メイデンドールのアルシュラとの戦いが始まった。
彼女から放たれる魔力は殺気と混じり、とてつもない圧力が迫る。
だが俺達は怖気づくことなく、武器を構え、戦闘態勢に入った。
メイデンドール。作品に置いては低ランクのモンスターでゾンビ系にされることが多い。
だが、この感じは……彼女は物質系だろう。
それゆえに、俺達にとって苦戦する相手ではない。
何故ならば…。
『初手から行くぞ!ギラグレイド!!』
俺はこう見えて素早さが普通に高い。よって先制は取れるのだ。
詠唱したのはギラ系の最上級呪文、灼熱の渦がアルシュラを包み込み、特大のダメージを与える。
「ちょっと!?いきなり乙女を燃やしにかかるとか、プライドはないのかしら!?」
『そんなものないな。敵に情けをかければやられるのは当然だろう?』
魔王軍が相手なら尚更加減はできないがね。
「次はオレが行くぜ!ジゴデイン!!」
ソウゴが動き、呪文を詠唱する。頭上に超巨大な雷が降り注ぎ、アルシュラは避け切れずに地獄の雷が直撃した。
「やってくれるじゃない…!これはどう!?」
アルシュラの目が怪しく光り、その瞳から光線が放たれた。
「うわっ!」
「ちぃ…!」
『これは…「はかいのひとみ」か…!』
はかいのひとみ。DQM3で追加された特技の一つ。敵全体に特大のダメージを与える特技で、体技属性の特技となる。
仲間のレベルが高ければ威力も底上げされるため、メタル狩りでお世話になる特技ともされている。
『皆大丈夫か?』
「今のでHPの半分を持っていくとか頭イカレているのか…?」
「流石は魔王軍。伊達ではないというわけか」
マジか。半分も消し飛ぶとかヤバすぎるじゃねぇか。
舐めはいないが、ここまで強いとは思わなかったな。
どうやらこの世界のモンスターの強さは魔王級のモンスターから力を貰うととてつもなく強くなるらしい。
『だが…あくまで強いだけだ!舐めるなよ!』
俺はアイテムを取り出し、戦闘を続行する。
『せかいじゅのしずくだ!』
せかいじゅのしずく。味方全体にベホマラーと同じ効果を与えるアイテム。全回復はできなくても、マシと言えるだろう。
「次は私だ!こうなると状態異常の攻撃は効かないが…いきなりバイキルトで強化された攻撃を受けてみよ!」
ジュンコの持つドラゴンキラーが振り下ろされ、アルシュラを傷つける。
「きゃあああ!」
「叫んでる暇かよ?こいつも持っていきな!ギガクロスブレイク!!」
ソウゴが動き、Ⅹを描くように二つの電撃属性の斬撃が飛ぶ。そして1~2回行動の効果でもう一度ギガクロスブレイクが飛んでいく。
こっそり見たが、ダメージ表記が合計800を叩き出してたぞ。
「う、嘘よ!こんなの……化け物じゃない!1体1体が幹部級じゃない!?」
褒めてんのかディスってんのかどっちなんだ…。
「離れなさい!この雑魚スライム!」
アルシュラがソウゴに通常攻撃を仕掛ける。
「オレにそんな貧弱ビンタが通じると思ったか?効かねぇよ!」
その攻撃はソウゴの剣で弾かれる。
ここまでくれば相手はもはや詰みだろう。
『生憎、ハーゴンにこれを報告されたら困るんでな。やられてもらうぞ!』
俺はクロスボウを引き絞り、彼女の頭部に向かって矢を飛ばす。
「舐めないで!これくらい躱して―――」
『遅いな』
アルシュラが避ける際に移動する位置に俺はすでにいた。そう、クロスボウの矢弾は囮だ。
『運が悪かったな。せいぜい魔王級のモンスターに蘇生してもらえ』
持っていた鋼の剣の袈裟斬りがアルシュラの胴体に命中し、その体を斬り裂いた。
「ぎゃああああああ!!!」
斬られたアルシュラは、自身の魔素が消えかけていくのを感じて、倒れこむ。
「い、いや…!消えたくない!」
その言葉と同時にアルシュラが消滅する。
その後、俺達に経験値が入った。