西の国の異変と道中
ツルギ達が西の国へ行こうとしてる中、その国の地下深くでイレギュラーハンターズのメンツが魔法陣を描いていた。
使っているのはチョークではなく液体状の何か。
ただ、少なくとも血液ではない。
これはマデュライトを粉々に砕き、それを液状化させたものであった。
「これさえ成功してしまえば…」
「ですが、召喚されたモンスターが制御不能の奴だった場合は……」
「それはありえん。この魔法陣のミスさえなければ、従えられるのだ」
イレギュラーハンターズが魔法陣からモンスターを召喚する。
そんな中、一人の幹部が部下の話を聞く。
「そんなに強いのか?」
「はい。捕縛部隊の一部が壊滅。帰国した後にレジスタンスへの対応へ向かわせました」
「ツルギか…多くの知識を持ち、幾名かの
そんな会話をしている時だった。突然魔法陣が暴走し、そこから無数の闇が溢れる。
そこに現れたのは超ギガボディを持つモンスターであり、後にツルギ達の目の前に立ち塞がる巨悪だった。
「名も無き闇の王…!これは使えるぞ……!」
*
「クソッ…随分と険しいな。こりゃあ、越えるのに二日はかかっちまうぞ」
「しょうがないだろう。私が見た限りではこっちが唯一の近道だ」
「先輩とツルギさんは疲れを感じない種族だからいいけど…こっちは疲れを感じる種族なんだよ?少しは休みましょうよ~」
俺達は現在、国境を越えるために付近の山を登っていた。
登っている山はあまりにも険しく、登るのも一苦労だ。
俺やジュンコ、オレガノは特に疲れの概念はないが、ソウゴやアオイは疲れを感じる種族であるため、度々休憩を挟んでいた。
「ツルギ。オレ達は現在どの辺を登ってるんだ?」
『地図によるとこの先に洞窟があって、そこを抜ければ国境は越えられる…がこの様子だと越えるのにも1日では無理だな』
正直、無謀なのはわかるが、この登山道を使うのは早かったかもしれん。
「それにしてもよ。ツルギ、西の国でイレギュラーハンターズを壊滅させるのが目的でいいんだよな?」
『ああ。それでいい。無駄な戦闘や殺生は避けるべきだ。無抵抗な敵は無視しても構わない』
それを聞いてソウゴは「流石にそうだよな。魔物に転生しちまったとはいえ、人間性は失われて無いな」と言って安心する。
確かにイレギュラーハンターズの大半は人間だろう。恐らく魔物に対する復讐心が強い奴らで構成されているはずだ。
『1時間ほど休んだら再開するぞ。俺は斥候として先を見てくる』
「おう、気を付けて行けよ」
俺は一旦みんなと別れ、山を登り始める。もし何かあればルーラで拠点に戻ればいいんだし。
ずんずんと登っていくと地図の通りに洞窟を発見した。
チラ見として洞窟内を覗く。
『うわ、広いな……』
中はアリの巣状になっており、全てを探索しきるのはめっちゃ時間がかかりそうだ。