つべで流れてきた幼少期のアリウススクワッドがキヴォトスの外に流れ着いた反応集に影響されて書き始めました。
#1『邂逅』
とあるマルチバースの1つにゾイド星…またの名を惑星Ziと呼ばれる惑星が存在していた。
その惑星には地球の生物に似た外見に進化した金属生命体"ゾイド"が生息し、惑星Ziの人々はゾイドの心臓部たるゾイドコアを機械の身体へ移植する事でメカ生体へと改造し、土木工事や運送、そして兵器として利用していた。
ZAC1978年、惑星Ziにある
開戦から半世紀後のZAC2029年、中央大陸の某所にて地球から航海していた銀河開拓船グローバリー3世号が墜落、地球人達からもたらされた高度な技術によってより強力なゾイドが生み出され、戦争は過激化していった。
ZAC2051年、中央大陸戦争末期。劣勢に追い込まれていたゼネバス帝国は
ガイロス帝国軍が保有するギルベイダーを初めとする既存のゾイドを上回る高性能なゾイド達を前に共和国軍は禁断の技術を用いたオルディオスやバトルクーガー、ゴッドカイザー、
しかし、その戦争も唐突に終焉を迎える事となる。
戦争を続ける人々に怒った神からの天罰か…幾つかの彗星が惑星Ziの衛星の
このままでは惑星Ziが滅びる…そう判断した人々はグローバリー3世号を初めとする移民船で惑星Ziを脱出する事を選んだ。
グローバリー3世号は地球へと帰還、地球に持ち込まれたゾイドコアから
そして移民船の1つ…幾つかの小型~中型ゾイドを乗せたは時空の裂け目に呑み込まれた末に未知の惑星へと不時着した。原住人が絶滅したのか無人だが文明の痕跡が残るこの惑星を人々はゾイドを使って長い年月をかけて開拓し、とある1つの巨大な大陸に1つの巨大都市を築き上げた。
人々はその都市を移民船の名前から取って"キヴォトス"と名付けた。
キヴォトス、アリウス自治区某所。
キヴォトスに住まう多くの人々から忘れ去られたその地にて現在、激しい戦闘が繰り広げられていた。
ドーベルマン型ゾイドのジークドーベルとトラ型のガルタイガーがそれぞれ数機、あるゾイドと交戦している。
相手はティラノサウルス型ゾイドが数機。デスザウラーを彷彿とさせる形状ながらそのサイズはより小型だ。
機体名…ジェノザウラー。
…ついでに言うと
ジェノザウラー達のパイロットは皆幼い少女だ。10代前半かそれより前だろうと思われる彼女達だが、その身体は痩せ細り、身体のあちこちには傷痕や痣がついている…とてもまともな環境で育ったとは言えない。
そんな彼女らをジークドーベルとガルタイガー達は逃す訳にはいかなかった。少女の内の1人はロイヤルブラッドと呼ばれるムーロアの血を受け継いだ人物であり、その他の彼女達もまた貴重な
ガルタイガーの中でもジャイロクラフターと呼ばれる簡単に言えばプロペラによってホバリング飛行を行える個体は翼の付いた銀色のジェノザウラーに向けて背中の荷電粒子砲を放つ。
銀色のジェノザウラーは危機察知能力が働いたのかこれを回避するものの、無理な制動で機体が右に90度横向きになった上で翼―AZ超電磁ブレードの先端が地面を抉る。
其処へ物陰に隠れていたジークドーベルが奇襲を仕掛けてきた。ジークドーベルの背部に装備された格闘戦用の切断刃ヘルブレイザーは銀フレームのジェノザウラーのコックピットを狙う。
銀フレームのジェノザウラーはAZ超電磁ブレードを折り畳むと左足裏のスラスターを止めて右足裏のスラスターを全開で噴いて何とか機体をコックピットそのものへの直撃は避けれたものの、ヘルブレーザーはコックピットの右側面を抉りつつ右翼を切断、更にジークドーベルの後脚は銀フレームのジェノザウラーを地面に叩き付けるかのように足場にして蹴る。
バランスを崩した銀フレームのジェノザウラーは墜落、煙の中から現れたのはパイロットである腰辺りに天使の用な羽を生やした銀髪の少女と銀フレームのジェノザウラーだ。そのジェノザウラーは先程までのサイズより遥かに小さく大人の掌に乗るサイズにまで小さくなっている。
銀髪の少女はあちこちから血を流しながらも立ち上がろうとするが右足はヘルブレーザーの先端が掠れたのが出血が酷い上に激しい痛みに襲われて立ち上がれず、翼も負傷しているからかそもそもなのか羽ばたかせて飛ぶ事も出来ない。銀フレームのジェノザウラーは損傷した身体を何とか動かして少女を護ろうとする。
そんな彼女達に迫るジークドーベルとガルタイガー。
『"アズサ"から離れろ!』
