東の国へ!……って人助けしないとアカンの?
雪山を出て3日。俺達は人間との戦闘をならべく避けながら、街道を進んでいた。
『ここを抜ければ東の国だ。幸い関所みたいなのはないから安心して通れるな』
「ああ。後はその国でどれくらい進化とレベル上げができるかだな」
ソウゴの言う通りだ。もし、東の国がナンバリング序盤並みの低レベルモンスターしか湧かない場所だった場合は考え方を変えなければならない。
『どこかCランク以上の強さを持つモンスターがうろつくダンジョンがあればいいんだが…』
「おいおい。そんな都合のいい場所なんてそうそう見つかるわけねぇだろ?」
互いにジョークを言いながら東の国に入る国境を抜けた。
ここからは俺にとって未知の場所だ。
『む、人間が来たな。隠れてやり過ごすぞ』
「わかった」
咄嗟にレーダーが人間の生体反応を出し、俺に伝える。
近くの茂みに隠れて、その影の行方を見守った。
「……MPも尽きて、体力も枯渇…街は目の前だが…」
街道に歩いてきたのは深く傷を負った一人の女騎士だった。
その後ろには、何やら武装した二人組がいる。
「へっへっへっ……この女騎士、上玉だぜ?」
「普通に捕らえるんじゃ勿体ねぇ。ここでマワすってのはどうだ?」
不気味に笑う姿が見える。成程、追われていたのか。
『さて、どうする?俺は見守るが、助けに行くか?』
「当たり前だろ?それに人助けをしないのは元スライムナイトとしての根性が許さないぜ!」
メタルライダーなんだよなぁ……今のお前。
俺は『やれやれ』と言いながら、武器を構え、瀕死の女騎士の前に出てくる。
タイプGとメタルライダーが現れた!って表示されるんだろうな……。
『おい。この人間の雌を相手にする暇があるなら、おとなしく俺たちの経験値になれ』
「な、なんだ?モンスターが喋っただと?」
「噂の「
拙いな……ここまで噂が広がってるとはな。情報の回りが早い。
『ソウゴ。その女騎士の回復を頼めるか?』
「任せろ。ほら、動くな。大胆だが、オレ達もダメージを受けてるんでな。ベホマラー」
ソウゴが唱えた回復呪文が俺達の傷を癒す。
「助かった…なぜ私を助けるかはわからないが…感謝する」
そうしている間に俺は二人のグループに早速覚えた特技の試し切りをしていた。
『こいつを使うのは初めてでな……試し斬りに賊を使うか』
片手に持つ剣に灼熱の炎が付与され、思いっきりかつ素早く横薙ぎに斬り払う。
「おい!この特技は拙いって…!」
「タイプGってこんな理不尽な特技持ってたか!?」
『問答無用…! 灼熱斬!』
ドラゴンクエストモンスターズ3から追加された特技の一つ。
敵全体に炎属性の斬撃ダメージ(中)を与える。一部ではスキル書周回に使われる特技だ。
炎ブレイク大が必要になるが…。
「のぉわああああ!?」
「あ、兄貴ぎゃああああああ!!」
灼熱斬を食らった二人組は一撃で焼き焦がされ、炭になる。
『あれ?意外とあっけないな…経験値もなかなか入らない』
てっきり耐えてくるかと構えたが、運よく弱い奴らに当たったのか?
『ソウゴ、終わったぞ』
「こっちも終わったぜ」
「……」
安心したのか、女騎士はそのまま倒れ、その場で寝てしまっていたのだった。
「……近くの街に衛兵がいれば、こいつを突き出しておこうぜ。流石に街には入れないからな」
『それは賛成だ』
十数分後。女騎士を近くの街の衛兵の目の前にこっそり突き出し、それが終わり次第。街から離れてダンジョンを探すことにしたのだった。