ワン魂   作:近衛陸

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第3訓 人によっては魅惑的な言葉にきこえるよね

 

 

「今回は最初にあらすじから始めるそうですよ」

 

新八が言うと神楽がきっぱり言った。

 

「マジでか。じゃあ、私に任せるネ。確か前回はこんな感じだったアル」

 

 

《前回のあらすじ》

 

洋子は愕然としていた。夫、菓子男の浮気。そして菓子男の母、甘冬との嫁姑争い。

日々凄まじい生活の中、生きることに疲れた洋子の前に現れたのは、菓子男の同僚田河岸だった。

田河岸の優しい言葉にどんどん惹かれていく洋子。

そんな時、田河岸は洋子にプロポーズをした。洋子の心は揺れる、愛する菓子男を取るか優しい田河岸を取るか。

そんな洋子を中心に状況は一気に変わる。

 

どうなる洋子、真実の愛は掴めるのか

 

「こんな感じだったアルな」

 

「いやいやいや、全く違うから!!読者様びっくりしてるから!!アレ?これワン魂だよね?って思ってるから!!」

 

新八が神楽のあらすじに突っ込んだ。すると銀時が面倒くさそうにやってきた。

 

「オイオイ、お前らはあらすじも覚えてねぇのか?」

 

「あっ、銀さん」

 

「えぇ?こんな感じだったアルよ。ねぇ?銀ちゃん」

 

神楽は眉を寄せて銀時に言った。そんな神楽を見て銀時はため息をついた。

 

「ったくよォ。面倒くさいけど銀さんがきちんとしたあらすじ見せてやらァ」

 

 

《前回のあらすじ》

 

『侍の国』僕らの国がそう呼ばれていたのは今は昔の話。

かつて侍達が仰ぎ夢を馳せた江戸の空には今は異郷の船が……

 

「待てェェエ!!それはさかのぼり過ぎでしょう!!……いや、間違ってはないですけど……」

 

あまりにもさかのぼり過ぎた銀時のあらすじにも新八は突っ込んだ。

 

「えー、なんだよ。あらすじなんてこんなもんだろ?」

 

「そうヨ。文句言うなら新八がやればいいネ」

 

銀時と神楽は新八の言葉にきっぱりと言った。

 

「え?僕がやってもいいんですか?それじゃあ」

 

新八は少し嬉しそうにしコホンっと咳をした。

 

 

《前回のあらすじ》

 

僕達は……

 

「つまんないアル」

 

新八があらすじを話しだした途端に神楽が言った。

 

「ちょっと神楽ちゃん。つまんないも何も僕、まだ一言しか喋ってないんだけど……」

 

「つまんないアル。新八の存在が」

 

神楽がいつものように辛辣な言葉を放った。

 

「オォォイ!!存在がつまんないってなんだァァァア!!存在するなってか!!存在するなってことか!!」

 

新八が叫ぶも神楽は綺麗にスルーして銀時の元へと歩いた。

 

「銀ちゃん……つまんないアル。」

 

「あー、そうだな。じゃあ、あらすじは前回を読んで下さいってことで」

 

「そうアルな。それが一番早いネ」

 

「銀さんまでつまんないって………はぁ、結局そうなるんですね」

 

銀時の言葉に神楽は頷き、新八は呆れたように頷いてはため息をついた。

そんな二人を見て銀時は息を吸い込む。

 

そして大きな声で言った。

 

「それじゃあ、今度こそワン魂本編始まるぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪魔の実を探すっと断言した銀時の言葉に新八は眉を寄せた。何故なら銀時は先ほどまで興味なさげにしていたからだ。

 

「銀さん……いきなりどうしたんですか?」

 

確かに目的が決まったのはいいが、怪しすぎる。こんなにもやる気のある銀時を見たのは、ドラゴン○ールの世界に行けると分かった時、甘い物を食べている時、ジャンプを読んでいる時、大金が入る時しかない。

 

(いや、意外とたくさんありましたよ。さっき)

 

新八は律儀に心の中でナレーションにまで突っ込んだ。……と、とりあえずあまりやる気にならないのが銀時である。

 

「あ?どうしたっていつも通りだろうが」

 

銀時はだるそうに答えた。しかし、瞳は微かに輝いており、ジャン船長の言った島のある方向をじっと見つめている。

 

「いやいや、全然いつも通りじゃないじゃないですか」

 

新八が言うと、副船長のケンが口を挟んだ。

 

「シンパチさん、決まってるじゃないですか。もちろん見つけて売るんですよ。悪魔の実は億単位ですし」

 

「えぇぇ!?悪魔の実ってそんなに高いんですか?」

 

ケンの言葉に驚く新八。けど、それで納得した……銀時がやる気を出したのは大金を得るためだろう。

 

「分かりましたよ。絶対見つけ出して売りましょうね。頑張ろう神楽ちゃん」

 

「おぅ、もちろんヨ」

 

話しかけてきた新八にコクコクと頷く神楽。

すると銀時が何言ってんのっと言った顔でこっちを見てきた。

 

「オイオイ、お前ら……俺ァ売る気ねぇぞ」

 

「え?じゃあ、なんで悪魔の実を探すんですか?」

 

