先生は塞翁が馬という言葉を知っているかな?   作:ミサキル

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よくある朝日と異質な招待状

「う…………ぁ」

 

目が覚める。

目の前には知っている天井。

だけど、どろりとした粘りつくような違和感が染み込んで滲む。

しかしその違和感は早速、既視感として体に馴染み侵食されていく。

 

「なるほど」

 

気付きはあっさりとしたもので難事件を解決したようなそんな爽快感も感慨もなく淡々としていた。

 

―――どうやらここはよくあるような夢の世界のようだった。

 

そんな中で百合園セイアという人間は茹だるような暑さと共に目覚めた。

 

 

とことこと歩くと面白い程に人が居ない。

知ってるのはその形だけでだけで全く知らない場所に出た気分だ。

 

「―――いや全く知らない、というのはそうか」

「ここは夢の世界、永くその場所に居た私だからわかったが…これは中々悪趣味じゃないか」

「どうやら今回の相手は少々厄介な手合いらしいね」

 

少し笑って恐怖を誤魔化す。

状況は最悪とまで言えないが最悪に近しい。

 

「相手の目的は見えないが私を放置しているということは私を放置しても支障がないということだろう」

「とりあえず先生を探すためにシャーレにでも行こうか」

 

 

私はとりあえず先生の居そうなシャーレへと向かった。

 

「やはりというか…居ないな」

 

先生は居なかった机もタブレットも仕事もあるのにも関わず先生だけがない。

 

「再現性が低いな、中身がない」

「それとも――中身は再現できないのか?」

 

そう視点を移動させると見えるものが変わる。

全てがハリボテに見えてくる。

だとするなら、相手の目的がさらに分からなくなる。

こんなハリボテ尽くしの場所に閉じ込めてどうしたいのか?

 

「分からないが…分かってるが1つある」

「ある学校が関わってるということだ」

 

全ての始まりはあの学校………神隠しの噂話があるあの学校である。

ならばそこに行けば真実に辿り着けれるだろう。

しかしそれそれ、これはこれ。

見知らぬ敵の見えぬ戯言に戯れるほど、余裕はない。

 

「何者かは知らないが…こんな茶番劇をするなんて相当な暇人だね、まるで中世の貴族……いや、ここでは有閑人と言った方がいいかな?それほどの人に招待されるなんて私も知名度が高くなったものだね」

 

そう言いフッと皮肉気に笑う。

 

「お互い、つまらない事はやめようじゃないか。茶会を開きたいのならそれ相応の用意という物があるのだろう?」

 

そう言った途端に。

地面に真っ昏な穴が空いた。

 

「……茶会の招待状と見ていいのかな?」

 

見え見えの罠だがそれに乗って墜ちることしかやることはない。

ならば。

 

「乗ろうじゃないか君の応えに」

 

 

落ちる。

 

 

 

落ちる。

 

 

 

落ちる。

 

落ちた。

深い、深い穴の底。

そこにナニカが居た。

極めて人に近しい形をしている、何かが居た。

 

「君は…」

 

問うことすら恐怖が伴いそうになる。

 

「私は、まぁ神様って言われるやつさ」

「しかしまぁ…神が神を問うシーンとかはあまり考えたことはなかったかな」

「とりあえず一緒に座ったら?ここは、暇だし……時間もあるしね」

 

そう面倒くさそうな顔で神を騙るナニカは言った。

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