先生は塞翁が馬という言葉を知っているかな?   作:ミサキル

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キヴォトスチェイス

"うわあああああああああああ!?"

「ヒューーー!!先生なかなかいいドラテクじゃないっすか!!」

 

耳を劈くように轟く爆発音。

終末世界のように空からミサイルが大量に…大量に降ってきたものの爆発音だった。

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ生きるしかない!!

無理と無謀の2択を迫られる続ける。

だがそれでもまだ呼吸が出来てるのはきっとこの世界が夢だからだろう。

 

「そこォ!」

 

目の前に立ち塞がろうとする便利屋68を撃つエミコ。

 

"ぐ――ああああああああぁぁぁ"

 

目の前に落下する隕石をカーブしながら避ける。

 

死ぬ。

いやまだ死なない。

 

この2択の選択を永遠とする。

世界が悲鳴をあげるように轟く爆発音と共に外へ外へ!とにかく外へ!突き進む!!

 

"まず!?"

 

急に目の前に現れたのは空崎ヒナ。

 

ここは――。

 

”―――ッ!!!!!”

 

アクセルを―――踏み切って進む!!

 

「?なんの…」

 

ヒナが疑問に思いながら愚直に進む車にデストロイヤーを構える。

 

"エミコォ!!全部使って!!"

「はいっす!!」

 

デストロイヤーをヒナが撃とうとしたその瞬間。

――――車の後ろから爆発が起きた。

 

「!!??」

 

冗談抜きに3m程車とともにぶっ飛ぶ。

 

少しの浮遊感。

直後。

ガタンッ!と衝撃が全身に走る。

 

「まさかこんな方法で!」

「遅いっすよ風紀委員さん!!」

 

振り向きかけるヒナをエミコが撃つ。

 

「ぐっ」

 

さすがに背後からの攻撃には時間がかかるのかヒナは少し下がった。

 

"ぁ―――ああああああああぁぁぁ!!"

 

それを見逃すことは出来ない!!

 

彼女が一瞬でもこちらにデストロイヤーを撃ってきたら終わりだ。

アクセルを踏みとにかく距離を距離を離す!

 

「先生!」

"分かってる!!"

 

銃弾を避けるためにルートを変更し、建物が多い場所へと移動する。

―――ヒナが追ってくる様子はなかった。

 

"はぁ……"

 

命からがらで生きた感触がしない。

それでもアクセルは踏み続け、先へ急ぐ。

それしか道はもうない。

 

 

「先生!」

"どうし…マジかー"

 

エミコの必死の叫び声に呼応してバックミラー越しに後ろを見た。

………見たくは、なかった。

 

「なんすか!?あれ!?パンケーキ!?」

"はは……"

「笑ってる場合じゃないっすよーーーー!?」

 

パンケーキ…もといパンちゃんが背後で建物を破壊しながらこちらに迫ってくる姿が見えた。

 

「さっきから撃ってるっすけど効いてる感じがしないっす!」

"アレは戦っちゃダメだ!"

 

冷静に考えろ私!ちょっと気を失いかけたけど!

 

"とにかくエミコは弾丸をまだ温存しといて!"

「はいっす!」

"ヨシ!なら私のドラテクに任せろ!!"

 

――と言ったもののどうする!?

 

背中に来てるパンちゃんはだんだんと近づいてる!

 

ここは―――。

 

"決めた!生徒の居るところに突っ込む!!"

「――え?」

"そこにパンちゃんをぶつける!"

「正気っすか!?あのパンケーキを!?」

"正気じゃパンちゃんは倒せない!狂気で対抗する!!"

「嘘っすよねーー!!???」

 

嘘では無い、悲鳴のようなエミコの叫び声が聞こえるが……無視だ。

ごめん!

 

「ーーー!!」

 

パンちゃんの叫び声が聞こえる。

ちょうどそこに。

 

「うへー先生……覚悟して貰うよ」

"ちょうどいい!ホシノ!"

「うへー……え?」

 

さすがに放心したのか口をあんぐり開けてる珍しいホシノにパンちゃんを託した。

 

"頼んだよーーー!!"

