転生したら黒歴史なゴジラ映画だった件について   作:アイアイホイホイおさるさん

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第6話

 アメリカ大統領ビル・ダーレス。バック・トゥ・ザ・フューチャーのビフ・タネンから名前が取られたその大統領は、《巨神》の原作者がアメリカの帝国主義を揶揄するために、カードゲームの名前の件の大統領の隠喩として出したもの。ビフから名前が来ているという事は本作名物の無許可引用キャラクター(そっくりさん)と言える。

 そして彼女「リンディー・ダーレス」も、隠喩先の大統領に中々にお美しい娘さんがいるなら、こちらにも当然いる。という感じで生えてきたキャラクターだろう。もっともこちらは人妻ではなく現在フリーの二十代だが。

 

「ハーバード大学を首席で卒業、その後はモデルとして活動。現在は防衛軍アメリカ支部にてメカニコングのテストパイロット………すごいわね、まるで漫画のキャラクターみたい」

 

 雪江はそんなバケモノのようなスペックの持ち主のリンディーのプロフィールを確認しながら、NIGOD本部ビル内を歩いていた。

 疲れたから早くシャワーを浴びたいとゴネたリンディーは、一先ずこのNIGOD本部の宿泊ルームに宿泊してもらっている。だが、彼女が同じ人類を守る仲間だとしても、まずは来日の理由を聞かなくてはならない。

 

「失礼します。リンディー・ダーレスさん。あなたの来訪の理由を………」

 

 空いていたドアを開くと、そこでは………。

 

 「オゥ!イエース!イエエース!オオォーウッ!♡♡♡」

 

 リンディーは致していた。乱雑に衣服を脱ぎ捨て、宿泊ルームのベッドでそのアメリカンサイズのブレストをバウンドさせながらウエストをシェイキングしていた。

 

「何をしとるのですか貴女は!?!?」

「ハァイ、ミス鹿子!ユーのボーイフレンドをつまみ食いしてマース♡」

「ひーっ、ひーっ、もうゆるして………」

 

 一官僚として彼女の自由奔放ぶりには色々言うべき事はあったが、雪江にとって一番問題なのはリンディーに乗っかられているのが無理やり部屋に連れ込まれたであろうタクオだという事である。

 

 

 ***

 

 

「ヒヒヒ!じゃあ君は我がエヴァンゲリオンに渡す新兵器を届けにきたというのかい?」

「イエス、その通りデース、ミスター雁夜!」

 

 所と時変わって司令室。本来の来訪の目的を告げるリンディーと、若々しい巨乳ギャルの登場に鼻息を荒くする雁夜に、タクオを側に寄せ「渡さないぞ」と言うかのように表情を険しくする雪江。

 

「それがコレ、名付けてマゴロク・エクスターミネート・ソード、デース!」

「おおっ、これが………」

 

 オスプレイによって空輸されてきたのは、80m級サイズにまで大型化した一振りの巨大な剣であった。

 名を、マゴロクEソード。「エヴァンゲリオン」の原作の設定から存在するその剣は、プログレッシブナイフをそのまま剣にしたような武器で、振動によって相手を斬る剣である。この世界においてはアメリカで開発されたようだ。

 

「でも、なんでわざわざ日本のエヴァンゲリオンの為に武器を?」

「オゥ!同じ地球を守る仲間として力を合わせるのは当然デース!それに仲のいい相手にはプレゼントするのが当然デース!」

 

 多少打算的な面が見え隠れするが、少なくとも善意でやってくれているというのは解った。そして《聖戦》では日本はここまでしてくれるアメリカを焦土に変えてしまった事を思い出し、タクオは申し訳ない気持ちになった。

 だがその時、彼等の元に事件が飛び込んできた。

 

「これはっ………司令官!緊急事態です!」

「ヒヒ、どうした?」

「回収していた鏑木怪獣(スカーキング)が突如として復活!暴れ出しました!」

「なんだって!?」

 

 

 ***

 

 

 場所は横須賀。海上自衛隊の基地があるこの場所に運び込まれたスカーキングの死体だったが、その強い生命力により蘇生。切り落とされた両腕も再生し、再び暴れ回っていた。

 勿論であるが元のグレイトエイプにここまでの再生能力は無く、それが超人兵士細胞を作る際に付加された能力なのか、それとも彼の妄言の通り鏑木剛は神の力を持つ超人だったからなのかは、今となっては解らない。彼は既に、怪獣スカーキングになってしまったのだから。

 

『グハハハハ!このシン・愛国戦士たる鏑木剛様がそう簡単にくたばるものか!!』

 グァオオー!

