確信的な違和感、嫌な予感、『ここは危ない』と脳が警告を鳴らしてる――。
思わず、シャーレを出て救護騎士団に向かった。
”色々考えたけどうん!!とりあえず救護騎士団に行こう!”
”もしかしたら私の頭がヤバいかもしれない!主に熱中症!!”
そんな現実逃避にも似た意識の最中、キヴォトスを走る。
見慣れた場所、見慣れた街並み、もう全て見慣れたものなのに、見慣れたはずなのに。
何故か全くの別のものに見えて気持ち悪かった。
*
息切れしながらついた救護騎士団。
「先生!?どうしたんですか?」
パッと顔を上げるとそこにはいつも通りのセリナが居た。
"はは――"
安心感からかグラッと目眩がする。
そして私は倒れた。
*
グァングァンと頭を揺らす感覚がする。
現実か、夢か、別の何かか。
境界が曖昧になって、そこが自分が居る位置がどこか分からなくなる。
ただ――――――――
誰かの声がした。
*
その誰かの声に起こされるように目を覚ます。
全く同じシャーレの部屋に私は居た。
残っている書類仕事も、時間も、何もかも、全く同じの。
*
*
*
気が狂いそうだ。
さっきまで確かに救護騎士団まで行って、セリナが居る場所まで来たはずなのに、知らずのうちに戻ってる。
これをあと何回繰り返せばいいんだ?
ここはなんの場所なんだろうか?
本当に私の居る世界なのだろうか?
私の見てる夢なのか?
それともここが現実で私は今まで夢を見ていたのか?
頭を抱える。
どうしようもなさに打ちひしがれる。意味が理解できないことへの恐怖。ただ一人きりのシャーレで孤独に挫けそうになる。
"ぁ――"
だけど、それでも、そんな中でも、確かに聞こえた『声』を思い出す。
アレは思い違いなんかじゃなかった、確かに聞こえた、何を言ってるかは分からなかった……けど確かに声だった。
―――居ないはずのセイアの声だった。
身体が突き抜かれた。
動かなくてはという使命感が心を刺した。
訳もなく、衝動に任せて走る。
街並みの違和感がハッキリとする。
ここは別の世界だというのを認識する。
呼吸を続かせて、足を動かせて、私はきっともう『答え』を――――――知っていた。
*
息切れしながら辿り着いた場所はセイアと一緒に行ったあの学校だった。
耳に穿った声が、衝動が、違和感が、既視感に変わり、ここへ導かせた。
"ふぅ――"
息を吸って、鼓動を落ち着かせる。
廃墟のような学校、そこへ足を進めた。
*
下駄箱は廃墟のような外見に反して綺麗だった。
ただそれにしては人の気配が全くと言っていいほどないのが不気味だ。
だけど足を止めてはいけない、まずは近くの教室を探索しようと考え、足を動かした。
*
とりあえず近くの教室にでも行こうかと足を進める。
ガラガラとひび割れたような音がする。
―――案外ここはボロいのかもしれない。
壊れないかなという一抹の不安を抱えながら教室に入る。
"――ぁ?"
脳が一瞬理解を拒んだ、次に自然とここを認めたくないような言葉が出てた。
そこには綺麗に整理された机と椅子があった。
いや、違和感はそこじゃない。
生徒のカバンとか、教科書とがないところでもない。
黒板に悲鳴のように助けてと書いてあったことに自身は驚いたのだ。