オレたちにEARTHは無い   作:ホネホネ

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彼方の星

 

──私とはなにか。

 

己の記憶領域をどれだけ探そうと答えは無い。答えを得ていたのならば記録されているはず。無いということはつまるところ、過去の己も見つけ出せなかったということだ。

仮定をどれだけ重ねようとも答えは出ない。

答えを出すための情報は不足しており、私の性質上これ以上の手掛かりを得ることさえ困難だ。

 

観測されているということだけが私を私と証明する唯一の手がかり。それ以外には何も無い。名前もなく、身体もなく、鼓動もなく、根源のわからない曖昧な人格の独立でしかない私。

 

嗚呼、なんて曖昧で無惨なのだろう。

私の元になった少女の決意だけが美しく輝いている。けれど、それを内包する私にさしたる価値はない。美しい絵を飾るには不釣り合いに無様な額縁。それが私。

 

それでも存在する意味が確かなことだけが、私がまだこの世界に在り続ける理由だ。

 

 

 

 

「何を見ているの」

 

風とそれに揺られる木々の軋む音、近くの虫と遠くの獣の鳴き声。常に鳴り続ける音の群れの中、焚き火の音がより鮮明に鼓膜を揺らす。

ミクトランの密林の中で野営をするデイビットは焚き火の前で、椅子代わりの倒木に腰を掛けて空を見上げていた。

 

焚き火を挟んで向こう側、彼の真正面で肘を抱えて座る少女が問いかける。長い金髪を揺らす彼女は水玉模様のワンピースにショート丈の黒い革ジャケットを羽織っていた。密林でのサバイバルにはあまりにも向かない格好。それどころか精々10歳程度の少女がここにいること自体が不自然なことではあった。しかしそのようなことは最早些細な事であるとその場にいる誰も関心を抱かない。

 

少女は問わずともデイビットが何をしているのかは知っていた。けれど、問わなくてはならなかった。

その矛盾を知りながら空を見上げたままデイビットは当たり前のようにその問いに答える。

 

「星を見ている」

「地底の星までお前のフィールドワーク(趣味)の対象なの?」

「今、60億光年先の星が消滅した」

「……そう、この星の先達というわけね」

 

デイビットがその目で接続した先で何を見ているのかなど、実質的に彼と同一存在(・・・・)である彼女には問わなくともわかっていた。言われずとも遥か遠くの星が死んだことを彼女も識っている。

……見てはいないけれど。視覚として外宇宙に接続可能なのはデイビットの肉体だけだからだ。

 

彼女は彼へ問う必要は無かった。問わずともすでに識っているのだから。無意味なことである。しかし、会話が人間の精神を適切に保つために必要なことだと双方が理解していた。例えそれが壁に向かって独り言を呟くようなものだとしても。

 

まして、今日という日のデイビットはすでに為すべきことを為し終えていた。行動も、記憶の選択も。あとは毎日の定刻が来るまで、記憶に残ることのない時間を消費するだけ。

 

そのただ消え失せるだけの時間をデイビットは彼女との会話に使用することを決めていた。大抵の場合、この時間の彼の傍にいるのは彼女くらいだからだ。

己のサーヴァントであるテスカトリポカは気まぐれで、いつ傍にいてもいなくても不思議ではない。大抵の場合、いないことのほうが多い。

だから二人は会話を交わす。どこにも残ることのない、無意味で無意義な会話を。

 

「星も死に際には泣くのかしら」

「アルテミット・ワンか」

「それに意思があるのか、いえ、この場合は意思とは何かという話になるのかな」

「帰巣本能はあるようだな、それを意思と呼ぶのかはしらないが」

「お前も帰りたいと思うの?」

「……何処へ?」

「故郷」

「オレたちの?」

「それはアメリカ?」

「或いはあの研究室なのか」

「もっと概念的なものかも」

「貴女は帰りたいのか」

「時折ね」

「何処へ」

「……ふん、お前以外に私の持つものはないのよ」

「……そんなことはないよ、姉さん(・・・・)