 ギシェエエー!

 

 それだけではない。切り落とされた両腕も其々別の怪獣の姿に再生。その外見は本家本元の東宝特撮においてフランケンシュタインの細胞から再生した「サンダ」「ガイラ」と呼ばれる怪獣達の姿をしていた。

 原典ではサンダは温和、ガイラは凶悪な怪獣であったが、スカーキングの細胞から分離したその怪獣達はスカーキングの忠実な下僕となり、共に横須賀の街を破壊している。

 そこにしらさぎに空輸されたエヴァンゲリオンとオスプレイに空輸されたメカニコングがやってきた。パイロットは勿論タクオとリンディー。

 

「分身までしやがって………恐ろしい怪獣だ」

「オゥ!あんな奴メカニコングの敵じゃありまセーン!」

「あっ、ちょっと!」

 

 最初に仕掛けたのはメカニコング。オスプレイから切り離されて地面に着地。両腕に加えて両肩のメーサーキャノンを展開し、スカーキングを狙う。

 

「今度は消し炭にしてやりマース!………オゥ!?ノオオーーッ!!」

 

 しかし、今回は敵も三体だった。油断したメカニコングにサンダとガイラが襲いかかる。

 左右から現れた二体の怪獣はメカニコングの両腕を掴み、機体を押さえて制圧してしまった。

 

『グハハハハ!!かかったなメリケン女め!!このシン・愛国勇士鏑木剛は二度も同じ手は食わんわ!!』

 

 サンダとガイラにメカニコングを捕らえさせたスカーキングは、今度はタンカーの代わりに駆逐艦を武器に構え、メカニコングに迫る。

 

「ヘイ・ユー!愛国戦士を気取るくせに自衛隊のバトルシップをウェポンにするのはどうかと思いマース!?」

『グハハハハ!!ほざけぇ!!この鏑木剛様こそ日本そのものなのだ!!なら俺様に武器として使ってもらえてこの艦も駆逐艦冥利に尽きるというものだ!!』

「ウップス!言ってる事がチャランポランデース!!」

 

 矛盾点を指摘されても何のその、鏑木のナルシズムがその程度で揺らぐハズもない。駆逐艦をいつも新人自衛官に暴行する時にやっていたように振り上げ、サンダとガイラごとメカニコングを叩こうとする。だが、そこに。

 

「僕もいる事忘れてないか!!!」

『あぎゃぽぎゃああ!?』

「タクオ!!!」

 

 そんなスカーキングを横から突っ込んできたエヴァンゲリオンが蹴り飛ばす。パワーでは負けていたらしく、吹っ飛ばされたスカーキングは半壊したビルにずどぉん!!と頭から突っ込む。

 そんな何とも間抜けな絵面のスカーキングを前に、凛と立つエヴァンゲリオンがウェポンラックから新たな武器を取り出す。

 

「鏑木剛、真に日本人の代表を気取るなら………僕と剣で勝負してみろ!!」

 

 それは早速プログレッシブナイフの代わりに装備したマゴロクEソード!研ぎ澄まされた刀身がキラリと光り、その切っ先は獲物を捉えたがごとくスカーキングへと向けられる。

 

『きっ、きき貴様ァ!!軟弱者の息子の軟弱者のくせにィ!!この鏑木剛を愚弄しおってからにィ!!むううんっ!!』

 

 短気なスカーキングはすぐに激昂し、駆逐艦を振り回しながらエヴァンゲリオンに向けて突っ込んで来た。タクオは剣道や剣術に詳しい訳では無かったが、スカーキング………もとい鏑木剛の太刀筋は、一応の自衛官にしては酷く乱雑でまるで素人の動きに見えた。

 タクオも剣術に明るい訳ではなかったが、このエヴァンゲリオンには剣術の動きをラーニングさせており、タクオもエヴァンゲリオンに乗っている間は一流の剣士並みに剣を振るえる。ならば。

 

「はあっ!!」

『ぬがぁ!?馬鹿なああ!?』

 

 途端に駆逐艦が真っ二つに切り裂かれ、袈裟斬りにされたスカーキングから赤い血が噴き出した。マゴロクEソードの振動刃の前では巨大な駆逐艦も、スカーキングの戦車の主砲にも耐える体表も関係ない。

 

「………ユー達はいつまで触ってるデース!!」

 グァオオー!

 ギシェエエー!

 

 メカニコングも油断した為に捕まったが、パワーはこちらが上。両手にしがみついたサンダとガイラをありあまるパワーでぶん投げた。そしてその射線上には血を流すスカーキングがおり………

 

 どがちゃあ!!

