こっちのほうが多分見やすい、はず。
タイトルはいいのが思いつかなくて適当につけました。
「さっきの戦闘なんですけど」
目的地へと走っている途中、スズミさんがそう話し出しました。
「なんだか、いつもよりやりやすかった気がします……」
「……やっぱりそうよね?」
「そうだったのですか?」
霊長園の埴輪兵長の見様見真似でやっただけなんですが……
「ええ。先生の指揮のおかげで、普段よりずっと戦いやすかったです」
「指示が的確だったというか、なんというか……理由はよくわかりませんが、間違いありません」
「なるほど……でしたら良かったです!」
……正直なところ、自分でもなんでここまでうまく行ったのかわかってないんですけど。
それでも、役に立てたなら嬉しいです!
「これが、先生の力……。まあ、連邦生徒会長が選んだ方だから当たり前か……」
「……そういえば、皆さん」
「どうされました?」
「少し気になったんですけど……皆さんって、連邦生徒会長さんに会ったことってありますか?」
「うーん……」
ユウカさんは少し考えて、続けました。
「……直接見たことならありますけど、会って話したことはないですね」
「
「私達の学校でも
「例の件のときに何度かいらっしゃっていたので、今の2、3年生はもしかしたら会ったことがあるかもしれませんね」
「なるほど……」
直接会っていなくても、ここまで信頼され、評価されている。
こういうときって、単に噂が誇張されているか、それとも本当にそうであるかのどっちかです。
そして、大異変真っ只中の今、最高権力者に回答を求めに来たような人たちがこう言っている。
……私も、頑張らないといけませんね。
[……報告が三つあります]
リンさんの声が聞こえてきました。
[一つ目ですが、正面右側にひときわ目立つ白いビルが見えると思います]
「正面右側……」
確かに、白くて高い建物がありました。
[あれが、私達の目的地です]
「あの建物ならすぐに着くじゃない! 早く行きましょう!」
「待ってください、ユウカ。あと二つ報告があります」
「確かにそうだけど……まぁいいわ。それで、残り二つの報告は何?」
[……二つ目は、あなた達が今遭遇している騒動の中心人物についてです。身柄がわかりました]
「え、近くの不良がただ集まっただけじゃないの?」
[ええ]
リンさんは一呼吸おいて、続けます。
[災厄の狐、
「矯正局……」
文脈からするに、恐らく収監施設でしょう。
さっきの「れんぽーきょーせーきょく」はおそらくこれのことです。
連邦生徒会が管理している収監施設、といったところでしょうか。
そこに捕まって、そして脱獄した人……?
なかなか手ごわそうですね……。
[そして三つ目ですが……その狐坂ワカモが、シャーレのビルの入口の前を陣取っています]
「ということは……」
[ええ。シャーレの部室を奪還するためには彼女たちと交戦する必要があります]
できるだけ戦闘は避けたいんですけどね……。
***
「……あらら。連邦生徒会は来ていないみたいですね」
七囚人、災厄の狐こと狐坂ワカモ。
百鬼夜行連合学院にて無差別かつ大規模な破壊行為を複数回行い、停学処分。
SRT特殊学園・FOX小隊の活躍もあり連邦矯正局に収監された。
「フフッ、まあ構いません。あの建物に何があるかは存じませんが、連邦生徒会が大事にしてる物と聞いてしまうと……壊さないと気が済みませんね……」
矯正局にいたとき、ワカモは何者かからこの建物と例の物について教えられた。
もちろん、当時はそれが何か、連邦生徒会長以外誰もわかっていなかったが……
その重要性、その一点だけは理解していた。
「ああ……久しぶりのお楽しみになりそうです、ウフフフ♡」
***
目的地の建物の入口付近まで、特に大事もなく進むことができました。
今は物陰に隠れて敵の様子を伺っています。
「ピ……」
「大丈夫ですよ。何かあっても、私が全力で守ります」
「……先生の頭の上のそのヒヨコって、髪飾りじゃなくて本物のヒヨコなんですね」
「しかも会話できるんですね……」
「かれこれ長い付き合いですので。笛吹きはピヨちゃんに教えてもらったんです」
「ピッ!」
ピヨちゃんが誇らしげにしています。
よかった、狐への恐怖心はなんとか少し晴らせたみたいですね。
「それで、なんですけど……多分、あの狐みたいな方が狐坂ワカモさんですよね?」
[ええ。似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気を付けてください]
「わかりました、ありがとうございます!」
……さて。
「今はあんまり数も多くありませんが、騒動の中心人物がいるとなればわかりませんね」
「しかも、今ぱっと調べただけですが、巡航戦車を数両保有しています」
戦車……あの、狐坂ワカモさんが乗っているあれのことでしょうか。
確かに厳つい見た目してますし、なんか強そう……!
……今更ですけど、こういうことになるんだったら、早苗さんや
「……あの戦車、クルセイダー1型じゃないですか?」
「見覚えがあるなと思ったら……そういうことですか」
「確か、トリニティの制式戦車でしたっけ?」
「はい」
ハスミさんが真剣な面持ちで頷きました。
「トリニティで制式になっているだけあって、かなり強力な戦車です」
「この人数で対処できるかどうか……」
私には何やらわかりかねますが、とにかく不味い状況だということだけはわかりました。
ただ、あの戦車(くるせいだー? いちがた?)とやらがどういうものなのか詳しく知らないので、作戦を立てにくいんですよね……
うーん……
(……あ、そうだ!)
わからないなら、使わせなければいいのでは?!
「大丈夫です、私にいい案があります!」
あけましておめでとうございます!
今年も久侘歌様をよろしくお願いします!
……そろそろ序章、終わりたいな(最低でもあと2、3話はかかりそう)