新八の言葉に銀時は神楽を呼び耳打ちをした。神楽は一瞬驚くもうんうん頷く。そして新八をチラッと見ると口を開いた。

 

「新八ィ、銀ちゃんが準備して詳しく説明してくれるらしいネ」

 

神楽の言葉に新八は説明を待つ。しばらくするとハンド海賊団の人たちが樽やらたくさんの果物やらを持ってきた。銀時は樽の上にたくさんの果物の中から選んだリンゴを置いた。そしてその傍らに立つ。神楽は樽を挟んだ銀時の向かい側に立った。

 

どうやら準備は完了したようだ。ハンド海賊団と新八が見守る中、銀時は喋りだした。

 

「寝癖を直すのに苦戦して朝遅刻する。今日は大切なデートなのに髪が整わない。皆さんはそのような経験があるだろうか」

 

「あるある。私この前も寝癖直らなくて苦労したネ」

 

「なんですか?これ……なんか始まったんですけど……」

 

神楽はどうやら銀時の助手のようだ。銀時の言葉にうんうん頷く(ちょいちょい入る新八の突っ込みはスルーです)

 

「髪と言えどもなんか整わないとその日の気分がのらない。しかーし、今回ご紹介する商品は一発でそんなあなたの悩みを解決!!」

 

「マジアルか!!どんな商品アルか」

 

神楽の驚く言葉にハンド海賊団や新八はじっと銀時を見つめた。

 

「それはこのワンピース世界に存在する悪魔の実の種類サラサラの実です。な、な、なんと……このサラサラの実一口。そう皆さん一口何ですよ……一口食べるだけであーら不思議。どんな頑固な天パだってきれいなストレートに」

 

「わぁっお、凄いアル。けど……そう言うのって……めちゃくちゃ高いんじゃないアルか?」

 

銀時はリンゴ(悪魔の実と過程して下さい)を持ち上げ芝居かかったように言う。神楽の言葉にハンド海賊団達はうんうんっと頷いた。

 

「いえいえ、当店もその点はきちんとお勉強させてもらってます。値段は赤字覚悟の価格10億ベリーで」

 

『おぉっ』

 

神楽とハンド海賊団は感嘆したような声をあげた。

 

「おぉっじゃねぇよ!!通常より高いじゃん!!ぼったくりも良いところだろォォオ!!」

 

新八が叫ぶがやはり動じず銀時は続けた。

 

「お買い求めの皆さん今すぐ下の電話番号にお電話を売り切れ必死です」

 

「でんでん虫はどこだァァァア!!」

 

ハンド海賊団は皆が皆キョロキョロと辺りを見渡しでんでん虫を探している。

 

「いやいやいや、買えるのかよ。あんたら」

 

新八はもう呆れまくりだ。

 

「それでは、次回の商品は……パッチ売りのパッチです」

 

「え?僕?僕、売り物なんですか?」

 

銀時の言葉に新八は再度銀時を見た。しかしやはりスルーだ。

 

「ではでは、次回をお楽しみに……あっ、ちなみに悪魔の実はカナヅチになる副作用があるのでお気をつけを」

 

「オィィイ!!大事なとこ最後に言ったよ。そこ一番大事だよね!!そうだよね!!」

 

銀時のグダグダな悪魔の実の説明(テレビ通販バージョン)を聞き終えた新八は最後の最後まで突っ込んだ。

 

 

 

 

 

「っと言うわけで俺たち万事屋がなんで悪魔の実を求めるかわかったか?」

 

樽などの片付けを海賊団に任せ、新八に近づきながら言う銀時。そんな銀時の言葉に新八は頷いた。

 

 

 

「はぁ、分かりましたよ。けど、銀さん良いんですか?悪魔の実は食べたらカナヅチになるんでしょう?」

 

銀時を見ながら新八は首を傾げた。そんな新八に神楽は眉を寄せてきっぱり言った。

 

「何言ってるアルか。新八ィ、銀ちゃんは元からカナヅチネ」

 

「か、かぐらちゅわーん。何言ってんの?何言ってんの?」

 

神楽の言葉に銀時は即座反応した。少し冷や汗が出てるのはみないであげよう。

 

「とぼけても無駄ネ。銀ちゃん……原作では海でもプールでも浮き輪装備してるアル。泳げないの丸分かりヨ……っとここの作者がそう言ってたネ」

 

「作者ァァァア!!なんてこと神楽にバラしてんだァァァア!!……読者の皆さん!!違うから銀さんカナヅチじゃないから」

 

「いや、バラしてるって言ってる時点で、あんた肯定しちゃってますから」

 

新八の言葉に銀時はうっ……と黙った。そんな銀時を見て新八は今日何度目かのため息をついた。

 

「それにしても、悪魔の実のある島までどれくらい距離があるんでしょうか?」

 

そんな新八の一言にジャン船長はきっぱりと言い船の先を指差した。

 

「え?もう着いたけど?」

 

船長の言葉に三人は指を差された先を見た。海がキラキラと太陽の光で輝いて見える。その先にポツンと島が見えた。まだ遠いのではっきりとは見えないがそう大きな島ではなさそうだった。

ジャン船長は空気を吸い込むと大きな声で言った。

 

「お前ら、上陸の準備だァァァア!!」

 

『オォォ!!』

 

 

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