『……流石この国を支配してるだけはあるな』
「あら?褒め言葉のつもり?」
剣戟をしながらやや言葉を交える。
あれで本気じゃないってヤバすぎるぞ…
相手の戦力を読み間違えたか、個人的にこの状況は拙い。
ヒーラーがおらず、俺一人で戦ってるため、耐久勝負になりつつある。
俺の構成は攻撃特化だからな。しかも電撃属性。
あれでまだ倒れないならリーズレットのHPは少なくても2000以上はある。
正直言って辛いと言いたい。
「マヒャド!」
氷塊の雨が俺の頭上に降り注ぐ、それに反撃するように技を放つ。
『そう簡単に食らうか…! ばくれつけん!』
4回の物理攻撃が降り注ぐ氷塊を打ち砕く。
マヒャドをばくれつけんで相殺するという力技は流石に予想外だったのか、リーズレットがやや焦る。
「脳筋なのね!?ばくれつけんで氷塊の雨を相殺するなんてむちゃくちゃよ!」
『そういう構成にしたからな…!』
咄嗟に道具の二つを取り出し、使用する。
一つは攻撃力を上げる全体バイキルトの効果を持つ「戦いのドラム」。二つ目はマジックバリアの効果を発動する「だいまどうのコイン」。
これらのバフアイテムを用いる。
「ようやく本気を出してきたわね!待っていたわ!」
『そいつぁどうも!』
テンションアップがあるなら、テンションバーン系統の概念もある。
しかし発動確率が10%と非常に低い。普通は狙わないのだが。この時の俺はその可能性を信じた。
何故ならば…
『…!(力が漲る…!マテリアルバーンが発動したか!)』
系統によるテンションバーン。
暴走機関の特性を合わせると凶悪な構成として猛威を振るう。その為、
『ギガクロスブレイク!』
威力の上がった電撃属性の2連斬撃がリーズレットに襲い掛かり、体力を大きく削る。
「……!な…に!?」
今のダメージで彼女は戦闘不能になり、槍を床に突き立てた。
*
『さぁ、約束だ。町にかかっている呪いを解いてもらう』
「わかったわ。私に二言はない」
リーズレットは指を鳴らす。
するとどうだろうか、外から流れてくる気温が少し上がった気がした。
「しかし……賢明な奴を取り込めなかったのは悔しいわね」
『生憎、俺にもやりたいことがあるのでな。どのみち、負けられないんだよ』
交渉と戦闘の結果。解いてもらうことに成功した。
俺は下のフロアに降り、ソウゴ達を連れて城を後にする。
町に戻る途中、魔女との戦いを話す。
あの戦いで、仲間のいない状態のボス戦は無力極まりないという事を思い知らされた。
レベリング不足、そして進化する速度が遅い。
苦戦し、身体の一部を凍結させられたことによる屈辱も覚えた。
どうやら相当強くならないと俺自身の目的へ近づくのは不可能だろう。
この機をバネに、強くなることを、内心誓ったのであった。