先生は塞翁が馬という言葉を知っているかな?   作:ミサキル

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感覚感激感染

そこから何かあるかもと気を取り直して探してみても何も見つからなかった。

あの助けてという黒板以外はなにも。

………今、考え込んでも仕方ない。

ここには何も無いなら次は学校の案内図を探そう。

 

 

案内図は案外近くの廊下に貼られていた。

階数は3階あり、1階のここには『職委員室』『保健室』『メンチカツ部の部室』『準備室』。

 

――――?

 

メンチカツ部?

気になるものはあったがとりあえず他のには外に『倉庫』があることがわかった。

とりあえず準備室にでも行こうと足を動かした。

 

 

準備室は廊下から少し離れた場所にあった。

ガラガラといつものような感じに扉を開ける。

やっぱり少し怖い、築何年なんだ…。

無駄なことに思考を割りながら準備室を開く。

 

"暗ァ!!"

 

真っ暗だった、完膚なきまでに真っ暗、お天道様もここでは何も見えないだろうと思うほどに真っ暗だった。

カーテンでも閉めてるのかは分からないが下手に入ると戻れなくなりそうだった。

仕方ないここは後回しにして倉庫でも行こう。

 

 

次に向かった倉庫は校舎から離れてグラウドにあった。

ガラガラともう慣れた扉の音を聞きながら扉を開ける。

綺麗な場所だった。

物は整理されており、ホコリはあるが特に汚れた物はない。

とりあえず使えるものを探してみようかと思い行動に移す。

ガサガサと探し…………。

 

”あ”

 

懐中電灯が少し雑にだが棚に置かれていた。

 

”ここまでいいかな”

 

あの真っ暗な準備室を探索するために懐中電灯を手に取り、ここを去るところだった。

 

ガサリと。

 

”ん?”

 

聞きなれない音がした。

振り向くと見慣れない日記があった。

………なにか気になるような、喉に小さな小さな骨が引っかかったような、そんな妙な焦りがあった。

この日記が見て欲しいと叫んでいるようで思わず手に取る。

この日記をみていいものなのか?

少し怖い感覚が背中に走る。

好奇心と倫理観が揺れる。

夏の温度なんて、今まで感じないほどだったのに妙に今は暑く感じた。

 

 

"………やめよう"

 

これは今見るべきものじゃない気がする。

それに―――。

 

”いや、もういい”

 

思考のレールを切り替えこの場所から離れた。

 

 

次に着いた先は名前が妙なメンチカツ部。

 

"お邪魔します"

 

なんか仰々しい雰囲気を感じて別に必要ない挨拶をしてしまう。

ガラガラともうすっかり聞き慣れた音を出しながら扉を開けるとそこは。

 

ーーぁーなるほど。

うん。理解した。

いや理解してないけど理解した。

 

"ここ調理室じゃないか!!!"

 

思わず突っ込みしてしまった。

なんだここ…思わずもう一度部屋のプレートを見る。

 

メ ン チ カ ツ 部

 

なんだここ……。

もしかして私はトンチな場所に来たのだろうか?

さっきまで現実かーなんて疑ってたことが馬鹿みたいな程にここは馬鹿げてた。

なんで料理部でも、調理部でもなくてメンチカツ部なのか……

私はその謎を紐解くためにメンチカツ部の部室を探索することにした。

 

 

メンチカツ部を探索しても出てくるのは料理器具と調味料とメンチカツの材料……そしてメンチカツのレシピ。

いやなんで?

なんでメンチカツ専用?

 

”えぇ……”

 

困惑する、本気でこの学校大丈夫かなと困惑する。

美食研究部みたいに部員がぶっ飛んでるのは見たことがある、だけど部活そのものがぶっ飛んでるのはなかなかない、というかあってたまるか!

 

"本気かな…この学校"

 

もしかして夢なんじゃ…………?

それならとんでもない悪夢だが。

困惑したまま探索してみると。

 

"ん?"

 

写真を見つけた。

この部活の部員だろうか、3人の生徒がいた。

ピンク、緑、黄色。

なんだか信号機みたいな髪の色だなと思わず思う。

写真には可愛く。

 

「思い出!また一緒に部室で会おうね!!」

 

と書いてあった。

ぼんやりと友達だったのかななんて思いながらなんとなく写真の裏側をみてみる。

 

"え?"