 

どこが厭世的な物言いをする、自分と良く似た顔(・・・・・)の少女を姉と呼びながら、デイビットは微かに口元を緩ませてそう返す。

姉、と彼は呼んだ。同じ色合いの髪、同じ色合いの瞳、同じ色合いの肌を持つ、精々ローティーンの少女を何の躊躇いも違和感もない声音と表情で。その声色は確かに身内に対する気安い態度が見受けられるものだった。

少女もまた、既に成人した青年から「姉」と呼ばれることに一切の疑問や違和感を抱くことなく、むしろ己の弟に対して姉らしく素っ気ない顔をしてみせた。

 

「珍しく饒舌かと思えば支離滅裂。まるで二人で独り言をしてるようなものだな」

 

第三者が現れたのはその時だった。

すでに気配を察していた青年と少女はさして驚く様子もなくやってきた男へ視線を向ける。

 

長い金糸の髪に、透き通るようなアイスブルーの瞳とそれを隠す暖色のサングラス。現代的な服装を身に纏ったその男──テスカトリポカ神は二人の前へ当然のように現れた。

 

気配を隠すこと無く現れたテスカトリポカは、揃いの紫の瞳四つすべてが自分の方へ向けられるのを見て満足気に唇を歪めた。

神は当然、美しいものが好きだ。時に美しさや尊ぶべきものへの価値基準が人間とは異なることはあるが、それでもテスカトリポカは美しいものが好きだし、それらを愛でる感性もある。そしてその美しいものが自分の手元にあるということは、神にとって喜ばしいことに他ならなかった。

 

「テスカトリポカ、珍しいな」

「今更来たの?今日はもう終わりよ」

「だろうな。あと何分だ?」

「8分」

「8分」

 

低い声と高い声が揃ってテスカトリポカの問いかけに端的に答える。それに心地よく鼓膜を揺らされながら、テスカトリポカはデイビットの隣に腰掛けた。

そうすれば姉のほうが不愉快げに眉間に皺を寄せるのが見える。嫌そうな顔さえデイビットによく似ていた。前にこうやって二人の前に現れ、姉の隣りに座った時はデイビットがそんな顔をしていたことをテスカトリポカは覚えている。……まあ、デイビットは覚えていないし、姉は知らないのだろうが。

 

「もう残りの時間は無いぞ」

「いいや、まだ8分もある。オマエの1日より長いさ」

「最後に0を掛けるとしても、か?」

「そりゃオマエの視点の話だろう」

「あなたの視点ならそもそも8分なんて1日の180分の1でしかないでしょ」

「計算が早いな、姉貴は」

「ちょっと。その呼ばれ方はいや」

「文句は固有名詞になってから言ってくれ」

 

次々と飛んでくる姉弟の言葉を捌きながらテスカトリポカは機嫌良くデイビットの肩を叩く。

デイビットが彼の持つ有限な時間を効率的に使い切り、あとは真っ白に消されるだけの僅かな時間。常ならば姉弟が静かに終わりを待つだけの時間に乱入してテスカトリポカは笑う。

 

「そうやって二人で独り言を楽しむ癖は直せ。オマエら以外理解できん」

「昔からの姉弟(オレたち)の会話だ。問題あるのか?」

「神をハブるな。さみしいだろうが」

「どうでもいいわね」

「そもそも独り言であることはあながち間違いではない。自分との会話なら自分がわかってさえいればいいだろう」

「ええ、そもそも私たちは根本のところで同一存在なのだし」

「……そういうもんか?オレからしてみればどこをどう切り取っても別人だがね」

「ああ、お前の言う通りオレたちは別人だ。別人格、が正しいかもしれないが」

「過去に存在した人間の記憶をベースに作り上げた己の人格を自己から切り離して観測する……。イマジナリーフレンドが近しいのかしら。サーヴァント風に言えばアルターエゴ……なのかも」

