連邦捜査部の番頭神   作:九長秀真

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どうも皆さんこんにちは。作者の九長(くなが)です。
やっとこさ序章が終わってアビドス編です。少なくともアビドス3章までは書くつもりでいます(いつになるかはわかりませんが……)。
キヴォトスへの浅い理解と拙い文章で申し訳ありませんが、よろしくお願いします!

……今更ですけど「プロローグ」と「序章」って一緒じゃないですか?


第一章 砂漠に舞う天水分神(アメノミクマリ) 前編
1-序 ニワタリ神、砂漠へ発つ


 キヴォトスに来て、「先生」になって、数日。

 アロナさんやリンさん、それから時々来てくれる連邦生徒会の扇喜(おき)アオイさんのお陰で、ある程度キヴォトスについて知ることができました。

 幻想郷にいた頃とは色々なことが違いすぎて、正直頭がごちゃごちゃになってます。

 完全に慣れるまで暫く時間がかかるかも……。

 

「……これでひとまずは終わり、ですかね?」

 

 色々なことが違いすぎる、とは言いましたが、逆に通じる部分もところどころあります。

 書類業務の勝手が是非曲直庁とほぼ同じなのには本当に助かりました……!

 

「お疲れ様です、先生!」

 

「アロナさんも、ありがとうございます! お陰で仕事がかなり楽に進められています!」

 

「先生のお役に立てたなら何よりです! ……ただ、これでもかなりきつい仕事だと思うんですけど」

 

「あれ、そうですか?」

 

「はい。少なくともそんなハイテンションで終えられるような仕事量ではないです」

 

「そうなんですかね?」

 

 もしかして、私が神様なのが関係しているのでしょうか?

 疲弊しにくい性質を持っている、とか。

 それとも、「大変」の価値観の違いでしょうか?

 実は私が慣れているだけだったり?*1

 

「これが大人……流石です、久侘歌先生!」

 

「まぁ、疲れてないと言ったら嘘になりますけどね」

 

 仮に慣れているだけだったとして、それだけでは疲れない理由にはなりません。

 でも、楽しければその疲れも爽やかに感じられます!

 仕事を「楽しい!」って思うのは大変ですけどね……

 

「さて、昼食にしましょう!」

 

 私は朝に買っておいたお弁当を用意しました。

 本当だったら自炊したいんですが、忙しいのであまり余裕がないんですよね……

 リンさんが入ると言っていたコンビニ「エンジェル24」でお弁当やお惣菜を買って済ませているのが現状です。

 従業員のソラさんと話すのが日課になりつつあります。

 中学生なのに凄くしっかりしてる子なんですよね!

 

「……そういえば、先生の食事って野菜が多いですよね」

 

「私の頭を見ればなんとなく理由が分かると思いますよ」

 

「……あぁ、そういうことですか」

 

「私自身は全然食べられるんですけどね」

 

 鶏肉じゃなければ、そろそろ食べても怒られないと思うんですけどね。

 というか、鶏だって共食いするんですし、今更な気が……

 

「あと単純に、野菜が好きっていうのもありますね」

 

「なるほど……」

 

「では、いただきます!」

 

(はむっ)

 

「美味しい……!」

 

 レタスのシャキシャキとした食感と新鮮な味、とうもろこしの柔らかさとほんのり感じる甘さ……

 こんなに美味しいものが十文で食べられるなんて……!

 

「ほら、ピヨちゃんも一口!」

 

「ピ?」

 

(はむっ)

 

「ピッ! ピッ!」

 

「ふふっ、美味しいですよね!」

 

 今はいませんが、私と暮らしている鶏たちにも食べてほしいです!

 ……あ、美味しいってわかったら鶏たちが店に乱入しちゃうかも。

 難しいところですね……

 

「ごちそうさまでした!」

 

 そんな事を考えていたら、あっという間に食べ終わってしまいました。

 とっても美味しかったです!

 食器の処理をして、再び机に向かいます。

 

「このあとはなにかありましたっけ?」

 

「いえ、今日は何もありません。追加で書類が来たらそれをこなすぐらいだと思います」

 

「わかりました、ありがとうございます!」

 

 なんだかんだ、キヴォトスに来てから初めてのゆっくりできる時間ですね。

 仕事というより、引っ越しの直後のような忙しさがありましたから……。

 今日はここでゆっくりしましょう♪

 

 

 

 

 

 

 お茶を淹れて、柔らかい長椅子に座って、ピヨちゃんを膝に三人でお茶を飲む。

 至福のひとときですね〜。

 

「先生の淹れたお茶、美味しいです!」

 

「ピ!」

 

「ありがとうございます! 嬉しいです!」

 

 水の扱いには慣れてるんですよね。

 こう見えて私、ミクマリの神でもあるので。

 

「……そういえば、アロナさん」

 

「はい、どうしました?」

 

「昨日だったか一昨日だったか……忙しくて流してしまった話、ありませんでしたっけ? 内容が何だったか覚えてませんけど……」

 

「忙しくて流した話……あぁ、あれですか!」

 

「その話、折角ですしお願いしてもいいですか?」

 

「はい! もちろんです!」

 

「ありがとうございます!」

 

 その時じゃないと言えない話とかじゃなくてよかったです!