「ちょっ!?」

 

ドカーンというなんともまぁとんでもない爆発音が聞こえるが全て無視した。

 

"ホシノ…良い奴だったよ"

「いやいや勝手に殺してますけど死んでないっすよね!?後ろで怪獣映画みたいなとんでもバトルしてるっすけど!!??」

”ハハハ……”

 

――とにかくパンちゃんはホシノに任せて先に進んだ。

 

 

「見えてきたっす!」

 

数多の爆発と苦難を越えついに見えたのは。

 

"なんだあの暗闇……"

 

真っ暗な、真っ暗な外皮であった。

 

「突っ込んでくださいっす!」

"大丈夫!?これ突っ込んでもいいやつ!?"

「―――多分大丈夫っす!」

 

少し自信がなさそうな声であった。

 

"――えぇい!もうここまで来たらとにかく突っ込むしか活路はない!"

「行けっす!!先生!!」

"アクセル全開だ!"

 

くねる道などがあり、ここまでアクセルはほとんど全開にしてないがここまで来れば一直線だ。

このまま―――!!

 

「それはちょっと困るじゃんね☆」

”!!”

 

キッーーーと思わずブレーキを踏む

 

「先生!?どうしたっすか!?」

"――ミカ"

「そんなに警戒しなくても、ここまで頑張ったご褒美に私以外は配置してないよ」

「え?ミカって言ったすか?」

「もしかして先生ってお嬢様とも関係を―――」

 

面識がなく、多分名前ぐらいしか知らないエミコはポカーンとしてる。

あと多分、風評被害だ!……多分!

 

"そこを退いてくれないか?"

「あはは、先生は面白いこと言うね」

 

笑いながらミカは言う。

 

「そんなのするわけないじゃん」

 

そして。

 

「もう一度このセリフ言うとは思わなかったけど……」

 

妖しく笑い。

 

 

「少しアレンジして言うと、ラスボス登場☆ってところかな?」

”―――ッ!!”

 

最悪な宣戦布告を告げた。

 

「それじゃ行くね☆」

 

―――正面じゃ勝ち目は無い。

 

ミカが高速でこちらに寄ってるくる!

ミカがここにくるまでに出来るのはワンアクションしかない。

そしてミカには正面では勝てない。

だけど正面からの戦闘でスタートした以上奇襲も―――。

 

”ぁ……”

 

いや…出来る!夢が記憶で作られるのならばこの行動は効くはずだ!!

 

"エミコ!何かあったように持ってきたアレ頂戴!"

「え?…わかったっす!」

 

エミコから貰ったそれを持ちミカに向かう。

 

「え?先生!?」

 

ミカも一見丸腰で近づく私に驚いたのか足を止める。

 

"―――そこだ!!"

 

隠し持っていたのはロールケーキ!

 

「それは」

 

口を開いた時点でミカの負けは決まっていた。

 

「もぐぅ!?」

"ミカは絶対このロールケーキを吐いたりしないって思ってた!!"

 

本当は吐いたりすることもあるかもしれない、嫌で拒否する事があったかもしれない。

だけど私の記憶でミカは吐いたりすることは無かった!!

 

「ん………もぐもぐ」

”しっかりと噛んで食べるんだよ!!!”

 

ミカがもごもごしてる間にダッシュで車に戻る。

 

「凄いっす!さすがっす!あのミカさんを完封するなんて!」

 

めっちゃ目をキラキラさせながら褒めるエミコに素直に喜べなかったがとりあえずアクセルを踏む!

 

"長くは持たない!行こう!!"

「はいっす!!」

 

 

ミカを追い越しついに外皮へと辿り着く。

 

"このままで本当にいいの!?"

「このままっす!!行きましょう!神の場所へ!」

 

アクセルを全開にしながら風でぶっ飛びそうになる体を抑え突き進む!

 

段々と。

だんだんと。

 

黒い闇が―――。

 

 

「やぁ…先生」

 

そこには。

 

「それとエミコだっけ?」

 

人の形をしてるが。

 

「まぁ座らないか?ここは暇だし」

 

人では無いナニカが居た。

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