「神の認識に侵食してくるイマジナリーフレンドとは随分な厄ネタだよ。マスターベーションといいながら他人に見せつけるのが趣味か?性癖は多少狂ってる方が面白いと思う派だ。気にしなくていいぞ。何なら今度付き合ってやってもいい」

「よかったわね、お前。色狂いの神からその方面で認められたようよ」

「オレたちは同一存在だろう」

「は?」

「……さっき姉さんが言ったことだ」

「は?なに?私に文句?」

「…………」

「おいおい、姉弟で喧嘩するな。仲良くしろ」

 

誰のせいだとばかりに不愉快げな顔をする姉と、姉に強く当たられてか微かに眉を下げる弟。姉弟というものはこうも面白いものなのだろうか?

テスカトリポカは、真面目で悲観的でそれでいながら時折何をしでかすかわからない妹のことを思い出す。決してつまらない妹ではないのだが、自分たちと目の前の二人の関係とは随分異なるのは血縁ではなく形式上の兄妹でしかないからなのか。

そのあたりはわからないが、恐らくデイビットの姉とテスカトリポカの妹は気が合うだろう。テスカトリポカはそう思った。

恐らく同族嫌悪が一周して逆に仲良くできるに違いない。見れるものなら見てみたいがデイビットが許可しない以上無理な話だ。デイビットはテスカトリポカにしか姉を認識する許可を出さなかったし、多分それ以外には出さないだろう。

 

「……過保護なこった」

 

それが唯一の家族である姉だからなのか、自分の感情の柔らかいところを切り出した人格だからなのか、そのあたりはテスカトリポカにも想像しかできない。

 

「テスカトリポカ、悪いがそろそろ」

「楽しい時間は終わりよ」

 

不意に空を見上げて二人は独り言のようにそう口にする。少女は立ち上がり、焚き火の横を通ると、テスカトリポカとは反対側のデイビットの隣へ腰掛けた。

彼女がそうした途端、デイビットは瞼を下ろしその紫の瞳を隠すとそのまま動かなくなる。

定刻は24時間周期で彼の元へやってきて彼の1440分のうち1435分を奪い取っていく。頑なに握りしめて離さなかったごくわずかな時間が5分であり、彼の1日。

繰り返される抗えない消失は彼を漂白し、停止し、ゼロに再起動させる。

 

凍りついたように目を閉じたまま俯くデイビットに寄り添う少女は彼の固く大きな手を強く握っていた。

その様を見つめるテスカトリポカは、彼が考えていた仮定がおそらく間違っていないことを確認して息を吐く。

 

「デイビットの意識が消えてもオマエは消えないんだな」

「ええ、私は切り離されているから」

「……そうかとは思っていたが、肉体の無いオマエはデイビットのように定刻による記憶障害の影響を受けないのか」

「……その通り、あれはあの子の肉体に付与された性質のようなもの。肉体という檻から出ている私には影響が無い」

「ならば尚更オマエたちの言葉は不可解だ、そうだろう、セムの女」

「…………」

 

少女は縋るようにデイビットの手をより強く握りながら、テスカトリポカの言葉に目を伏せる。握り返されることのない掌のその反応の無さは彼女に死体へ触れる感覚を味わわせた。そんなわけが、ないのに。死体なんて、むしろこちらのほうなのに。

 

「外宇宙からの干渉と交信、そして記憶障害。それらに侵されようとなお貫く鋼鉄の意志の持ち主こそデイビット・ゼム・ヴォイドだ。ではそのどれもを持ち合わせていないオマエはデイビット・ゼム・ヴォイドではない」

「…………」

「オマエたちは同一存在ではなく、故にオマエはデイビットではない。例えデイビットが作り出し、切り離した人格だと仮定してもなお、オマエはデイビットとは呼べない。そうだろう、身体と名を持たぬ女。ならばオマエは誰だ。オマエは何者だ」

 

神の透き通るような蒼の瞳が一人の女の姿を映し出す。

観測されているのなら存在する。ましてや神の目に映っておきながら、私は存在しないなどという逃げの言葉を許しはしないだろう。

 

けれど、──私は何者なのか?

