『……敬語を使った方がいいか?』
「敬語は結構よ。しかし、聞いた話とは思いっきり違うわね?人間たちから聞いた話だと、人語を喋って味方と連携し冒険者の集団を撃破したと聞いたけど」
ジゴブレイクの件を聞いているのか?
あれは咄嗟に思いついた連携技で、成功率は低めの大技だったんだが、成功して一掃したんだったな。
……だとしたら持ってる情報が古くない?
『俺は色々と実力をつけて進化してるからな。どうせなら最終進化先を探すのも悪くないかと思ってる』
生き抜くために進化してますって言いづらいからな。あえてこういった方が納得するだろう。
「そう…実に興味深いわね。クリスは逆に進化したがらないもの」
『そりゃあ、進化するもしないも本人の勝手だろ。それに干渉するのは愚の骨頂だ』
ソウゴ達も足を引っ張らないためにも進化しているが、具体的に俺は効率廚だからあまり進言できない感じなんだがな。
『それで……なぜ俺を求めた?』
「単純に部下が欲しい。それだけよ。他のモンスターじゃ碌な命令を受けないし、クリスでもいずれ限界が来るのが見えるもの」
随分と素直だな。俺を欲するために攻撃も仕掛けてここまで来させた。
回りくどい策を練らせた本人で間違いないな。
『悪いがそれは無理な相談だ。第一、ここに来た目的は町に降りかかった呪いを解いてもらう為だ。捨て駒になるつもりはない』
「捨て駒とは人聞きが悪いわね。こう見えて部下を大事にしているわ」
『どうかな…。仮に俺が部下になったとして、町の呪いを解いてくれる…ような条件は提示はしないんだろ?』
こういった存在は部下になっても約束を守る可能性は極めて低い。……偏見だがな。
「……何故そう言い切れるのかしら?」
『俺が欲しいなら、まずそっちから訪ねてくるはずだ。なのに、町に着いた俺達に対し、真っ先に部下を差し向けて襲わせた。これは俺に対する宣戦布告のようなものだ。だが、同時に弱ければ偽物と断定して領土に入ってきた侵入者を潰せたという判断は間違ってはいないだろう』
リーズレットから見れば、俺達は紛れもなく自分の領土に入ってきた余所者だからな。
場合によっては手荒い歓迎は想定してないといけない。
「そこまでわかっていて、望むものは解呪のみ。実に面白いわね。気が変わったわ。解いてあげる…けど」
『けど?』
「今まで敵の策を打ち破ってきたあなたの実力を見させてもらうわよ」
バカでかい魔力が王座の間を包み込む。かなりの実力者だ。
感じただけで体が凍りそうだ。
『負けたら従えってか?力を持って服するのは、心から服するものじゃないってことを教えてやる!』
俺は剣と棍棒を構え、リーズレットに攻撃を始めた。
「遅いわね」
『何!?』
速い…!どうやらリーズレットの素早さは俺より上のようだった。
「マヒャド!」
大きな氷塊が俺に降り注ぎ、回避行動をしている俺の身体を凍てつかせる。
『ぐおお!?負けるか…!ギガクロスブレイク!!』
雷の二重斬撃が飛ぶ。マヒャドの雨を砕き、リーズレットにダメージを与える。
「少しはやるじゃない。これはどうかしら?」
リーズレットはかがやくいきを吐き出し、下部にある仕込ませたクロスボウを凍結させた。
『…!動けない!?』
「何か細工してると思ったけど、キラーマシン2は下部にクロスボウがあるから、それから封じれば遠距離攻撃の方法を1つ潰せる。どうかしら?」
浮遊機能が生きてるとはいえ、飛び道具を封じられるのは痛いな。
『この戦いに小細工は不要ってわけか…。いいぞ、そのほうがやりやすい!』
俺はダークブレイクを放ち、再度距離を離そうと移動する。
しかし…
「せっかく間合いに来てあげたのに引くだなんてつれないわね」
リーズレットが間合いを詰めてくる。
勿論俺はそれにこたえるように技を放つ。
『魔神斬り!』
当たれば大ダメージを与える大技を放つ、リーズレットも負けじと氷を纏った斬撃を技を放った。
「マヒャド斬り!」
氷結と博打技がぶつかり、風圧が城全体に響き渡る。窓は割れ、周囲の柱は大きく壊れ始めた。
『くっ…!(強い…!魔王級のモンスターを一人で相手にするというのはこういう事なのかよ…!初代ドラクエの主人公の気持ちがわかってくるな…!)』
相手にダメージを与えているが、俺の方も大きくダメージを受けている。
魔神斬りは会心の一撃だったが、倒れる気配はない。
「身体が温まってきたわね。本気で行くわよ」
マジかよ…これで本気じゃないだと?