其処へ青いフレームのジェノザウラーが両拳を射出、ワイヤーで繋がれた右拳の爪はジークドーベルに、左拳の爪はガルタイガーにそれぞれ命中、2機がよろめかせた好きに青いフレームのジェノザウラーは一気に距離を詰めると尻尾で叩き跳ばした。
ジークドーベルとガルタイガーが転倒した隙に青いフレームのジェノザウラーはアズサと呼ばれた少女と銀フレームのジェノザウラーを掌で優しく持ち上げると脚部の各スラスターを全開で吹かせ、仲間達と合流する。
赤いフレームのジェノザウラーを先頭に青いフレームのジェノザウラーとロイヤルブラッドの少女が乗るジェノザウラーが真ん中、後方に薄緑色のフレームのジェノザウラーによるフォーメーションで先を進む。そして彼女達が元はプテラスといった空戦ゾイド用の出入口となっていた外に通じる崖上のトンネルに差し掛かると
『"ヒヨリ"!今だ!』
『了解!』
『い、行きまぁす!』
青いフレームのジェノザウラーのパイロットの指示でヒヨリと呼ばれた少女が乗る薄緑色のフレームのジェノザウラーは背面の重火器を後方のジークドーベルとガルタイガーに一斉に放って足留めし、ジェノザウラー達がトンネルに入ると
『"ミサキ"!トンネルを崩落させろ!』
『了解!』
今度はミサキと呼ばれた少女が乗る赤いフレームのジェノザウラーがミサイルを放ち、トンネルは崩落してガルタイガーとジークドーベル達は追尾出来なくなったのだった。
トンネルの先は外敵からの侵入を防ぐ為に不定期に内部構造が変化する巨大なカタコンベとなっている。予めカタコンベの構造パターンがインプットされていた5機のジェノザウラー達は迷うことなく内部構造が変化する前に無事にアリウス自治区から脱出して外に出ることに成功したのだ。
(同胞達よ、済まない…)
青いフレームのジェノザウラーのパイロット…錠前サオリはあの地に残してしまった同胞達に心の中で謝罪しつつ他のジェノザウラーと共に"黒幕"の手が及ばないであろう場所…キヴォトスの外へ向かうのだった。
キヴォトスの外部にあるとある街、其処は以前は
吹雪が舞う中、ジェノザウラー達は空き地に着地し、パイロットの少女達は背中のコックピットから降りる。その後にジェノザウラー達も見つからぬように光の繭に包まれた後に掌サイズにまで縮小させた。
廃墟だからと言って安心は出来ない。キヴォトスの外は治外法権に等しい場所が多く、キヴォトス以上に紛争が多発している…というよりはキヴォトスを追放された者達やキヴォトス行きを拒んだならず者達、盗賊や人の手を離れた野良ゾイド、怪獣と呼ばれる強力な原生生物が数多く潜んでいる。
キヴォトスの様にある程度コミュニティの構築に成功した都市も存在しているものの、外敵からの襲来を防ぐ為にEシールドを応用したバリアが張られていたりもしくは外壁に被われている、もしくはその両方だ。
どの自治区の出身だとしてもキヴォトス人がキヴォトスの外へ出る行為は必要最低限の人権や戸籍を失うにも等しい。キヴォトスを出たもしくは連れ出された者は傭兵か実験動物にされるか、人型種族の女性なら娼婦か性奴隷にされるかだろう。
それを分かった上で彼女達はキヴォトスを出る事を選んだ。
彼女達が住んでいたアリウス自治区はトリニティ領内の地下に広がる、不定期に内部構造が変化する巨大なカタコンベから複雑なルートを通った先に存在し、外界との交流を完全に絶った孤立状態である。更に内戦が勃発。市街地は寂れ、ストリートチルドレンも多数生まれる事となり、ロイヤルブラッドとある少女以外は皆孤児だったのだ。
その環境に目を付けた"黒幕"
―Vanitas vanitatum et omnia vanitas―
…全ては虚しい。どこまで行こうとも、全てはただ虚しいものだ…その教えの元に。
少女兵として育てられ、時には"黒幕"達の慰みものとして犯され、挙げ句の果てには
そして"黒幕"達は彼女達が反発どころか僅かな希望を抱く事すら赦さず、厳しく弾圧した。
錠前サオリもまた"黒幕"の教えと実験動物という扱いに疑念を抱いてはいたが、厳しい弾圧を受けていく中でこの状況は良くならないと諦めかけていた。
そんな中でサオリはアズサと出会ったのだ。
幼馴染みだった他の3人…秤アツコ、戒野ミサキ、槌永ヒヨリとは違い彼女とは今まで殆ど面識はなかったが、真っ向から"黒幕"…"ベアトリーチェ"と
それにこのままだと彼女は見せしめとしてベアトリーチェの賛同者によって更なる実験という名の処刑をされかねない。
幸いな事にアズサも自分達と同じく改造手術の成功例であり、奇しくもジェノザウラーのパイロットとして選ばれた存在だ。