 

 と、スカーキングにサンダ、ガイラが命中。三体の怪獣はまとめて廃墟のビルに突っ込んだ。

 

『こっ、この!早く退かんか!!』

 グァオオー!

 ギシェエエー!

 

 動けない状態の3体に向けて、動いたのはメカニコング。両腕、両肩のメーサーキャノンを展開し、狙いを定める。

 

「今度は再生させマセーン!!細胞の一片残さず焼き尽くしてやりマース!!」

 

 して、このメーサーキャノンであるが、これは2つのモードを搭載した武器でもある。

 一つは、先の戦いでスカーキングの両腕を切断した収縮モードによる単発モード。もう一つは、我々の知る照射型のメーサー光線を放つ照射モード。今放つのは後者。

 

「メーサーキャノン!ゴーーーッ!!」

『あぎゃああああ!!!』

 グァオオー!

 ギシェエエー!

 

 ピャーーーッ!!という馴染みのある照射音と共に、三体の怪獣に向けて青白いメーサーの光が照射された。

 それはスカーキング、サンダ、ガイラの体表を焼き、細胞を殺し、炎上させる。やがて全身から上がる白煙は黒煙となり、怪獣達はゴウゴウと火を上げて炎上し出した。

 今度こそスカーキング………もとい鏑木は死に、リンディーとメカニコングは一度奴を取り逃すという汚名を返上したのだった。

 

 

 ***

 

 

 翌日の横須賀にて、防衛軍によるスカーキング、サンダ、ガイラの細胞片の洗浄が行われていた。身体の芯まで炭化した三体であるが、切断された腕から別怪獣を生み出す程の生命力を考えると油断はできない。

 そしてリンディーもまた、マゴロクEソードの譲渡という使命を果たし、本来のホームグラウンドであるアメリカに帰る運びとなった。帰国する彼女を見送りに、タクオと雪江が羽田空港に来ていたのだが。

 

「オゥ!ノー!タクオは連れて帰りたいデース!アメリカでワタシとラブラブファックしまショウ!!」

「だからそれはダメなんだって!!」

 

 直前になってリンディーがゴネ始めた。一方的にタクオをホールドしたリンディーは、そのディックにすっかり夢中になってタクオにベタ惚れしてしまったのだ。致す最中にタクオが甘えるように求めてきた事も、彼女のハートを掴むキッカケになっていた。

 まるで、旅先で知り合った動物を連れて帰りたがる幼子のよう。話している内容はドロドロのアダルトであるが。

 

「怪獣を倒して平和になったら改めて日本に旅行にきてください!それじゃダメですか?」

「ウムム………それなら、オッケーデース………」

 

 若干不満げであるが、一応了承してくれた。

 そんな、身体を重ねたというのもあるが、現実(ぜんせ)では冷笑の対象になった所謂「チョロイン」のように迫ってくるリンディーを前に、タクオは悪い気にはならなかった。展開はどうあれ、美少女に好意を寄せられるというのは気持ちのいいものだ。

 

「と、も、か、く!」

「あうっ」

「オゥ!」

 

 べったりとタクオにくっついたままのリンディーを、雪江がぐいっ!と引き離した。そして両者の間に割って入るように立ったその時、先程とは打って変わってのピリリとした緊張感が走る。

 

「エヴァンゲリオンの新装備については本当に感謝しているわ。今後も日本とアメリカで良い関係を築いていきましょうね小娘(おじょうちゃん)

「イエス、同じ地球を守るイェーガー同士、スクラム組んでファイトしていきマショウオバサン(ミス鹿子)

 

 もし、漫画ならゴゴゴゴと効果音がついただろう。雪江とリンディーは互いに圧を放ち、互いを威嚇し合っていた。ゴジラだろうと尻尾を巻いて逃げ出すであろう、女同士の果てしないバトルである。

 拓夫は、この修羅場の原因が自分にある事は理解していたが何も言えなかった。誠実さを貫いてリンディーを拒絶した結果、日米の関係にヒビが入るなんて事になっては大変だからだ。繰り返し言うが、彼女は大統領令嬢なのだから。

 

「シーユーネクストタイム!ジャパン!」

 

 また会いましょう。そう言い残してアメリカンギャル・リンディーは愛機メカニコングと共に帰国して行った。

 その夜、お清め&浮気お仕置きエッチとして雪江が燃え上がり、タクオの女の子に攻められたいマゾ性癖が更に強化されたのは言うまでもない。

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