 

そこにはセイアと一緒にこの学校に行った日付とほとんど同じの日付が記載されていた。

ただ一つだけ違うのは――その年月。

その写真は1年前の日付だった。

 

1年前、この日付に何があったのか。

それは分からない。

だけどその日付とこの現象は確実には結びついてる。

それ程までにこの日付が引っ付いてくる。

だとしたら…その年にこの3人の生徒が何かに巻き込まれて、それがこの現象に結びついてるのだとしたら。

私はその生徒を助けなくてはいけない。

それが大人としての責任だ。

 

―――このメンチカツ部の部室にはもう何も無さそうだった。

 

 

メンチカツ部の部室から離れ辿り着いた場所は保健室。

ガラガラといつものように扉を開けて進み、最初に覚えた違和感は匂いだった。

 

"――消毒液?"

 

保健室なのだから当たり前なのかもしれないがここは消毒液の匂いがする。

特に散乱している様子もなく、綺麗に整頓されていて、3つのベットがある保健室。

ただ、たった一つのベットにカーテンが引かれてることに目を瞑ればだが。

………他のベットにはカーテンは引かれてない。

他が普通なだけにその様子は異質として目に映る。

 

"――ふぅ"

 

息を吐き、覚悟を決め。

ガラッ!とカーテンを引く。

そこには一人の少女の姿があった。

 

”―――!?”

「んにゃ〜姉貴、それはメンチカツじゃなくて、坦々麺ッスよ」

 

……写真に居た黄色の子が居た。

スレンダーな体型で、身体は大きすぎず、小さすぎない、キサキを少し大人にした感じだが、明らかに雰囲気が朗らかな感じののほほん系で髪型がお団子だ。

 

……………何言ってるんだろうこの子。

 

"起きてーー!!"

 

とりあえず揺らしながら起こそうとする。

 

「うにゃ〜」

 

起きそうにない…。

どう起こすか……このままじゃ起きないだろうし、ここは瞼を強制的に開かせるか、鼻と口を軽く塞いだりして起こしてみるか。

 

”…………おりゃー”

 

生徒にこれをするのは悲しいが強制的にでも起こして貰う。

 

「うぎゃーー!!???」

 

狙い通り少女h

 

「ぼへぇ!?」"ぐぇ!?"

 

頭ごっつんであった。

 

「急に何するんか!この超可愛い美少女に!!可愛い顔が台無しっす!」

 

うにゃ〜!!と威嚇する猫のようにこちらを見つめる天才少女?

 

"ごめん!でも起きて欲しかったんだ!"

 

こちらの事情で無理やり起こしたのだ。

ここは素直に謝る。

 

「素早い謝罪っす…!!この術を会得するにどれほどの修行をしたっすか!?」

"ふっ…別に凄くないよ、ただ大人の必須スキルさ"

「大人って凄いっす!!」

 

そこにはさっきまでの荒々しい雰囲気は無くなり、ただ高校生に頭を下げながらドヤ顔してる悲しい大人が居た。

 

 

…………私だった。

 

 

"色々あったけど…君の名前は何?"

「私の名前っすか!?」

「えっとその前に名乗るなら先に名乗って欲しいっす!これは鉄則っす!」

 

た、確かに…少し焦っていたようだ。

 

"私はシャーレからきた先生、名前は■■■"

"………まぁ気軽に先生って言って欲しいかな"

「これはこれは丁寧に…シャーレとは何か存じないっすけど丁寧に言われたらこっちも丁寧に言わなくてはいけないっすね」

 

「私の名前は黄(こう) エミコっす!!気軽にエミコって呼んでいいっすよ!」

 

"エミコ…いい名前だね"

「ふふん私の自慢の名前っす!全てが自慢で満ちてますっすけど!!」

"早速で悪いんだけど…………エミコはなんでここで眠ってたの?"

 

あ、間違えた。

 

さっきまで調子が良さそうな感じのエミコが、この質問をした途端。

 

「……答えれないっす」

 

ゾッとするほど冷たい声で、見たくない何かを見たように否定するエミコ。

 

"わ、わかった…"

 

豹変した声の質感に驚きつつも彼女の返答に頷く。

 

「なら良かったっす!」

 

そうにぱーと笑っている彼女が、今は少し怖かった。

 

"そ、それじゃ…ここについて説明してくれる?"

「ん〜それならいいっすよ!」

 

変わらず彼女は笑う。

 

「ここの案内人は私にお任せっす!!」

 

 

エミコにこれまでの経緯を一部を話した。

 

「なるほど、なるほど…一緒に居たセイアさんって言う生徒がここにきたら居なくなってたんすね!」

"そうなんだ、エミコはこの学校について何か知ってることはある?"

「そっすね…」

 

うんうん考え込むように考えるエミコ。

 

「そういえば!!」

 

パッと思い出したようにベットから立ち上がる。

 

「この学校には神隠しがあるんすよ!」

"神隠し…?"

 

そうそう…そう言い彼女は語る。

―――この学校に根付く神隠しの噂を。

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