『一緒に此処から抜け出さないか?』
希望を与えてくれた彼女を救うには此処から逃げ出すしかない…そう考えたサオリはそアズサに手を差し伸べ、5人は自分達に合わせて調整された実験機のジェノザウラーと共に脱走した。一か八かの賭けではあったが一応成功はした。
しかし、問題はこれからの衣食住と…何よりアズサの怪我の治療だ。いくら治癒能力が高い彼女らとてこのまま放置すれば治るものも治らない。翼はへし折られてから時間が経過している為、治らない可能性の方が高いかもしれないが、せめて出血が酷い右足だけでも応急措置をしなければならない。頑丈なキヴォトス人であってもこのままでは死に直結しかねない。
衣食住に関しても逃げ出す事で精一杯な上に食糧など持ち出す暇もないどころかそもそもまともな食事など与えられた事などなく、与えられたのは味のしない冷たいスープくらいで後は腹の足しにもならない雑草で何とか満たそうとした位だった。
しかもこの場所の今の季節は冬…しかも吹雪が舞っている。彼女達が着ている衣服は薄くボロい布切れである為、下手したら凍死するかもしれない。
出来るだけ寒さを凌ぐ為の場所をサオリは探し、その中から状態が良さげな大きめの倉庫を発見した。外壁は穴が開いておらず、無用心なのか扉の鍵はしまっていない。その扉から5人と5体は中に入る。
倉庫の奥には幾つかの廃材や木箱が置かれている。以外な事に中は綺麗に整理されていた。最近まで誰かいたかもしれないというのは彼女達も察していたが、なりふり構っていられなかった。此処でアズサの応急措置をして吹雪をやり過ごせば衣食住を求めて旅立つ。ひとまずはこの様な流れになる…筈だった。
サオリが自分が着ている布切れを破ってアズサの右足の止血をしつつアツコ、ミサキ、ヒヨリが使えそうな物がないか探していた時、外から車のエンジン音らしき音が聞こえてきた。
「誰か来た…隠れるぞ!」
サオリは小声で皆に呼び掛け、4人がかりで再びアズサを運びながら身を隠せる程の大きさの木箱の裏側に隠れる。
誰かの手によってシャッターが開けられ、中に大型のセミトレーラーが入ってくる。牽引しているのは小型ゾイドも載せられそうなカーキャリーらしき物だ。セミトレーラーが倉庫の中へ完全に入ると当然ながらシャッターも閉められた。
セミトレーラーの持ち主は人間が出入りする為の扉の周辺に僅かに積もった雪と気配から
近寄る相手に4人は警戒心を剥き出しにしつつアツコとミサキ、ヒヨリがアズサを庇う様に集まって身を低くし、サオリはジェノザウラーに積んでた事で持ち出せた銃を手に臨戦態勢を取る。
「―気配でいるのは分かっている、出てきたらどうだ?」
セミトレーラーの主は5人にそう呼び掛ける。暫くの沈黙が続いた中、先に動いたのはセミトレーラーの主だ。その人物は木箱の上に飛び乗り、サオリはその人物に銃を向ける。
「ヘイロー持ち…キヴォトス人か…」
その人物はサオリ達を観察する。サオリは何時でも撃てる様に引き金に指をかける。
一方、セミトレーラーの主は5人を観察する中でアツコ、ミサキ、ヒヨリがアズサを庇う様に身を低くしている事、その隙間から見えるアズサの様子から彼女が怪我をしている事、4人がアズサを守ろうとしている事を察した。
「此方に戦闘の意思はない。怪我をした仲間を救いたいのならその物騒な物は降ろす事だ」
これが
To be continue…
・ジェノザウラーSJS
分類:ティラノサウルス型
全長:約15m
全高:約7.8m
最高速度:240km/h
乗員人数:1名
パイロット:錠前サオリ
装備:レーザーセンサー
脚部アンカー×2
放熱システム
ホバリングシステム
脳波コントロールシステム
内蔵型素粒子コントロール装置
武装:ワイヤーメタルクロー(腕部)
ハイパーストライククロー×2(脚部)
スマッシュテイル
額部レーザーガン
ハイパーキラーファング
収束荷電粒子砲
ロングレンジパルスレーザーライフル×2
惑星Ziがグランドカタストロフで滅びなかった世界から流れ着いた断片的な機体データを元にベアトリーチェの賛同者が開発した機体の1つ。
ゴッドカイザーの元となったコアをクローニングした物を採用した結果、本来のジェノザウラーより小型化されたが荷電粒子砲の威力もゴドス以上ではあるが本来のジェノザウラーやガルタイガーより落ちている。
更に様々な機構を内蔵した結果、
サオリに与えられた本機はフレーム部分が青く、腕部はワイヤーを内蔵して伸縮を可能としつつ爪自体をより大型のメタルクローにする事で近接格闘装備の強化している。