木の葉を隠すなら森の中という言葉がある。まぁ、この場合は人を隠すなら森の中なのだが…。
ルーラで森の中に逃げ込み、一度隠れる。
ギガクロスブレイクで何人か倒してきたが、少なくても民間にダメージは入ってない。
運よくうろついてる人がいなかったから、運が味方したようなもんだった。
『さて、相手は来てくれるか…』
別の方面をちらりと見ると、キメラのつばさを使って空から捜索しているイレギュラーハンターズの連中が見えた。
「この森に逃げ込んだはずだ。策に気づくとは予想外だが、森に逃げ込んだなら問題ない。囲んで叩いても証拠は残らないんだからな」
おーおー…随分と探し回ってるじゃないか。
前世でかくれんぼゲーを作ったことあるが、隠れる側の気持ちがわかるな…。
だが、ここから逃げも隠れもしない!
咄嗟にジゴデインを詠唱し、地獄の雷を落とす。
「うわあああああ!」
「ぐああああああ!」
「い、いたぞ!あそこだ―――ぐあああああ!!??」
ジゴデインはモンスターズだと単体攻撃なのだが、この世界では全体攻撃の呪文と化している。
その為、素早さの低い敵なら七面鳥落としのように屠れるのだが…やはりこの世界のデイン系呪文強すぎないか?
ダメージ表記で800とか見えたんだが…。
暴走機関のテンションアップ付きとはいえ、威力が段違いだ。
『降りてきたか…!数はざっと300人!』
さっきの攻撃で一斉に集まり、降下する。
剣を構える者、槍を持って警戒する者、杖を持って呪文を詠唱する者。
そして、こいつらの指揮官を見つけた。
「雪山では逃がしたが…今度は逃がさん!捕まえ次第、仲間の場所を吐いてもらうぞ!」
『仲間を売るほど薄情ではないのでな。全員纏めてかかってこい!』
二刀流の大剣を構える。最初に襲い掛かる前衛を薙ぎ倒し、ギガクロスブレイクで後衛を薙ぎ払う。
電撃ブレイク大の影響でイレギュラーハンターズの面々はデイン系に対する対策が出来ていない。
一部がマホカンタをかけるが、暴走機関によるテンションアップ状態の為、貫通する。
『どんどん来い!殲滅してやるまでだ!』
エルフの飲み薬、特上やくそうを使いながら戦いを進め、戦いのドラムを鳴らして攻撃力を上げつつ、迫り来る前衛を通常攻撃で叩き斬る。
だが、リソースがあまりにも少ない。その為無駄撃ちもできないが、呪文や特技を惜しみなく使う。
だが、その中でも……数攻めはキツイ!
倒しても倒してもどんどん湧いてくるし、キリがない。
『多勢に無勢の孤軍奮闘はこのことか…!辛すぎる!!』
俺自身は物質系で尚且つマシン系のモンスターだから息切れはしないが、MPが低いせいですぐ枯渇する。
消費MP半減のスキルが欲しい…!
このままではじり貧だ…仲間を呼びたいが、それでは拠点の場所を教えるようなもの…!
『(クソ!誰か気づけ…!っと言っても無理か!)』
エルフの飲み薬の個数が3つになってきたところ、前衛の1人が懐に入ってくる。
『しまっ――――』
「魔神斬り!!」
凄まじい一回転の斬撃が身体に直撃し、会心の一撃の音が響く。
俺は勢いよく吹っ飛ばされ、岩に体をぶつけた。
『クソ…!このままじゃ……』
HPは高い方なのだが、会心の一撃を受けるとこうも脆いのか…。
「敵は弱っている!捕らえるチャンスだ!」
「うおおおお!仲間の仇だ!」
『(ここまでなのか…?)』
残り150人の敵が迫る。立ち上がる力は残ってるものの、こうも押されると勝算が薄い。
諦めかけていたところだった。
「灼熱斬!」
突然炎属性の斬撃が迫り来る敵を焼き尽くす。
敵の背後に現れたのは…
「待たせたな。相棒!今加勢するぜ!!」
拠点建築に勤しんでいるソウゴが、援軍として駆けつけたのであった。