連邦捜査部の番頭神   作:九長秀真

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プロローグ
終わりと始まり


……私のミスでした。

 

私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況。

 

結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……。

 

 

 

 

 

私の選択は、最悪の結果を生み出してしまいました。

 

……私と、先生、両方が失われるという結果を。

 

もし、あなたと私のどちらかだけでも生き延びる結果にさえなっていれば……

 

……いえ、私があの選択をした以上、こうなるのは必然だったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

あの時。

 

先生をキヴォトスにお呼びした時。

 

実質、そこから全ては始まっていました。

 

私は間違いなく、先生を信じすぎていました。

 

先生の能力があれば、なんとかなるのではないか。

 

その考えが、頭を離れませんでした。

 

忘れたと思っても、無意識には存在していて、自然とそれを前提とした行動を取っていました。

 

 

 

 

 

実際、先生は私の想像を遥かに超える能力で、キヴォトスの生徒の皆さんを纏めていきました。

 

それだけではありません。

 

カイザー、AL-1S、エデン条約……

 

あなたの存在一つで、解決が容易になった課題もたくさんありました。

 

……それゆえ、でしょうね。

 

私は先生を信じすぎていました。

 

だからあの時、私は私の選択を通してしまった。

 

 

 

 

 

あなたの一見無意味な選択を、私は否定しました。

 

ですが、私には「無意味に見えた」では済まされない落ち度があります。

 

……私は、先生を信じすぎていたあまり、仮に私が間違っていたとしても先生と協力すればなんとかなると勝手に考えていました。

 

今回の事例が今までと同じようにいくわけがないのは明白だったのに……。

 

その結果、私は誤った選択をし続け、この結果にたどり着いてしまった。

 

 

 

 

 

責任を負う者について、話したことがありましたね。

 

あの時の私にはわかりませんでしたが……。今なら理解できます。

 

大人としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択。

 

それが意味する心延えも。

 

もし、私がそのことを理解できていたなら、

 

この()じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……。

 

そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかっていたはず。

 

 

 

 

 

……いえ、もしかすると、こうなるのは必然だったのかもしれません。

 

先生がキヴォトスに来なければ、私はこのことに気付くことなく、この結末を迎えていたことでしょう。

 

ですが、先生がいらっしゃると、どうしても頼ってしまう。

 

この未来が()えていなければ、何度やり直しても同じことでしょう。

 

少なくとも、私が(かじ)を取っている限り。

 

 

 

 

 

あなたは、もし未来が視えていなかったとしても、私に否定される未来が視えていたとしても、同じ状況で、同じ選択をされるでしょう。

 

解決の糸口は、いつもあなたにしかできない選択でした。

 

そのことに、今になってようやく気づきました。

 

選択がどれほど大事なのかということを、身をもって実感しました。

 

……だから。

 

 

 

 

 

……先生。

 

私はこれから、ある選択をします。

 

この選択は、あなたが無事であることが前提でした。

 

……これも、私が先生の能力を信じすぎていた結果です。

 

ですが、それでもこの選択に意味があると信じます。

 

 

 

 

 

キヴォトスの明るい未来を信じて。

 

起こるかもしれない、奇跡を信じて……

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