騎士(笑)の日常   作:ガスキン

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アザえもんのお茶目でオルタ世界に跳ばされたオリ主が機動兵器サイズに戻ったラフトクランズで要塞級をオルゴンクローで引き摺り回して、居合わせたヴァルキリーズの一同が「ファッ!?」ってなる。

スパロボ世界の変態機体や変態武器のデータを見て寝込む夕呼先生。

まりもちゃんに迫る兵士級にアナイレーションかますオリ主。

・・・そんな夢を見た私は戦車級にぱっくんされてしまえ。


潜入!乙女の園 その四

「あ、帰って来た」

 

食堂に戻ると、出て行く前と同じ面子が誰一人欠ける事無く同じ場所に座っていた。デュノアさんがいち早く俺達に気付き声を上げると、他の子達もそれぞれに顔を向けて来た。

 

「お帰り姉さ・・・織斑先生」

 

織斑先生の一睨みですぐさま言い直した織斑さん。最早指導というよりも調教と言った方がいいかもしれない。

 

「あら? 黛さんじゃないですか。どうしてあなたがお二人と一緒に?」

 

布仏さんが付いて来た黛さんを見て可愛らしく首を傾げる。

 

「取材です。こんな面白い出来事を放っておくわけにはいきませんからね」

 

ムフフと意味深な発言をする黛さん。一瞬アル=ヴァンセンサーが反応したが・・・どういう事だ?

 

十秒ほど身構えたが特に何も起きなかった。それならそれでいいのだが、ならどうして反応したのだろうか。

 

「兵藤君とアザゼル先生は?」

 

「戻られたのはお二人が一番ですわよ」

 

オルコットさんが答えてくれた。という事は、まだ戻って来てないって事か。なら、戻って来るまでここで待たせてもらおうかな。

 

「すまない。二人が戻るまで待たせてもらえないだろうか」

 

「ええ、もちろん。というか、あなたはお客様なんだからそんなに遠慮しないでいいわよ」

 

更識さんが『遠慮無用』の扇子を手にニッコリ微笑む。感謝しつつ、俺は空いている席に着いた。よく見ると、彼女達の目の前にはトレーに載せられた料理が並んでいた。時計を確認すると丁度十二時を過ぎていた。

 

「ああ、もうこんな時間か」

 

入口の方へ目をやれば、女の子達が続々と食堂に入って来ていた。それはいいんだが、こっちを見る度にギョッとするのは止めて頂きたい。女子寮に男がいるのに驚くのはわかるが、そんな風にリアクションされるとこっちも地味に傷付くんですよ?

 

兵藤君は大丈夫だろうか。彼、普段は女の子が好きと言ってはばからないが、いざとなるとしり込みしてしまうからな。現にここの女の子達の視線に晒されて委縮してたし。そう言うお前はどうだったのかって? 俺は織斑先生の背中をジッと観察してたからそれは気になって無かったから。

 

話が逸れたな。とにかく、二人が戻って来るまでただ待つのもあれだし、俺も昼飯を買ってこようかな。そう決めて立ち上がる俺に、布仏(妹)さんが相も変わらずののほほん加減で尋ねて来た。

 

「どこ行くの~?」

 

「ちょっと昼食を買いに行って来る。よければこの辺りのコンビニの場所を教えてもらえると助かる」

 

「別にわざわざ行かなくてもここで食べればいいじゃない」

 

いや凰さん大学の食堂みたいに一般の人にも解放しているような所ならともかく、寮の食事は寮に住んでる子しか食べれないんじゃないの? そう口にすると、またしても更識さんが微笑む。

 

「特例ですが、生徒会長としてあなた達は認めます。戦の前は腹ごしらえをしておかないといざという時に力が出ないわよ」

 

戦て・・・。いや、まあ彼女達からしたら、下着を盗んだ憎き敵との戦い・・・という事になるのかな?

