モンスターでありながら前世は姫様の新規キャラ。
クラリス。騎士と共に生きていけるか!?
ノーラ・バーンさん。応募ありがとうございます!
「普通なら撤退だが…今の状況で撤退すれば、強くなるチャンスを与えてしまう…ならばせめて貴様だけでも道連れにしてやる…!」
ベリアルは激しい炎を吐き出し、俺達にダメージを与える。
しかし、俺や耐性ガードSPを持つ仲間の何人かはその効果で大してダメージにはなっていない。
そのせいなのか、硬い敵に対してベリアルにも焦りが出ていた。
『さっきまでの威勢はどうした?これだけか?』
「ツルギ、それ悪役が言うセリフだぜ?」
ソウゴに突っ込まれる。まぁ、奴は毒を受け続けているペナルティを背負っている。それでも戦闘を継続できる。流石ハーゴンの部下だな。
「おのれ…!」
ベリアルはバトルフォークを手に持ち、俺に接近戦を仕掛ける。
俺もそれに応えるように剣を振り回し、剣戟に挑んだ。
「なぜ貴様のような奴がハーゴン様率いる魔王軍に来ない?それなりの地位は約束されるのだぞ?」
『それは命乞いのつもりか?』
ベリアルの交渉を一蹴し、剣戟を続ける。
「やはり強いな……ツルギ殿は…」
姫と呼ばれているピンクモーモンをかばいながらベネルドはその様子を見ている。
自分と戦った相手の攻撃を目の前で見ると事で、見える世界が違っているようだ。
剣戟は音速の如く速くなり、もはや飛び散る血や機械の部品が全く見えない。
『そこだ!』
剣戟の中で俺は斬撃の雨の中に突きを入れるが
「ぬぅあ…!」
ベリアルはその突きを皮一枚で躱す。
「……危険だ。予想以上に!これ以上強くなったら、我々は破滅の一歩をたどってしまう…!」
ほう?ハーゴンの部下であるベリアルからそのような言葉が出るとは思わなかったな。
実は強くなりすぎたというのか?それとも…?
考えながら攻撃を続ける。俺にはほとんどの呪文こそ効かないものの、物理ダメージを受け続けている。アタカンタはないのだからな。
『オレガノの毒に耐えられる時点で、俺は見事だと思うがな』
剣戟が終わり、互いに距離を離す。
『悪いが長期戦は嫌いでな…トドメを入れさせてもらう!』
地面を蹴り、剣に闇属性を纏わせ、小さく呪文を詠唱しながらベリアルに突貫する。
最後の抵抗なのか、呪文にブレス、槍が振り回され、俺を遠ざけようとするが、呪文を反射し、それ以外は被弾覚悟で奴の懐に入る。
「化け物め…!!」
『ああ、化け物だ。モンスターだしな』
俺は零距離でドルマドンとダークブレイクを同時に放つ。
「やべぇ!爆発するぞ!全員脱出だ!」
ソウゴ達は身の危険を感じ、塔から飛び出して距離を離す。
残ったのは俺とベリアルのみ、凄まじい呪文と特技の衝撃が塔全体を覆う。
「申し訳ございません!ハーゴン様!こいつ……強すぎる!」
凄まじい闇属性の大爆発が起き、ベリアルと塔が完全に消し飛び、形もなくなった。
***
「げほっ、げほっ!ツルギの奴、派手にやりやがったな…」
「皆、無事か?」
「何とか…」
「姫も無事だ。まさか塔事吹き飛ばすとは…彼の計画にはこれも含まれていたのか?」
「この世界には、あんな強い方がいるのですね…」
ソウゴ達は爆発前に塔からできる限り離れ、身を守っていた。
全員無傷、見事な生還を果たしていた。
***
一方、俺は爆発した後に吹き飛んだ塔の瓦礫をどかし、ベリアルがいた場所を確認する。
『賭けで放ったが凄まじい威力だったな』
俺の前にベリアルが持っていたバトルフォークだけが残されていた。大量の経験値が入っていたことから倒したんだろう。タフな相手だった。
しかし…あの火力はメガンテのような強力な爆発だ。普通は俺自身も消し飛ぶが、何故生きてるのか不思議だ。術者は受けないものなのだろうか?
『だが…ベリアルは倒した。これで魔王軍の戦力が削がれただろう』
とりあえず、脅威は去った。
へたり込み、残骸を見つめているとソウゴ達が俺を呼んだ。
「やったなツルギ!ハーゴンの部下の一人を倒したぜ!」
「人質救出と敵の幹部の撃破を成すとはすごいぞ!」
全員が無事と確認できた俺は、ゆっくりと起き上がり、ベネルドが引き連れているピンクモーモンを見る。
『貴女が、ベネルドが言っていたクラリス姫ですか?』
「ひ、姫だなんて。クラリスと呼んでください。もう、人ではないので」
「ツルギ殿、姫の救出の協力、真に感謝いたします」
『顔をあげてくれ。俺は当たり前なことをしただけだ』
ダークヒーローっぽく冷静に聞き流す。
しかし、気になることが一つあった。
『救出したのはいいが、二人はこれからどうするんだ?』
「そういえば…その先を聞いてなかった」
そう、二人の今後の方針だ。