 実はずっと気になってたんですよね……*2

 

「キヴォトスに先生が来てから今までの数日間で、シャーレに関する噂はかなり広まっているみたいです」

 

「そうなんですか?」

 

「はい。ユウカさんたちと共闘したときのことがSNS上で広まったのをきっかけに、各学園の上層部にまで存在が知られているようです」

 

 SNS……今度はわかりますよ!

 なんてったってこの間アロナさんが教えてくれましたから!

 えっと、確か……

 ……

 ……なんでしたっけ?*3

 確か、掲示板みたいなものだったと思うのですが……

 

「それに伴って、他の生徒達から助けを求める手紙も次々と届いています」

 

「えっ、そうだったんですか?! もし緊急性の高いものだったら……」

 

「大丈夫です。殆どが急がなくても問題ないものでしたので。私でも対処できるものはある程度対処してあります」

 

「ほっ……それなら良かったです! ありがとうございます、アロナさん!」

 

 本当にそれどころじゃなかったですもんね……

 そういった依頼には余裕のある時に対処していくことにしましょう。

 

「いえ! 何にせよ、良い兆候です! 私たちの活躍が始まるということですから!」

 

「ですね!」

 

 キヴォトスのあちこちで起きる「小異変」を解決していくことになります。

 そのうえで、基本的に知名度はあったほうがいいです。

 その方が人脈が広がっていろいろなことができるようになりますから。

 

「……ただその中に、ちょっと不穏な、手紙がありまして」

 

「不穏な手紙? どんなものです?」

 

「今朝届いたものなんですけど、これは先生に直接読んでもらったほうがいいかなと」

 

 そう言って、アロナさんはシッテムの箱の画面に手紙を表示しました。

 

 

 

***

 

 

 

連邦捜査部の先生へ

 

 

こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。*4

今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。

単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。

それも、地域の暴力組織によってです。

 

こうなってしまった事情は、かなり複雑ですが……。

どうやら、私たちの学校の校舎が狙われているようです。

今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底を突いてしまいます……。

このままでは、暴力組織に学校を占領されてしまいそうな状況です。

 

それで、今回先生にお願いできればと思いました。

先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?

 

 

 

***

 

 

 

「……確かに、これは不穏ですね」

 

 というか私、似たような状況を見たことがあります。

 霊長園のときの異変です。

 その時とは助けを求めている立場が逆ですが……

 

「アロナさん、アビドス高等学校ってどんなところですか?」

 

「キヴォトスの砂漠地帯にある学校です。昔はとても大きい自治区でしたけど、気候の変化で街が厳しい状況になっていると聞きました。かつてはキヴォトスの三大校に数えられていましたが、今となっては噂もほとんど聞きません」

 

「そうなんですね……」

 

「でも、自治区の大きさは健在みたいです! どれほど大きいかというと、街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるぐらいだそうです!」

 

「ええっ?!」

 

 思わず声が出てしまいました。

 

「街のど真ん中で遭難だなんて、そんなことありうるんですか?!」

 

「あはは、まさか……。さすがにちょっとした誇張だと思いますが……」

 

「ですよね……」

 

 そこまで広いと、自治区の管轄も大変でしょうからね……。

 自治区の一部を売却、なんてことをしててもおかしくありません。

 

「でも、そんな噂が流れるくらいですから、かなり広いことには間違いなさそうです」

 

「とすると、かなり歩くことになりそうですね……」

 

「……にしても、学校が暴力組織に攻撃されているなんて……ただ事ではなさそうですが、何かあったのでしょうか?」

 

「うーん……」

 

 少し考えてみますが、「廃れているから治安が悪化している」ぐらいしか理由が思い当たりません。

 でも、なんとなく、理由はそれだけじゃない気がするんですよね……。

 普通、現役の学校の校舎なんて狙うはずがありませんし。

 

「……こればっかりは、行ってみないとわかりませんね」

 

 私は湯呑みを机に置き、ピヨちゃんを頭に乗せて立ち上がります。

 

「今から行きますよ、アビドス高等学校に!」「ピッ!」

 

「すぐに出発ですか!? さすが、大人の行動力! かしこまりました! すぐに出発しましょう!」

 

 

 

***

 

 

 

 そうして、私たちはアビドス高等学校の自治区にやってきたのですけど……

 

 

 

 

 

「どこですか、ここー!?」

*1
その通りである。映姫を休ませる前に小町を見習って休んでいただきたい。

*2
鳥頭とは?

*3
嘘つけ

*4
久侘歌「おくそらさん……であってます?」

アロナ「はい、アビドスの奥空さんは『おくそら』です」




序章のときは「〇〇なニワタリ神、庭渡久侘歌」という感じのタイトルで統一していましたが、これからは普通につけます。時々東方の原曲名のオマージュとか出てくるかも。
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