 

そんなこと、私自身が最も知りたい。

少女は眉間に皺を寄せながら思う。

 

過去に存在した双子の少女を元にデイビット・ゼム・ヴォイドが作り出した仮想人格が肉体から離れた幻覚?

多分それが一番納得できる理論だ。

少女はすでに死んでいる。少なくとも肉体は10年以上前に死んで、その死骸は時計塔のホルマリン液に浸かっている。それはデイビットも間違いなく認識している。彼女をホルマリン液に入れる作業に彼も関わっていたからだ。

 

事実として彼女の肉体はすでに滅んでおり、しかし死んでから連続する彼女自身としての自我は今もなお此処にある。生物とは死んだらそれまでのはずだ。では今もなお続いている彼女は人間ではないのだろうか。

 

私は何者なのか?

そんなこと彼女自身にもわからない。

名前は無く、身体は無く、鼓動は無く。

それでも残る自我のようなものだけが彼女を彼女足らしめる。

例えそれが他者の存在に縋る相対的なものだとしても。

 

「……テスカトリポカ神、神たるあなたを神足らしめるものはあなたの自認と他者からの信仰でしょう。ならば私も変わらない。私がそうであれと望み、望まれる限り、私は胸を張って口にできる」

 

逃げを許さない神の目を見つめ返す。随分と不敬な発言をした自覚はある。不興を買ったら殺されるだろうか?しかし不思議と恐怖は無い。

意識のない弟の手を守るように握りながら、少女は当然のように答えた。

 

「私に名前は無く、身体は無く、鼓動は無く。それでも私は、この子の姉だ。私を私足らしめるものがあるとしたら、それはこの胸の中にある原初」

 

守るために銃を握ったのだ。

それは私ではなく、私の元になった少女の覚悟だとしても、私は(彼女)のその行いを誇りに思う。彼女は善い人だった。その彼女が守ろうとした。その理由はわかっている。

 

「──うん、だって、私はお姉ちゃんだから。弟を、この子を守らなきゃ」

 

私がいなくてもきっとデイビットは大丈夫なのだろう。存在していなければそれを当然として受け入れて生きていくのだろう。

でも、彼には見えている。私を姉と呼んでいる。私の存在を受け入れている。

ならば、私はそうあろう。そこに何の意味もなくても、何の価値もなくても、彼を弟として愛そう。

 

少女の答えに神は微かに表情を変える。

身体は無くとも彼女の意志は硬く、真っ直ぐに見つめ返すその瞳は神が認めた戦士と同じ色をしている。その瞳に、彼は確かな強さを感じている。

 

嗚呼、果たしてこの女は戦士に成り得るのだろうか?

 

子を守ろうとする母を戦士と呼べるのか否かは、その時々のテスカトリポカの人格によって異なる。

彼女は血に濡れるだろうか?目の前の敵へ命を燃やすだろうか?それは、果たして。

 

見てみたい、と思う。想像がつかないとも思う。

その姿は煙の向こう。まだこの女の在り方を見ていない以上、結論を出すのは早い。

ならば最期だ。この女の最期の時に審判を下そう。その人生が戦士のものであったか否かを。

グラデーションのように変化する神の人格が再びゆるりと変わる。面白がるような顔つきをすると彼は喉を鳴らした。

 

「……くくっ、まったく面白い姉弟だ」

「面白がられる謂れはないのだけど」

 

不満げな顔に口角を上げてテスカトリポカは立ち上がる。もうこの場を去るのだろう。散歩に出かけるような気軽さで歩き出した男はひらりと手を降って「じゃあな」と言った。

 

