「君は何者なんだい?目的は?なんで私をここに…」
とりあえず正座で座りながら聞きたいことを聞く。
今はとりあえず情報が欲しかった。
「まぁ待ってくれよ…こっちにも事情ってのがあるんだよね」
パンパンと彼?彼女?は手を叩く。
ズンッとぐるりと景色が周り景色が変わる。
真っ暗な空間から、どこかの教室に。
「!?」
「―――いや驚く程じゃない、夢は基本なんでも出来る、この夢の世界主である君ならその程度は余裕なんだろうね」
「……まぁ夢とも違う空間だけど、まぁだいたい合っているよ」
「その話は興味がないと言えば嘘になるが、ここは話の腰を折らずに君の言葉を聞こうか」
「それで?君はなんで私をここに呼んだんだい?」
はぁ。
はぁ。
自分の呼吸音がやけに脳に響く。
普段は気にならない呼吸さえ煩わしい。
ここまできてようやく気付く。
―――どうやら私は自分で思っていた以上にこの状況に焦りを感じていたようだった。
「急ぐ必要はないさ、ここからしね」
「ここから…?」
その問いには答えず神を騙るナニカはまた手を叩く。
球体が落ちてきた。
どこからともなく、真っ黒で、何も映さないような球体が。
「よし」
「?」
ナニカの意図が分からず困惑するがその意図はすぐにわかる羽目になる。
球体が突如光を放ち―――。
「―――先生?」
球体には先生が映っていた。
少しだけ疲れてそうだったがまだ元気そうな先生を視て安心する。
疲れが溜まっていたのだろうか?少しくらっと先生は倒れそこを、確か……救護騎士団のセリナという子に抱えれた直後。
「ぇ?」
突然、前触れすらなく球体に映る先生はセリナに撃たれた。
本人は気付いてすらいないのだろうセリナに撃たれた先生は何の抵抗もなくただ無抵抗に死んだ。
「先生!!!!??」
思わず叫ぶ。
さっきまでの焦りが焦燥感となって心臓の鼓動を早くさせる。
思わず、しゃぶりつくすように球体に抱きつき、呼吸を忘れてそのシーンを見る。
直後。
「―――な」
信じられないことが起こった。
先生が倒れた瞬間ビデオテープのように巻き戻っていく。
倒れた先生は後ろ足でシャーレへ戻っていった。
「なんだ…これは?」
上手く脳が処理できない、現実では無く夢であることは既に分かるが、それでも理解出来ない。
理解とは、その人間がその状況を理解するほどの知識を持ってして理解するのだ。
今の私はその程の知識がない、だからその場面は無理解として理解できないものとして処理される。
分からない、意味がわからない。
そう驚いてるその刹那。
バリーーンと重い硝子が壊れる音がした。
目の前の球体が壊れる音だった。
「やぁ」
「―――っ」
その先には愉快に手を振るこの悪夢を実現しただろうナニカが居る。
「…君は一体何者なんだい?」
改めて最初の質問をする。
結局何を起こしても全てはそこに起因する。
相手が何者か、何が目的か、なんで私をここに呼んだのか。
理由を知らなくては前にも進めない。
「何者なんだ」
「そうだな…神、とは言ったけど私は神という神ではないよ」
……?意味がよくわからない。
確かに意味はあるだろうがその意味を理解する情報が私には足りなかった。
「まあ、そんな私の話はどうでもいい」
つまらない本を閉ざして本題に入るようにナニカは話した。
「セイア、私には君が必要なんだ協力してくれないかい?」