熱い白濁の感触を思いながら自嘲した。勿論だが、もしもの事を考えて避妊ピルは飲んでいる。

 始まりは、日本の対ゴジラの為の武装について諸外国の外交官やマスコミからボロクソに言われ、久々にやけ酒をしていた時の事。酔いに酔った雪江はふざけてタクオの布団に入ってきて、そこから………

 

「(ああどうしましょう、完全に私のせいだ)」

 

 平然を装いつつも雪江の心は天を仰いでいた。未成年と身体を重ねるという人として絶対に犯してはならないタブーを犯してしまったのだから。

 

「エヴァンゲリオン、現着します!」

 

 一方、巨大モニターの向こうのタクオ………を乗せたエヴァンゲリオンはというと、輸送機「しらさぎ」に空輸される形で、大阪湾に現れた怪獣と今まさに対峙しようとしていた。

 相手が命がけで怪獣と戦おうとしているのに自分の心配しかしていない。そんな自分を雪江は恥じた。

 

 

 ***

 

 

 怪獣退治の基本は「来る前に倒す」である。と、タクオはここ連日の戦いを振り返って思った。

 理由は解らないが怪獣の多くは都市部を目指してくる。ので、都市を中心に警戒線を敷き、怪獣がそこに近づいた時点で討伐する。そして日本は海に浮かぶ島国であるが故に、エヴァンゲリオンは自然と海上での戦いが多くなった。

 

 ギィエ!ギィィエ!

 

 そんなエヴァンゲリオンが今回相対した怪獣は、巨大化した蟹のような怪獣・ガニメ。

 古代の巨大甲殻類の末裔と云われており、見た目からもわかるように分厚い装甲と巨大なハサミを武器に戦う剣闘士のような怪獣。平均サイズは20m前後だが、世界中での怪獣の活性化が原因か、90m近いサイズにまで巨大化している。

 そんなガニメの前に、しらさぎから切り離されたエヴァンゲリオンのシルバーのボディが降り立つ。ガニメが威嚇するようにハサミを振り上げ、エヴァンゲリオンの黄色い目が応えるように睨みつけた。

 

「行くぞッ!」

 

 大海を波立て、突撃するエヴァンゲリオン。真正面から迫るシルバーの姿に、ガニメは「馬鹿め!」と嘲るが如くハサミをハンマーのように振り上げ、叩きつける。

 直撃と思われた瞬間、エヴァンゲリオンは咄嗟に空中へと舞い上がった。足で地面を踏みしめジャンプしたのだ。ここら辺は、そもそもエヴァンゲリオンの機体構造が髑髏島で見つかった絶滅種怪獣・巨大猿怪獣グレイトエイプの骨格を参考にしていたからこそ実現した運動性能の賜物と言える。

 

 ギィエ!?

「背中を取ったぞ!!」

 

 ガニメの背中に飛び乗るエヴァンゲリオン。そして肩のウェポンラックから取り出したのは原典においてエヴァ本来の敵である使徒に対する有効打として使われた武器・プログレッシブナイフ。超振動により相手を切り刻む巨大ナイフだ。狙うは、ガニメの武器たる二本のハサミ。

 

「まずは右腕!!」

 

 その右。付け根の柔らかい部分に向けてエヴァンゲリオンはプログレッシブナイフを突き立てた。たちまち高周波の嫌な音と共に、ガニメの右手はハサミごと本体と分離。切り落とされた右腕が大阪湾に投げ出される。

 

「次は左………うわあ!?」

 ギィィエ!!

 

 図に乗るな!そうガニメが怒ったようにも見えた。ガニメはタクオが油断した一瞬の隙を突き、エヴァンゲリオンを自身の背中の甲殻から振り落とす。

 80mのボディが海面に叩きつけられ上がる水しぶき。ガニメはその上に更に飛び乗り、右腕を失った怒りを叩きつけんと左腕のハサミを振り上げる。

 

 ………さて、ガニメという怪獣の強みの一つは、その強固な甲殻にある。

 戦艦の主砲すら通さず、メーサー………ゴジラの熱線を解析する過程で生まれたビーム兵器ですら表面を焼くのがやっと。なのでガニメと戦う際には目や口等の生物的都合で甲殻外に露出した柔らかい部分を狙うのが、防衛軍内で定石となっている。

 そして今、ガニメは右腕が切断された事で、柔らかい体内に繋がる穴が空いた状態にあった。

 

「地の利を取った………!」

 ギィ………!?

