『どこまで壊してやろうか』
オレガノと一緒に暴れまわり、魔王軍のモンスターを悉く一掃する。
「やらせるカ!」
もう1体の魔物が玉砕覚悟で俺に襲いってくるが
「遅い!」
オレガノが攻撃を受け流して反撃し、その魔物を撃破する。
最初は押していたが、次第にHMPが尽きかける。
『備えあれば…憂いなしだな』
エルフの飲み薬を取り出し、飲んでMPを回復させる。
暴れることを再開していると、俺にとって見たことある魔物が目の前に現れた。
アークデーモンにしては黄色い…ベリアル!?
『マジかよ…ハーゴンの配下のモンスターじゃん』
「幹部の一人にぶち当たるとはツイてないね」
ベリアルの登場で、周囲のモンスターの攻撃が止まった。
「貴様らが例の侵入者か?この拠点を攻撃し、何を奪いに来た?」
『うーん。この拠点にある財宝かな?はかぶさの剣やメタルキングの盾ぐらいあるだろうと踏んで強盗に入った』
とにかく時間を稼ぐ。まさかベリアル本人と出くわすなんて思わんかった。
流石に今のメンツでベリアルと戦うのはキツイ。回復役が別の方に行ったからな。
「財宝だと?ここにそんなものはない」
『噓を言うのが下手だな。あるじゃないか…お前たちが捕らえたモンスターが』
「……!あのピンクモーモンを奪いに来たというのか!?」
それを聞いたベリアルは後退る。まだ、ソウゴ達が姫を救出しに行ってること自体はバレていないようだ。
『選べ。財宝を渡すか、この場で俺達に八つ裂きにされるか……二つに一つだ』
あえて舐め腐ったような選択肢を与える。普通の策士ならこの会話自体が罠であることに気づくが、相手は魔物。
気づくには時間がいるだろう。
「ク…ククク…ッ。貴様……我々を馬鹿にしてるのか?」
ベリアルは指を鳴らし、無数のモンスターを呼び出す。
数的には200はいるな。
「その言葉…逆に返してくれるわ!」
上手く食いついたな。ここまでくれば戦闘で解決するのみだ。
「不意打ちよ!サンドブレス!」
オレガノは口から砂塵のブレスを吐き出し、周囲を砂嵐にする。
サンドブレスの威力で周囲のモンスターの魔素が次々と消えていく中、俺も続いて特技を放った。
『ダークブレイク!』
闇属性の二重の斬撃が襲い掛かり、倒されては現れる魔物の軍団は屠られていき、僅か2ターンで200を超えるモンスターが全滅した。
『どうした?手塩にかけて育てた配下が呆気なくやられて悔しいか?』
「戯言を…!」
ベリアルは呪文を詠唱し、空間を大爆発させる。
この爆発…イオナズンか。
しかし。
カキィン!
魔法の障壁がイオナズンを跳ね返し、逆にベリアルを爆破した。
「これは…!マホカンタか!?」
俺には「常にマホカンタ」の特性がある。テンションが上がった状態の攻撃呪文じゃないと、無強化の攻撃呪文はほとんど跳ね返される。
その為、俺は呪文に対する警戒はやや低めなのだ。ただ、この世界にジバ系呪文があるなら、話は別なのだが。
『相方には効くが、俺には効かない。枚数有利を取るなら、俺じゃなくて相方を狙うんだったな』
道具袋から特上やくそうを取り出し、オレガノを治療する。
その後にオレガノが行動する。
「これはどう!?」
オレガノの蔦が毒を纏い、その蔦でベリアルを2回叩く。
するとどうだろうか、毒状態になったのだ。毒ブレイク大の効果が機能したのだ。
「ば、馬鹿な…!毒を受けてしまうだと…!?」
弱ったベリアルに追撃し、合計6回の打撃が飛んでくる。
こりゃあ、相手さんが可哀そうだな。
『言っただろう?財宝を渡すか、俺達に八つ裂きされるか、ってな。お前は八つ裂きにされることを選んだ。それだけだ』
その時だった。
『…!?何だ?』
突然天井が破壊され、そこからソウゴ達が降ってきた。
何やらピンクモーモンを引き連れてるが、それが姫なのだろう。
「わりぃ!遅れたな!」
「形勢は逆転したな、ベリアル!」
ベネルドが前に出て剣を構える。
枚数差は確実にベリアル側が不利に傾く、しかし、奴は退く気はなかった。
「そうか…貴様の計画であったか……ならばもう言葉はいらん!ここで果てるがいい!」
ベリアルがイオナズンを詠唱し、空間を爆発させる。
俺は特性で跳ね返せるが、他が効いてしまう…が
「ベホマラー!」
ベネルドが回復呪文をかけ、立て直しを図る。
手下もほぼ壊滅して自分は毒を受け続ける。奴にとってこの状況は絶望的だろう。