「倒した…のか?」
『経験値は入ってきたが…どうやら倒れてないらしい』
嵐のような呪文を食らってHPを0にされ、吹っ飛ばされてもジャックは立っていた。
「まさか…初めて負けるとはな…お前らの顔…覚えたからな」
そう言ってジャックはキメラのつばさを取り出し、飛び去る。
「逃がしちまっていいのか?」
『今の実力じゃあ、追い払うのが限界だ。悔しいのはわかるが、見逃すしかない』
6900のHPを持つバケモンを倒した時点で上々だが、今の実力では倒せても追い払う程度でしかない。
「クソ…いつかぶっ倒せねぇとな。いやな予感がするぜ」
『それに関しては同意だな』
崩れた神殿を俺達は後にする。その後だが、噂はたちまち東の国に広がった。
ここから先はその戦いの後の処理を語っていこう。
ハーゴンが倒され、シドーもジャックによって倒されたが、逃がしてしまった。
誰が倒したのかは未だわかってはいない状態にし、騒ぎを納めさせる。俺達が倒したことにすれば、より強力な魔物がこの地を支配するのではないかと不安をあおってしまう為、近いうちは勇者に全て押し付けるつもりだ。
ただ、魔王軍の件で東の国の防衛力強化を実施され、滞在しづらくなった。
「え、武器や防具を返しちまうのか?」
『もとはと言えば魔王軍さえいなければこの武器を使う事はなかったからな』
「私も返すことに賛成だ。いつまでも盗みに働く気はない」
俺達は襲撃があった廃村の武器屋の前に武具を全て置いていく。
東の魔王軍は滅んだ。後は人間の国が色々立て直していくだろう。俺達には関係のないことだ。
「しかし、ツルギ殿。ここから我々はどうしましょうか?」
『問題はそこだな。ハーゴンの神殿で世界地図を手に入れたのはいいが、大陸の規模が大きいな。アメリカ大陸の3倍もあるぞ』
「マジか……冒険し尽くせねぇぞ」
「そこまで広大だったのか…」
「思った以上に広いわね。この世界」
そこで俺達は今後の方針を話し合う。現状ソウゴ、ジュンコ、オレガノ、ベネルド、クラリス、リュウスケ、メタリス、ディコンは今のところないらしい。引き続き、旅は続行。
まぁ、魔物に転生した身ではできることは限られる。
「じゃあ、今度はどこへ向かうんだ?」
『そうだな…西は今のところ行かない方がいいだろう。北はどうだ?』
「北か……氷雪地帯だな」
「ジャックの件もあります。追う感じでもいいでしょう」
話し合い、次の方針は決まった。
北の国へ向かう。
そうと決まれば俺達は準備をし、東の国から逃げる準備をして、国境へ向かう。
*
一方、北の国では…
「東の国の魔王軍が滅んだらしい」
「ほう、興味深いわね」
一人の魔女が椅子に座り、魔物から事情を聞いていた。
彼女の名はリーズレット。ドラクエⅪのボスモンスターであり、氷結呪文の使い手のモンスター。
それが今、向かっている不穏分子に対して興味を持っていた。
「大勢を率いた「
背後にはクリスと呼ばれたメイデンドールの姿があった。
「はい。どのように迎え入れてやりましょう?」
「軽く、試練を与えてやりなさい。どのような強さか、試す必要があるわ」
「では、私が作ったパペットマンやどろにんぎょうの軍団を向かわせてみましょう」
新たな脅威と陰謀が、この先に待ちわびていた。