 

「話は纏まったか」

 

「織斑先生もどうですか?」

 

「・・・そうだな。せっかくだ、ご相伴にあずからせてもらおうか。神崎君、キミの分も取って来てやるからまっていたまえ」

 

「え、あ・・・」

 

流石にそれは申し訳ないと言う前に織斑先生は立ち上がるとさっさと行ってしまった。うーむ、厳しそうだけど、面倒見も良さそうな先生だ。だから出席簿アタックをかましても慕われているのかもしれないな。

 

「で、どうだったかしら。寮を周ってみての感想は?」

 

「そうだな・・・。正面を除いてあれほどの塀が設けられている以上、普通の人間では余程の身体能力が無ければ乗り越えられないだろう」

 

「そうね。加えて、あの塀の上には防犯用のセンサーが張り巡らせてあるわ。乗り越えられたとしてもセンサーが反応して大きな音が鳴るようになっているの」

 

まあ、今は機能していないけどね、と苦笑する更識さん。あ、そうだ。あの事を彼女に聞いてみよう。

 

「更識さん、一ヶ所気になった所があるのだが」

 

「どこかしら?」

 

「塀の一部にブルーシートが掛けられていたのだが、あれはどうしたんだ? オータムという先生にも会ったのだが、どうも織斑先生が関係しているそうなんだが・・・」

 

俺が何の気なしにそう言った直後、その場にいたみんなが何とも言えない微妙な表情を浮かべた。ぬぬ、ひょっとして聞いてはマズイ事を聞いてしまったのだろうか。

 

「神崎君、オータム先生に会ったの?」

 

「ああ。それとスコール先生にも」

 

「さっき、オータム先生がプリプリしながら食堂に現れたんだけど、あなた何かしたの? ほら、今もあそこからあなたを睨んでるわよ」

 

え、マジで? と指された方へ振り向くと、確かにそこにはオータム先生がいた。しかも更識さんの言う通り凄い目で俺を見ている。隣に座るスコール先生も優雅な笑みと一緒に手を振っている。正直、俺じゃなくて隣の方を何とか宥めて欲しい。

 

「はいはーい! それは私がお答えしましょう!」

 

いつの間にかちゃっかり隣に座っていた黛さんがテンション高く手を上げた。何故にキミがここで手を上げるの?

 

「実は私、神崎さんとオータム先生のやり取りを物陰から盗ちょ・・・聞いていたのです」

 

今盗聴って言おうとしたよね。ねえ、絶対盗聴って言おうとしたよね? おかしいな。出るタイミングが無かったから仕方無く聞こえてしまったんじゃなかったっけ?

 

そんな俺を無視するように先程の俺とオータム先生の会話を一人二役で再現する黛さん。正直、わざわざそんな事しなくても普通に話せばいいと思う。てか、俺の真似が酷過ぎる。俺、そんなカッコつけた声じゃないよ。これじゃオータム先生だけじゃなくて更識さん達にまでカッコつけ野郎と思われちゃうじゃないか!

 

「・・・ってな感じでしたね。いや~、あのオータム先生を前に一歩も引かずあそこまで言い放つとは思いませんでしたよ。特に誓い~云々の所では完全に気圧されてましたしね~」

 

(ギリリ・・・!)

 

ひいぃっ!? な、なんか背中に感じる視線が強くなったぞ!? センサーがさっきから振りきれてるし! 具体的にはオータム先生の方から!

 

「え、ええっと、ひょっとして、神崎君は演劇部か何かに入っているのかしら」

 

気にするな俺! そうとも、気にしては駄目だ! ほら、更識さんが話しかけて来てるぞ。

 

「いや、そういった類のものに所属した憶えは無いな」

 

「そ、そう? それにしてはセリフ回しがやけに芝居がかっているというか・・・」

 

んー・・・たぶん口調がアル=ヴァン先生だからだろうな。普通なセリフも先生を通したら途端にカッコよくなるし。

 

「はは、むしろ演技は下手な方だと思うが」

 

思った事がすぐに口に出たりするから、演技しようとしてもすぐにバレちゃうだろうな。

 

「それで、結局の所原因は何なんだ? 言い難いのだったら無理に聞く気は無いのだが」

 

すっかり脱線してしまった話を戻す。ふと更識(妹)さんから視線を感じたので顔を向けると慌てて逸らされた。何か言いたい事があるのなら遠慮無く言ってもらっていいのだが・・・まあ、今の彼女には難しいか。

 

「・・・あれは織斑先生が壊したの」

 

「どうやって?」

 

厚さもそれなりにあったし、壊すとなるとそれなりの物を用意しないといけないだろう。いや、そもそも何で壊す必要があったんだ。

 

