目の前にはブリザードの群れ。
ソウゴ達と共ににらみ合ってると、別の方から戦闘音が聞こえる。
リュウスケが「アイスチャイム!?何で町中に入ってきてんだよ!?」と大声を上げている。
『皆!どうやら魔女からの手荒い歓迎のようだ。まずは目前の相手を倒すぞ!』
「おうよ!折角の暖を取られてたまるかってんだ!」
俺はまず、テンションアップを行う。物質系のモンスターは防御力が高く、一部は攻撃を弾く厄介な存在だ。特にブリザードはザラキを連発してくる時があるため、早めに倒す必要があるからだ。
『食らえ!ばくれつけん!!』
敵を選ばぬ4回の攻撃がブリザードの大群を襲い、次々と屠っていく。
「オレも行くぜ!灼熱斬!!」
灼熱の斬撃による全体攻撃も混じり、あんなにいたブリザードが溶けていく。
残った残党のブリザードをジュンコが天空の剣で斬り伏せていき、大軍は全滅した。
『……こっちは終わったな』
それと同時に別方面の戦闘音が止む。
様子を見にリュウスケ達のところに行くと、アイスチャイムの屍の山が積みあがっていた。
「おう、遅かったな。こっちも終わったぞ」
どうやら俺達にとってこの2種類のモンスターによる襲撃は苦にもならないらしい。
強くなったと実感できる戦いになったという事だ。
*
「手荒い歓迎だったな」
「私たちを襲って魔女は何の得があるのでしょう…?部下を失ったにもかかわらず、まだ余裕な感じがします」
流石クラリスだ。部下の扱いに手慣れているのか、敵の大将の策略を理解しようとしている。
『やはり、直接根城にカチコミに行って、馬鹿げた呪いを解除してもらうしかないな』
「か、カチコミ?」
「オレ達の世界の俗語だ。殴りこみに行くという意味だな」
ソウゴの解説にクラリスとベネルドが「成程…」と納得する。
「けどよ。いいのか?仮に解除してもらったとして、町に入れなくなっちまうぞ?」
「リュウスケの言い訳も一理ある。だがたった一人取り残された生存者を見捨てるのは話が違うぜ?」
「ソウゴの言う通りだ。一人の人間を苦しませるのは元人間として罪悪を感じるものだ」
互いに意見が分かれる。確かにリュウスケの言う通り、見捨てれば重荷は解消されるだろう。だがそれは同時に見捨てた憎しみが増加するという事になり、さらに厄介な面倒ごとに巻き込まれかねない。
その為、ソウゴの意見も一理ある。どちらも間違いはない。
『だが、これ以上襲撃を受けるわけにはいかない。なら呪いを解いてもらい、この惨状を終わらせた方がいい。それに、残ってもらうチームも必要になるだろう』
確かにカチコミには人数は必要だが、魔女が最後の生存者を襲いに来る可能性も捨てづらい。
そこで俺達は二手に分かれて、残ってもらうチームと魔女の根城に向かうチームを決める。
町に残るチーム
オレガノ、リュウスケ、ディコン、メタリス、クラリス
魔女の根城に向かうチーム
ツルギ、ソウゴ、ジュンコ、ベネルド
このチーム分けで行う。
リュウスケ、ディコン、メタリスは町の警護を、オレガノとクラリスは生存者の介護をお願いした。
後は俺達のチームが魔女をどうにかするだけだ。
『チーム分けは以上だ。異論があるなら言ってくれ』
「オレはない」
「私もないな」
各々異論はないようだ。
なら安心していけるようなもの、まずは魔女の顔を拝みに行きますかね。