 

 ハサミが叩きつけられるより早く、エヴァンゲリオンは左のウェポンラックから取り出したパレットライフルの銃口をガニメの右腕の切断口に突きつけていた。

 ガニメの強靭な外骨格は確かな脅威である。が、その内部に向けて攻撃したら?逃げ場のない骨格内部の、外骨格に守られていない柔らかい内臓や肉へ攻撃すれば?

 

 ガチャリ

 

 エヴァンゲリオンが引き金を引き、バララララと言う発射音と共に劣化ウランの弾丸がガニメの体内に向けて放たれる。

 爆発が肉を焼き、砕き、破裂し、ガニメの体内をズタズタに破壊し尽くす。最後にボンッと両目が爆発したのを断末魔代わりに、ガニメは力を失いその場に崩れ落ちた。

 勝利したエヴァンゲリオンは、大阪湾の海水を垂らしながらその場に立ち上がった。平和を守るスーパーロボットの姿は、ある者には希望に見え、ある者には邪悪な殺戮者に見えた。

 

 

 ***

 

 

 やがて飛んできたしらさぎが機体を回収して、NIGODの格納庫へと収め、パイロットであるタクオの仕事は終わりを告げた。

 後の事を他スタッフに任せて自宅であるマンションへと帰ってゆく。同居人である雪江も、仕事が上がりになったので一緒に帰る事になった。

 

「今日の怪獣も強敵だったわね、たっくん」

「上手く甲殻の間を攻撃できました。それがダメだったらどうなってた事か………」

 

 同居が始まってから時間が過ぎ、互いに慣れてきた事もあってか雪江はタクオを「たっくん」と呼ぶようになっていた。タクオは相変わらずの敬語口調だが、それでも普通に会話していてドギマギするという事も"おおよそ"なくなっている。

 

「何だか本当に蟹を食べるみたいな倒し方だったわね………そうだ、今度蟹食べましょうよ、蟹」

「それは雪江さんのお給料次第でしょう?というか、官僚ならそれぐらい貰ってませんか?」

「そういう訳にもいかないのよ、官僚は色々と支出が多くて………そう言うタクオくんはどうなの?」

「あくまでお手伝いの扱いなんで無給ですよ、強いて言うならあの父親がくれる小遣いが給料です」

「ええっ?命懸けで戦ってるのに?」

「まあ、ここ日本ですし………」

 

 他愛のない話をしながら、夕日に照らされて淡路の街を歩く2人。端から見ると、タクオが敬語な事を除けば仲のいい母親とその息子にしか見えないだろう。

 やがて二人は自宅であるマンションの一室の前にたどり着き。

 

「あー、蟹食べたーい」

「だったら頑張って稼ぎませんとね」

 

 ぱたん、と部屋の扉は閉じられた。

 そして。

 

 「雪江さああぁんっ!!」

 「あぁっ♡そこぉ〜♡犯してっ♡たっくぅぅん♡」

 

 世間と家庭を隔てる玄関のドアが閉じられ、2人の世界になった途端にこれであった。

 どうやら玄関に入ってすぐにおっぱじめたらしく、寝室に続く廊下には脱ぎ捨てられたズボンやら上着やらブラウスやらが散乱していた。

 

 ………思えば、こうなるのは必然だったのかも知れない。

 雪江は美貌もあるが、官僚という立場が彼女を浮いた話から遠ざけていた。ハニートラップを避けるという意味もあるのだろうが、雪江本人も兄が既婚者で子供もいるという事から親から急かされる事もなく、安心して仕事に集中していた。

 

「(初めはちょっとしたイタズラだった………どうせ私の身体なんてすぐに飽きられて、それでおしまいにすればいいと思っていた………)」

 

 立場もある。常識もある。けれども彼女もまた「女」なのだ。本能のまま疼く身体にはいくら理性を動員しようと限界はある。ましてや、女性は歳を重ねてから性欲のピークがくるのだ。

 

「(それがアラフォーの………汚れ弛んだこんなオバサンの私の身体を………何度も何度も求めてくる………)」

 

 して、そんな火照る身体の前に現れたのが14歳の………思春期という男の性欲のピークを迎えた少年・タクオ。そんなタクオが彼女の夫になるというのだから、後はもうあれよあれよである。

 

「(私、最低です………でも、幸せです♡)」

 

 尤も、そもそもこれの世界線分岐前の原作は《聖戦》だ。貶め貶す目的で製作者が嫌いな作品の主要キャラクターのそっくりさん達を大量に出し、顰蹙と訴訟を買った問題作だ。

 鹿子行江のそっくりさんがショタ食いおばさんだったとしても何ら不思議ではないのである。

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