「それは私よりも彼女に答えてもらった方がいいわね」

 

そう言って更識さんが示したのは織斑さんだった。彼女は一人黙々と昼食を進めていたが、その手を止めこちらに顔を向けた。

 

「あの壁は犠牲になったの。そう・・・姉さんの新技の犠牲にね」

 

新技? え、ちょっと待って。つまり・・・あの壁は織斑先生自身の力でぶっ壊したって事? 何それ怖い。

 

「夏休み中に新しい技を思いついたと聞いたから、興味があった私は姉さんとの手合わせの中で見せてくれるようにお願いした」

 

女子高生の口から手合わせなんて言葉が出て来る時点で色々おかしい気がするが、今は置いておこう。じゃないとここから先の話に耐えられない。

 

「姉さんが低い声で「死ぬなよ」と呟いた瞬間、私は本能的に横に飛んだ。その直後、私が今まで立っていた場所を何かが通り過ぎ、気付いたら後ろの塀がボロボロになっていた」

 

ああ・・・撃ったんだな。とうとう気弾的なものまで撃てるようになっちゃったのね、織斑先生。もう先生辞めて格闘家になった方がいいですよ。あなたなら最速で世界最強にんれますよ。

 

「さすが千冬さんだ。私もその場に立ち会いたかったものだ」

 

篠ノ之さんが腕を組みながらうんうん頷く。何なのこの子達。織斑先生も含めてバトルジャンキーなの?

 

「そういえば箒。ずっと聞きたかったんだけど、どうしてアンタそんなに千冬さんを尊敬してるの?」

 

「ああ。それはな、あの人が姉さんを変えてくれたからだ」

 

「お姉様と言うと・・・束さんの事ですか?」

 

「おお、あの人か! 前に一度会った事あるけど、優しい人だったな。お菓子もたくさんくれたし」

 

「そうだね。初対面の僕達にも随分フレンドリーだったよね」

 

へえ、社交性の高いお姉さんなんだな。きっととても素敵な女性なのだろう。

 

「今でこそお前達の言う様な性格だが、昔は今とは全く違っていた。私の様な身内や、千冬さんみたいな極々近しい友人以外の人間にまるで興味を持たず、常に冷淡な態度を崩さなかった」

 

篠ノ之さんの独白に、織斑さん以外の子達が目を丸くする。それほどの驚きだったのだろうか。

 

「でも、それならどうして今の束さんはあんなに・・・」

 

「姉さんが中学生の時だ。同じクラスの者を酷く傷つけてしまったんだ。それで、千冬さんが謝るよう言ったんだが、姉さんは「有象無象が泣こうが喚こうが知ったこっちゃない」と言ったらしい。それで千冬さんの怒りが限界を越えてしまった」

 

「そ、それで・・・?」

 

「千冬さんはその場で姉さんに対し、地上打ち上げからの空中六連コンボを叩き込んだらしい。気絶した姉さんが目を覚ました時、傍には姉さんが泣かせたクラスメイトが付き添っていた。・・・それからだ、姉さんが変わったのは」

 

「私としては気絶程度で済んだ事に驚きなんだけど・・・」

 

「そういうわけで、私は姉さんを変えてくれた千冬さんを尊敬している。・・・あのまま行けば、いつか姉さんは取り返しのつかない所までいってしまいそうだったから」

 

うん、いい話だ。いい話なのだが・・・正直、六連コンボの件のインパクトが強すぎて他が霞んでる。

 

「何を話している?」

 

「ッ!? い、いえ、その、ちょっと勉強の事でみんなに相談を・・・」

 

っと、ここで本人が戻って来た。慌てて話を変える篠ノ之さん達。

 

「ほう、感心だな」

 

どうやら誤魔化せたようだ。織斑先生が俺の前にトレーを置く。

 

「何が食べたいか聞くのを忘れていたので適当に選ばせてもらった。だが、味の保証はするぞ」

 

「ありがとうございます」

 

そして、俺は織斑先生と同時に箸に手を伸ばすのだった。




本編を一々挿入投稿するのが面倒だからと分けた番外編ですが、分けた事で話数が増えても問題無い事に気付いて密かに喜んでます。これでゆっくりじっくり書けるぞ。

次回は他の子達について触れようと思います。ええ、みなさんのご想像通り、ゆるーい感じになってます。
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