「デイビットと仲良くしろよ、姉貴」

「うるさい」

 

少女の棘のある言葉を鼻で笑って、神は振り返ることもなく去っていった。

その影が密林の奥に消えていったそのとき、彼女の手の中にある硬い掌がビクリと震える。彼の消失していた意識が浮上したことに気がついて、少女は安堵の吐息をこぼす。それから何事もなかったかのように強く握っていた掌の力を緩めた。

 

「……ねえ、さん」

「ええ、ここにいるわ」

「……うん」

 

瞼を開いたデイビットは周囲を軽く見渡す。少しだけ小さくなった焚き火、更け切った夜、静かで騒がしい密林の中、隣にいる姉の姿。

 

テスカトリポカはどこに行ったのか、とデイビットは聞かなかった。

テスカトリポカがやってきたのはデイビットの昨日のうちの記憶されない時間。今のデイビットは先程テスカトリポカがやってきたことも、彼と僅かながらも言葉を交わしたことも覚えていないからだ。

 

別にいいのだろう。大した会話ではなかった。例え記憶の制限がなくとも、数週間もすれば自然に忘れるような、そんな些細なやりとりだった。今消えるのと、いつか消えるのと、どうせ結果は変わらない。

 

ああ、でも、あの神様と話すのは楽しかった。

きっとこの子もそうだっただろう。

 

善き行いを望んで、どのような形であれこの世界を救うために彼が求めた呼び声に人理は応えない。彼の祈りは、願いは届かない。

けれど、彼だけはその声に応えてくれた。

デイビットの在り方を受け入れ、良しとしてくれた、唯一のカミサマ。

 

振る舞いや言動が癪に障ることはあれど、根本として少女はテスカトリポカを好ましく思っている。そしてそれはデイビットもまた同じだと感じている。あなただけが応えてくれたことを知っているから。

 

たった8分の会話。

私たち、楽しかった。楽しかったよね。

さっきまでの3人での会話はとても楽しかった。

 

……なんて、そんなささやかな思い出に浸ることさえできない。そんな余分を持つ隙間さえデイビットにはない。

 

それが少女には、哀しい。

デイビットの持つたった5分の記憶は記録に等しい。1日に起こったすべての中から選択し、圧縮し、事実だけを残し、抵抗し、保存する。

そこに心は残せているだろうか、そこに実感は残せているのだろうか。ただ残す必要のある記憶を記録にして保存しているだけなのではないか。だからお前はどこまでいっても、他者との信頼を信じ切れないのではないか。選択されなかった、選択できなかった、切り捨ててしまったすべての空白がお前を苛んでいるのではないか。

 

だって、たしかにここにあったのに。言葉も心も、あったのに。私たちには残っているのに、お前の中にはない。何も無い。全部全部、奪われた。

 

「姉さん……?」

 

黙り込む少女の様子に気がついてか、デイビットは言葉を紡ぐ。伺うようなその声に少女は抱えていた怒りを隠して素っ気ない声を出した。

 

「……いいから、お前はもう休みなさい。私にいつまでお前のお守りをさせる気?」

「ああ、……いや、もう少しだけ。……いいか?」

「…………そう、好きにしなさい」

 

手を握られる。温みのある硬い掌に私の手が包まれる。けれど私に肉体は無い。私の手を握っていると弟が思っているだけ。第三者がいたらただ彼の手がそのような形を作っているだけのようにしか見えない筈だ。

 

やはり、お前以外に私の持つものはないのよ、弟。

 

そう思いながら彼女は空を見上げる。密林の木々の隙間から覗く星々。少女にデイビットが見た彼方の星は見えない。

 

いつかこの星が砕ける時、ようやく彼女は彼方の宇宙を見るのだろう。

守りたかった弟の命と引き換えに。

 

 

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