前世が凶悪犯の魔物「ジャック」。HPが高いなぁ。
応募ありがとうございます…!
突入して数分。雑魚敵を倒しながら内部を荒らしまわっている俺達だが、一つだけ違和感を感じていた。
『おかしい。バズズやアトラスが出てこない。普通なら止めに来るはずだが…』
「一向に出てこねぇ…何かあったのか?」
ソウゴの言う通り何かあったのかもしれない。中枢をオカに爆破された挙句、俺達に内部を荒らされているんだ。
普通は出てきてもおかしくはないのだが、それどころか部屋に入るたびに出てきた魔物は戦意を失っている。
戦う意志のない魔物は経験値にもならないから、放っておいてる。
ソウゴとクラリスが戦意喪失した魔物に事情を聞くと、ハーゴンとシドーが何者かと戦闘しており、シドーが撃破されたとか。
破壊神を倒したというのか…別の魔王軍でも来たというのか?いや、それなら俺達もその情報を聞くはず。
『嫌な予感がするな。急ぐぞ』
「ああ……奥からものすげぇ邪気を感じるぜ」
「私もだ。アレが大魔王級の強さなら人間社会が揺らぐだけはある」
*
『む…!』
あれから急いで、最奥へ行こうとするが、その扉が破壊されていた。
あちこちにはハーゴンやアトラス、バズズの配下の魔物の死体が散乱しており、時間が経つたびに魔素が消滅していった。
焦げ跡からにして相当強い呪文が放たれている。氷結と炎属性が混じった呪文らしき破壊力。
間違いない。極大消滅呪文の「メドローア」だ。
「こいつはひでぇ…勇者がやったとは思えねぇな」
「あまりにも残虐すぎる…」
「恐らくだけど、やったのは魔物という可能性が高いわね…」
「腐敗臭こそしないけど、こんな酷いやり方を…」
リュウスケもこの惨状を見て少し吐きかけていた。
「くっ…人じゃねぇなら、この惨状にできるモンスターは相当強いぞ」
「見た目からして人間業でもない…」
そこまで言わされるなら、ハーゴンやシドーが倒されていてもおかしくない。
何者なんだ?魔王軍をここまで壊滅状態にした奴は…?
恐る恐る最奥の祭壇のある間へと入る。
そこには俺にとって知っている巨大なモンスターが佇む。
紫色と赤色の歯車と天秤が混じった不気味なモンスター「オムド・ロレス」の姿が見えた。
『古代兵器…オムド・ロレス!?』
「ん?討伐者が来たのか。遅かったな。ハーゴン率いる魔王軍は壊滅したぞ?やったのは私だ」
魔王級、大魔王級のモンスターをたった一人で倒したというのか?
それにあの喋り方。間違いない…こいつも
「私はもうすぐでオムド・レクスに進化できる。お前たちを倒せばな!」
『何だ…?この邪気は…!?』
大魔王を倒した証拠なのか?奴の力が強大になっていく。これは…予想を上回るほど強い相手になりそうだ。
「最後に言ってやろう。私の名は「ジャック」!殺戮を求めるものだ!!」
その言葉を聞いた時だった。ステータスボードに異変が起きる。
ジャックの一部ステータスが表示されたのだ。
種族名:オムド・ロレス ネーム:ジャック
ランク:S
系統:??? レベル:60
能力値
HP:6900 MP:200
HPが6900!?モンスターバトルロードⅤだと真大魔王のダークドレアム並みの強さじゃん!
「こりゃあ…予想外なバケモンと出くわしちまったな…!」
「勝てるのか…?」
『勝算は…あるさ』
俺は絶望しかかっている味方に喝を入れ、武器を構える。
ジャックも威圧を放ち、俺達の前に立ちはだかった。
「他の奴よりも違うようだな?いい声で泣きわめいてくれよ」
『泣きわめくのはお前の方だ。変態野郎』
俺達は予想外の大敵と戦う羽目になったのだった。