ワン魂   作:近衛陸

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第9訓 あー…これ、悪魔の実っていうよりアレじゃねぇ?

 

 

三人は驚いて叫んだ。

 

『なんだこれェェエ!!』

 

 

 

 

 

「……って……どんな始め方ですか?これ……」

 

新八は小説の始まり方に些か不満があるらしい。ボソッと呟いた。

 

「何って……アレだろ?DVD見てる時ちょっとトイレ行きたくなって一時停止ボタン押してスッキリして再生ボタン押したみたいな」

 

「例えが長ぇよ!!大体こんなに時間空いといてトイレ休憩です。っとかどんだけ長いんだよ!!」

 

銀時の言葉に新八が怒鳴るように言った。そんな新八に神楽がなだめるように言い出す。

 

「まぁまぁ、新八落ち着くネ。仕方ないよ、今回はこの馬鹿作者……短編小説書いてたアル」

 

「そうだな。連載小説放り投げて書いてたよな」

 

神楽の言葉に銀時はうんうんと頷いた。新八はそれをチラッと見るとため息をつく。

 

「まぁ。それは知ってますけど……ほんと自分勝手過ぎですよ。読者の方々待ってくれているのに……」

 

「確かにそうだけど、仕方ないんじゃねぇ?アレは記念小説だしよォ……時期ずらすの嫌みたいだし」

 

「はいはいはい、私は満足ヨ!!出番たくさんもらったネ」

 

二人の言葉に神楽は手を上げながら言った。そんな神楽に銀時と新八は顔を見合わせた。

 

「ま、まぁ……俺も出番多かったし?……良かったと言えば良かったけど……なんであばずれとォォオ!!」

 

「銀ちゃん、それツッキーも言ってたネ。もう、絶望してたアル」

 

「絶望だァ?俺のほうが絶望したいわ!!」

 

「何言ってるアルか!!馬鹿作者は大満足に書いてたヨ。もう、ウキャウキャ言っててマジキモイんだよ!!って感じだったアル」

 

「うわぁ……何それ、マジヤバいじゃねぇか」

 

神楽の言葉に銀時は引き気味に顔をしかめた。ナレーションはちょっと泣きそうになった。

 

「はぁ、二人とも……それぐらいにしといて下さい。あまりナレーションを苛めるもんじゃないですよ!!」

 

駄眼鏡はナレーションのフォローに回った。

 

「オィィイ!!フォローした人間に駄眼鏡はねぇだろ!!駄眼鏡は!!……まぁ、とりあえず……今回の小説は僕も良かったと思いますよ。出番たくさんありましたし」

 

新八の言葉に二人は同時に首を傾げた。

 

「「え?新八居たっけ?」」

 

「居たわァァア!!きちんと居ましたよ!!」

 

新八は叫ぶも二人には記憶がないようだ。

 

「あー……まぁ、新八居たかどうかは馬鹿作者の短編見て調べてくれ……ってことでページ埋まったしそろそろワン魂始めるぞ」

 

「え?あっ、はい」

 

「始めるアル!!」

 

そう言うと三人は定位置についた。

 

「あー……読者の皆さんよォ。わりぃが、そこの再生ボタン押してくれねぇ?あっ、その赤いボタン……は自爆装置なんで絶対押すな……」

 

ポチッ

 

『自爆スイッチ入りました』

 

「あっ、銀ちゃん……手が当たって押しちゃったアル」

 

「オィィイ!!なんでお前が押してんだァァア!!」

 

ドッカーンッ!!

 

銀時の叫び声と共に爆発音がなり響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくお待ち下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人は紙を見つめ、叫んだ。そう、紙に書かれていたのは悪魔の実の……領収書だった。

 

「た、高ぇ……何これ?何この値段」

 

「ゼロがァァア!!ゼロが半端ないアル……うぉぇぇえ」

 

「神楽ちゃん!!ぎ、銀さん大変です。あまりの高さに神楽ちゃんが吐きました」

 

新八は神楽の背中を擦りながら銀時に言った。しかし銀時は震えた手で領収書を持って首を振った。

 

「いやいやいや、ナイナイナーイ。こんな高いとか……印刷ミスだろ。だって……こんな高いなんて……俺……俺……うぉぇぇえ」

 

 

「ぎ、銀さぁぁあん!!あんたまで何吐いてるんですか!!」

 

銀時と神楽は悪魔の実の値段の高さによる緊張感で絶え間なく吐いた。新八は交互に吐く二人の背中を撫で続けた。

しばらくして、二人は落ち着いたようだ。

 

「全く……二人ともしっかりして下さいよ」

 

新八はため息混じりに呟いた。そして領収書を律儀に封筒の中に入れようとした。

 

「あれ?」

 

新八は首を傾げる。封筒の中にはもう一枚紙が入っていたのだ。

 

「銀さん、どうやらもう一枚紙が入ってるみたいです」

 

銀時は新八の言葉に微かに眉を寄せた。

 

「オイオイ、勘弁しろよ。これ以上吐くと口から臓器的な物が出ちまうぞ」

 

「マジでか。それ私嫌ネ。臓器的な物の出た人物と一緒に居ると私の臓器的な物も反応して出てきてしまうアル」

 

「出ねぇよ!!そんな臓器的な物出たらホラーだろうが!!」

 

二人の言葉に新八は突っ込んだ。そして封筒から紙を取り出して広げた。

 

「あっ……どうやら、悪魔の実の説明文みたいですね」

 

新八の言葉に二人は顔を見合わせた近付いた。そんな二人を見ると新八は紙に書いてある内容を読み始めた。

 

「えっと……伝説の悪魔の実、アプアプの実について……この実は通常の悪魔の実とは少し違う。そこが伝説と言われるところだ。この実を食べた者は全ての能力が上がる。しかもピンチになればピンチになるほどその時必要な能力が一つだけ上がっていく。その上がっていく能力にはきりがない。しかし急激に能力をあげるため副作用がある……だそうです」

 

「その……副作用ってのは?」

 

銀時は新八の言葉に眉を寄せて聞いた。

 

「書かれていませんね……あっ、けど治癒力が上がるのでどんな不治の病も怪我も治してしまうから莫大な値段がついてるみたいです」

 

「なるほど……」

 

新八の言葉に頷き銀時は自分の身体を見つめた。すると神楽がボソッと呟く。

 

「よく分からないけど……ドーピングみたいなものアルか?」

 

「いやいやいや、確かに似てるけど……神楽ちゃん、それは言ったらダメみたいだよ」

 

神楽の言葉に新八は苦笑いを浮かべた。すると銀時がため息をついた。

 

「どっちにしろ、ドピドピの実だかヤクヤクの実だか知らねぇけど……サラサラにはなんねぇってことかよ」

 

「いや、アプアプの実だから。あんたもドーピングだって思ってんのかよ!!……大体サラサラとかまだ諦めてなかったんですか……」

 

新八は呆れたように呟くと紙を封筒へと戻した。

 

「諦めれるわけねぇだろ!!サラサラは俺の夢だぞ、夢!!」

 

「銀ちゃん、夢は叶わないから夢って言うネ」

 

銀時は拳を上げて言うも神楽の言葉を聞き落ち込んだ。そんな銀時を慰める神楽。二人の様子に新八はため息をついた。

 

「それより、早く町に帰りませんか?このまま上に行くと町への近道になるみたいですよ」

 

新八の言葉に神楽は即座銀時を慰めるのをやめた。そして階段に向かう。

 

「銀ちゃん、新八。早くするネ!!」

 

二人を急がせるよう階段の前で手招きした。三人は階段を上がり最上階へと向かった。

 

 

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